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福島から死にゆく太平洋 しぶしぶ汚染水漏洩を認めた東電にやる気なし
2013年7月26日 11:00
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▼全文転載
東京電力本店で22日に行われた定例記者会見で、東電は初めて汚染水が海に漏洩していることを認めた。ただ、先週中に規制庁に提出していたデータを今週になるまで公表しないなど、隠蔽体質は相変わらずで、漏出を真剣に止めようとする姿勢はまったく見えない。
(画像)
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福島第一原発では海に面した敷地に掘った井戸から、高 濃度のトリチウムやセシウムが検出された。海から4m程度しか離れていない井戸からも、高濃度の放射性物質が検出されたため、地下水を通じて、海に流れ出 ているのでは、と強く疑われたが、これまで東京電力は認めてこなかった。
22日に東京電力本店で開かれた定例記者会見で初めて、井戸の水位変化を根拠に、海水と行き来していることを認めた。福島第一原発の港湾内からは、2300ベクレル/リットルという非常に濃度の高いトリチウムが検出されている。
メルトダウンした燃料が溶け出ている疑いが強いが、東京電力ではさらに調査を進め、10月下旬に詳細を発表する、という予定を示した。海水への漏出は限定的、という考えに基づくものだが、根拠はまったくない。
また、東電は報道陣が求めても、地下水観測孔の水位などのデータを公表してこなかった。「18日に規制庁に出したのなら、なぜすぐに公表しなかったのか?」と記者から質問されて「18日にはデータの趣旨を説明しただけで、データを提出したのは本日22日」と説明した。
だが規制庁が公表したデータには、18日の日付が入っており、とりあえず隠す、という体質が事故直後からずっと変わっていないことが明らかとなった。
そもそも、東京電力が汚染水の漏出に真剣な対応を見せないのは、止める気がないからだ。2011年に爆発事故が発生した直後から、京都大学の小出助教はメルトダウンした燃料により汚染された冷却水が、地下水脈に乗って海に流れ出る危険性を指摘していた。
これを止めるためには、大規模な工事を行い、海側の地中深くまで「壁」を作る必要があった。東京電力は地下水の動きは遅く、海に到達するまでには何年もかかるとして、対応を遅らせてきた。地下水を止める工事には多額の費用がかかるため、意図的に無視してきたのだ。
そんな東電にとって、海への漏出は特に驚くべきことではない。23日にはいわき市で地元漁協に対する説明会を開き、いちおう謝って魅せているものの、説明をここまで遅らせたことでもわかるとおり、本気で頭を下げているわけではない。
恐ろしいのは、トリチウム汚染された魚介類が、これから一般の市場に出回ることだ。現在、これを止める方法はない。
ガンマ線を放出するセシウムは比較的簡単に測定できるため、出荷基準が決められている。トリチウムが放出するベータ線は検出に手間がかかるため、検査はほとんど行われておらず、スルーパス状態である。
さらに、トリチウムは人の筋肉組織に吸収されるため、英国内部放出体リスク査定委員会はガンマ線やレントゲンの15倍有害、とする報告を出している。
トリチウムは「ベータ線を放出する水」のようなものなので、海水中に溶け込んだものが蒸発して、雨として陸地に降り注ぐことも考えられる。
カナダオンタリオ州の科学諮問機関は、飲料水に含まれるトリチウムの許容量を20ベクレル/リットルに規制するよう、勧告しているが、日本にはトリチウムを対象とする基準はない。
外部リンク
◆福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果
(1/2)海水
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np
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