「北の山・じろう」時事問題などの日記

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「原子力ムラ」が秘密会合5/24報道ステーション・飯田哲也氏(動画・内容書き出し)

★30日に、記事タイトルとURLだけ掲載しましたが、どう記事にしようかと考えていたら、「Happy♡」さんが、既にアップしていたので、全文転載します。

みんな楽しくHappy♡がいい
「原子力ムラ」が秘密会合5/24報道ステーション飯田哲也氏(動画・内容書き出し) 2012-05-25(15:12)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1924.html

2012年5月24日 報道ステーション
「原子力ムラ」が秘密会合
核燃料サイクル評価を書き換え
Dailymotion(動画)
2012-5.24 原子力ムラが秘密会合ー飯田哲也氏</span>
http://www.dailymotion.com/video/xr1z08_2012-5-24-yyyyyyyyyyyyyyyy_news?start=1

さて次のニュースに参ります
使用済みの核燃料を再処理をしないで直接処分で地球深くに埋めた方がコスト的に安くつくという試算が出ました。
ちょっと前ですけれども。
だとするとですね、これはなかなかうまくいっていない再処理システム。
これをやめなくちゃいけないという事を危惧したんでしょうか?
4月の末のことですけれども、霞が関の合同庁舎の一部屋でですね、
いわゆる原子力ムラを構成していると言われる各方面の人達が集まって、
委員会に上に提出する文書の一部書き換え作業をしていたと。
秘密会議をしていたというような事を今日の毎日新聞朝刊ですっぱ抜きました。
これをやります。

ーーVTR

東京霞が関にある内閣府の庁舎。
7階の会議室に20人近い男たちが集まっていた。
運び込まれる資料。
これは我々が入手した内部映像だ。
この4人は資源エネルギー庁の役人。
この4人は電気事業連合会
この他にも電力会社、使用済み核燃料の再処理工場を運営する日本原燃の関係者。
いわゆる「原子力ムラ」の住人ばかりだ。

この人物は政府の原子力委員会の鈴木達治朗郎委員長代理

司会進行は電力会社から執行している内閣府の職員が努めている。
報道ステーション51411

内閣府職員:
じゃあすみません、お忙しいところ
えー、今日はですね…

この会議は原子力ムラの関係者だけを集めて行われる勉強会と呼ばれる秘密会合だ。
テーマは原発の使用済み核燃料を再処理する「核燃料サイクル」を今後どうするかだ。

日本は1967年から核燃料サイクル政策をとってきた。
使用済み核燃料から再処理工場でプルトニウムを取り出すものだ。
それを高速増殖炉(もんじゅ)という新たな原子炉で燃やせば、
消費した以上のプルトニウムが生まれ、それを再び活用できる。
資源が乏しい日本にとって夢の技術となる筈だった。

しかし計画の要となる高速増殖炉もんじゅはトラブル続きで、
実用化のメドもたたないまま現在も停止中だ。
もんじゅにはこれまでにおよそ1兆円が投じられているうえ、
止まっていても年間200億円以上が費やされる。

もんじゅもストップしているが、計画のもう一つの要
使用済み核燃料の再処理工場も稼働していない。

福島第一原発の事故を受けて原発を減らす方針を打ち出した政府。
この核燃料サイクルも1から見直すこととなった。
それを議論するのが内閣府の原子力委員会だ。
その小委員会が今月(5月)の16日に核燃料サイクル
今後続ける場合と止める場合についてののコストや影響を取りまとめたところだ。


近藤駿介委員長(原子力委員会):
文章としてですね、もうちょっと練った方がいいかと、私は個人的には思っているんだけれども、
よくまとまったのかなと思っています
報道ステーション51412



小委員会では2030年時点において、原子力発電の比率を35%、20%、原発ゼロなどに分類し、
使用済み燃料をすべて再利用、一部を再利用、全て埋めるてしまう場合で、そのコストを比較したところ、
どうやっても再利用をやめて地中に埋めてしまうのが最もコストが安いという結果になった。
報道ステーション51413


そこで先ほどの「秘密会合」
小委員会の議論の裏で、このコストをどう評価するかに焦点が絞られた。
これは我々が独自に入手した秘密会合の資料。

3日後の小委員会で使用される資料の原案が、なんとこの会合で配布されていたのだ。
勉強会資料[取扱注意]と書かれているこの資料。
その内容は・・・


我々が入手した秘密会合の資料、そこには
これまでの小委員会の議論を踏まえ、全量直接処分が総費用においては優位。
つまり地中に埋めてしまう事が最も費用がかからないと明記されていた。
報道ステーション51414

しかしこの秘密会合後に、実際に小委員会で配布された資料には可能性が高いと書かれ表現が後退。
報道ステーション51415

さらに核燃料サイクルを変更する場合のコストばかりが強調されていた。
報道ステーション51416

原子力ムラだけの秘密会合で修正が施されたという事なのか、

秘密会合を知らない委員からは反発の声が上がった。

松村敏弘委員(東京大学教授):
(直接処分の)補足事項として書かれていることは懇切丁寧に書いてあって、いったいどういう事なのか?
本来ならばいくらでも書くべきことがいっぱいあり訳ですよね、
で、何でこんなに偏った記述になっちゃうのかっていうのは私は全く分かりません。
報道ステーション51417


鈴木達治朗委員長代理 原子力委員会:
あのーこれはあくまでも事務局案ですので、偏りがあるというご指摘があればそれを直しますので、
あのー、えー、ご不満のあるところはご指摘いただいて、
バランス良くするように私としては努力したいと思います。
報道ステーション51418


使用済み燃料の再処理に否定的な考えを持つ鈴木氏は政権交代で登用された人物だ。
反対意見も汲み取る会議の運びには評価する考えもあるが、秘密会合での修正は否定した。

鈴木達治朗委員長代理:
検討小委員会での仕事をしていくうえで必要な、ま、色々な作業、準備作業のための会合ですので、
ずっと何回もやっていますので、話として意見として聞く場合もあるかもしれませんが、
それをそのまま反映するという事にはならないので、それは違うと思いますね。

責任者である近藤委員長は我々の取材には応じなかった。
報道ステーション51419

ただ委員たちの中には

伴英幸委員(原子力資料情報室共同代表):
ここまではっきりと、事前の勉強会のような形で、いわば内容のすり合わせですよね。
直接処分を取ると、あまりにも過大な沢山の課題がありすぎるという書き方になっていることには、
非常に憤りを感じました。
このやり方でやっていくのなら、はっきり言うなら、委員会、審議会は要するに形式にすぎなくなってしまうんですね。
こんな状態でやっていても「意味がない」と言われかねませんよね
報道ステーション51420


松村敏弘委員(東京大学教授):
私が最も問題だと思っているのは(電力)事業者から来ている事務局の方がいらっしゃるわけで、
専門的な知識を提供してもらうものとして事務局に入ってもらっているのであって
出身母体との連絡役を期待しているのではない。
報道ステーション51421


確かに事務局の顔ぶれを見ると電力会社やメーカーなどから「政策調査員」という肩書で出向している。
報道ステーション51422

彼らが連絡役という事なのか。
この原子力委員会をめぐってはつい最近も問題が発覚していた。
会議のテーマを電気事業連合会などに事前に示していたのだ。
反発を受けたものに関しては議題から外していたという。
報道ステーション51423

明るみに出た秘密会合の存在。
政府は今後どう対応するのか。

藤村修官房長官:
事業者も参加している勉強会で、その、報告書案がなんか配布されたというのは、
わたくしも適切でないと思います。
報道ステーション51424

Q:事前に示していることが適切でないと考える理由は
やっぱりその、改ざんしているという疑念を招くから、そういう事ですか?

藤村修官房長官:
そうですね、すでに疑念を招いている訳ですから


ーースタジオ

報道ステーション51425


古舘:
スタジオには「原子力ムラ」という名の名付け親でもある飯田哲也さんにお越しいただきました。
お話しをうかがいます。よろしく言願いたします。

飯田:こちらこそ

古舘:あの、飯田さんはかつて原子力ムラに所属していたんですね

飯田:
そうです、しかも最初は産業界にいて、
それから、電力中央研究所というところで半分は国の原子力安全委員会の仕事と
残り半分は電気事業連合会の仕事をしていたので、
ま、一通り少しずつ経験したということですね。

古舘:
そこにいて疑問に思う事が多々あって、バーッと違う方向の研究の道に行かれましたね

飯田:
そうですね、ま、なんだかほとんど論理的に議論が進まずですね、
かつそういう批判的な言葉は、ま、反対というのは基本的にあり得ないんですけど、
ちょっとした疑問でもですね、許されない空気が支配していてですね、
「とんでもないところだな」というふうに思いましたね。

古舘:
あ、そうですか。
今日の毎日新聞の記事を読みますと、
この原子力ムラを構成している各方面の人々が4月末にに集まったと今お伝えした時に、
会議が、本会議というかね、話し合いが本格的に始まる前に
雑談の中で飯田さんの名前が出てきて笑った人がいたと、

飯田:そうらしいですね。

古舘:どういう事を想像しますか?

飯田:
いや、あの〜、そもそもそういうところで名前が上がるという事は非常に光栄なことでしてね、
ま、その分脅威に感じておられるんだろうということですし、
笑う事によって、心の中の不安感を、
つまり自分たちの原子力ムラが壊されるんじゃないかという不安感を、ま、払拭しようとしたんじゃないかと思いますね。

古舘:それから今夜ですか?飯田さんは枝野経産大臣ともお会いしているんですか?

飯田:
というか、総合エネルギー調査の中央問題審議会で枝野さんがずっと出ておられて、
冒頭、穴井委員と私の方で問題を指摘して、経産省も同じ、
そこに経産省の人も参加していたんですが、その事実関係と、
経産省も同じような恣意的な運用をしていないかどうかきっちりと調べる必要があるという事も申し上げて、
ま、枝野大臣は経産省が参加したのは、エネ庁が参加したのは求めに応じて参加したのであって、
そこから先は原子力委員会任せであるというコメントで終わりましたね。

古舘:
ただ、その枝野大臣の反応も含めて私は疑問に感じるんですが、
資源エネルギー庁は誘われたからとか言われたからとか、経産省はとかいろいろ、
で、原子力安全委員会、原子力委員会、または内閣府、ま、いろいろ言うんですけれども、
殆どが参加して原子力ムラを構成しているんですよね。

飯田:ま、そうですねww

古舘:これはどうして

飯田:
いや、3.11前な本当に当り前で、
私は10年前も経産省の報告会に入っていたんですが、
まとまる寸前の報告書をある国会議員から頂いて、
電気事業連合会が赤をびっしりテニオハ入れているんですね。
これはもう本当に当り前のことで、さすがに今の総合エネ庁はそこまでやっていないと思いますが、
原子力委員会は原子力ムラの人がほとんどで、3.11前と同じような事をやっているということで、
事故が起きて、
結局近藤委員長もそうですが、

古舘:原子力委員会の現委員長ですね

飯田:
はい、つまり、この事故に関して、結果責任をですね、やっぱり問わないといけないと思いますね。
同じ人が、経産省も資源エネルギー庁保安院も安全委員会も原子力委員会もやって、
しかもこの策定会議は3.11前に選ばれた委員がほとんどそのままですから、
これは非常に大きな問題でしてね、
いま報道にもあった、事務局が結局事業者から出ていていれば、
これはやっぱり、事務局が書く文章というのは非常に決定力があるんですよね。
そこも見直していかないと思いますね。

古舘:
本当に責任の所在をつまびらやかにしてもらいたいと強く思います。
それと同時にですね、飯田さん、
福島の事故があって、今もずーっと被ばく不安、そして引き裂かれた人々、分断。
さまざまな、本当に生きているうえでの地獄のような事が展開されているという事を克明に
こういう方々はムラの中でワーッと、身内とハッキリ言っていいと思うんですけれども、集まって、
いろんな事を上手くうま〜くやっていって、
無駄なお金と思わずにそれをちゃんと事業を進めるという事を平気で出来るのがエリートなんですか?
どうなんですか?

飯田:
いや、ほとんどですね、事故、福島の実態、あるいは一般の人の不安というのは
ほとんどなにも感じていない人々ですね。
それがもう原子力ムラの人達の実態で、「原子力は安全だ」という安全神話にあっという間に戻ってしまっている。
その裏返しには愚民意識というですね、
原子力に反対するやつはバカだチョンだというですね、ま、そういう

古舘:愚かである

飯田:あ、愚かである・・ちょっとすみません言葉が。

古舘:はい

飯田:そういうかなり見下した姿勢がですね要因としてあるというのが明らかですね。

古舘:
こういうふうに原子力ムラという言葉がですね、
ある部分定着することの、名付け親に失礼なんですけれど、
怖さも僕は今日毎日新聞を読んでいて感じたんですよ。
「またこれかい」って思ってしまったんですね。
「またこれかい」じゃなくて、もっとビックリしなきゃいけないですよね、この現状を。
で、そこで、
持って行き場がないという事で思考停止することがいやなのでね、
これお伺いしたいんですが、
政府、経産省、ま、いろんな言い方があります。資源エネルギー庁もその傘下です。
全部がそのグループを形成するという視点に立てばですね、持って行き場がなくなるんですね。
「どうするんだ核燃料サイクルを」っていうことだって、どこに持って行ったらいいのか?
私は国会じゃないかというふうに強く感じるんですね。
で、国会で野党も含めて、今消費税、社会保障関連をやっていますけれど、
ここで徹底的に議論して、国民もそこに間接的ながら参加するという形を取るべきじゃないかと考えるところもあります。
飯田さんどうですか?国会のやくめ。

飯田:
とりあえずこの原子力委員会は、安全委員会もそうですが、
国会同一委員で決まっていますから、
なぜこういう責任者を、3.11前からあとまで引き続いて任命しているのかというのは
国会自身が問われることだと思うんですね。
やはり委員の改選、委員長それから他の全員をすべて見直していくというところから、
やはりスタートすることが必要だと思いますね。

古舘:
ものすごく大雑把な言い方ですけれども、
飯田さんは原発の稼働ゼロにしても自然再生エネルギーを進めつつ電力は足りるんだと、
それなりに、ま、考え方を変える部分もあるかもしれないけれど、節電も全てやって足りるんだというお立場。
「いいや足りない」もちろん中小零細含めてキツイところもあるだろう。
ここで意見が分かれてきたと思うんですが、
三浦さん、今日のこの再処理の問題ですね、
どっちにしても核のゴミという物はずっと残る訳ですけれども、どういうふうにお考えですか?

三浦俊章:
私は、あの、飯田さんが言われたようにこういう癒着はずっと続いていたんだと思うんですね。
で、ま、3.11を経てまだこれがというよりも、私はむしろ、
3.11があったからこそ今必死になって生き残りを図っているかのように見えるんですね。
だから先程のお話で言えば、私はもう少し広く考えると、
この日本という国はひとつの方向が定まって、官民一体していて非常に効率的じゃないですか。
しかし立ち止まって今の在り方を問い直すというところがすごく弱いと思うんですね、行政転換が。
というのはやはり、
異論を唱える人を排除するような形でしか、主流のところが作られていないんじゃないかという事ですね。
だから私はそこまで考えると、3.11が示したものは、そういう日本の行き詰まりであったんだけど、
これを本当に変えるというのは、相当な覚悟とエネルギー決意というのがいるんだなぁと思いましたね。

古舘:
その、飯田さん、覚悟なんですけれどもね、
もちろん覚悟は必要です。

・・・あ、・・ゴメンナサイ・・(ペーパーを見る)

あ、先程の、ちょっと飯田さんの発言で
ちょっと不適切な部分が、「原子力ムラから見れば国民は愚民だ」という文脈の中で、
その後の言葉がちょっと不適切だったという事、ここで変わりましてお詫び申し上げさせていただきます。

飯田:わたしも(ペコリ)

古舘:申し訳ありません。
そしてちょっとお話しを続けさせていただきますけれども、
あのー、もちろん厳しい部分があるんですが、
ただ縮小社会で縮んでいくことだって耐えられないことがありますよね。
そうじゃなくて雇用も生み、自然再生エネルギーを必死に増やしていくなかで、
原発稼働ゼロで行けるというのはどの位の時間軸を見たらいいかというのを、
現実主義者としての飯田さんは思っていますか?

飯田:
当面の原発停止はですね、
今の安全性の適性な手続きと
それから必要性の、ま、きちんとした説明と、
そして、政治手続きの正当性ですね。
その3つを満たしていないので、ここはわたしは、1年から2年は少なくても無しで頑張る。
で、そこから先はそれをクリアしたものはですね、中長期的な原発の廃止を国民的に合意する中で、
その3つの条件をクリアしたものは、ま、動くかもしれないし、
でもクリアできなければ、動かないかもしれない。
当面、だからここ1,2年は難しいんじゃないかと思っています。

古舘:
そのうえで必要ならばいたしかたなく、
そしてまた上手く行けばそれは必要ない。
そういうような2段階のお考えですね。

飯田:そうです

古舘:今はどう考えてもその手続きの方法はおかしいだろうと、

飯田:全くおかしいですね

古舘:ありがとうございました、またよろしくお願いいたします。



ーーー

私は即全原発廃炉を指示していますが、
大きく分けて考えれば
「条件がそろわない間は停止」、という飯田さんのような考え方の方が、
今の日本人には受け入れやすいのかもと思いました。
条件がそろう筈もなく・・・とも考えられるので。

本題とは関係ありませんが、

すぐに言い替えて訂正しているのに、放送ステーションに苦情を言った人がいるんですね。
放送禁止用語も変だなってとても思います。
バカだチョンだの何が悪いのか(。◔‸◔。)??
        ↑
(※「チョン」の意味をコメントで教えていただきました。私も反省します。申し訳ありませんでした。)

こんなこと禁止して制限するから、報道も自由にできなくなってきたような気がしました。



続きを読むに番組内で古舘さんが話している毎日新聞の記事



<核燃サイクル「秘密会議」>まるでムラの寄り合い
毎日新聞 5月24日(木)2時30分配信

052411.jpg
4月24日の秘密会議(勉強会)に配布された議案の原案。表紙の右上には「取扱注意」と記載されている
(※↑画像をクリックすると元のページが開きます) 

扉の向こうに信じがたい光景が広がっていた。
4月24日、東京・霞が関で開かれた「勉強会」と称する核燃サイクルを巡る秘密会議。
一線を画すべき国家公務員と電気事業者が談笑する様は、まるで「原子力ムラ」の寄り合いだ。
参加者の手元にはなぞの文書が配られる。
取材班は後に内閣府原子力委員会の小委員会で示される報告案の原案だったことを突き止めた。
【核燃サイクル取材班】

【核燃サイクル原案】秘密会議で評価書き換え 再処理を有利

 ◇反対派批判、一斉に笑い

4月24日午後5時前、東京・霞が関の中央合同庁舎4号館7階743会議室。
開けっ放しのドアから三々五々、背広姿の男たちが入室していくのを記者は目撃した。
原子力委員会、内閣府、経済産業省資源エネルギー庁電気事業連合会、日本原燃、東京電力……。
反対・慎重派の姿はなく、推進派ばかりだ。

青のワイシャツ姿の男が脇に書類の束を抱えて入室してきた。机にどんとおろす。
一山にすると崩れるからか二山に分けて置いた。高さは片方が20センチ、もう片方が10センチぐらいだろうか。後に判明した事実によると、文書は「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」の報告案の原案。実際に審議されたのは14日も先だ。

2人の内閣府職員が「ロ」の字に並べられた机の上に1部ずつ原案を配布していく。
電事連幹部らが笑顔で受け取る。
扉のすぐそばに座っている高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する「日本原子力研究開発機構」幹部は熟読していた。
やがて雑談が始まり、
1人が反対派の論客である環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長らの名前を挙げ批判すると、
一斉に笑い声が起こった。

午後5時10分、開けっ放しだった会議室のドアが静かに閉まり、秘密会議が始まった。
関係者によると、青森県六ケ所村の再処理工場を運営する「日本原燃」幹部が
再処理事業の生き残りを意味する「再処理・直接処分併存(併用)」政策で小委員会の議論をまとめるよう依頼した。
「六ケ所をやめて直接処分にするとあちこちが大変になる」と強調する幹部。
再処理事業が破綻すると、
六ケ所村に貯蔵中の約2919トンの使用済み核燃料は施設外に搬出しなければならないとされる。

小委員会は今月23日、
新大綱策定会議に併存に有利な表現の並んだ「総合評価」を盛り込んだ取りまとめを報告した。
経産省関係者は
「再処理しても最後はごみを捨てなければならない。
政府と役人が一体となって最終処分場を造るために汗を流さなければならない時に、
時間稼ぎに過ぎない政策を推進している」と嘆いた。

 ◇「うっかり」は通用しない

長期的な原子力政策を論議する「新大綱策定会議」(議長・近藤駿介原子力委員長)の議案が
原発再稼働の妨げになるとして隠蔽(いんぺい)された問題を毎日新聞が報じた(8日朝刊)際、
近藤氏は主に二つの理由から「問題ない」との見解を示した。
しかし、秘密会議問題で発覚した経緯に照らすと、今度は同じ弁明は通用しない。

議案隠蔽問題は4月19日、事務局の内閣府職員が
「(原子力と)地域社会との共生」と題した同24日の策定会議の議案を
経済産業省資源エネルギー庁電気事業連合会に渡したところ
「『(地域には再稼働に慎重な)滋賀県は含むのか』と追及され策定会議が紛糾する」と言われ、
この議案をとりやめたというもの。

近藤氏は電気事業者に渡った点を不適切としながらも
「議案ではなくメモ。議案なら(パソコンのプレゼンテーションソフトである)パワーポイント形式にする」
「事務局がメモをうっかり電子メールで流してしまった」などと釈明した。

しかし今回発覚した秘密会議疑惑で配られた原案はパワーポイント形式。
さらにメールではなく会議室で事業者に手渡している。
所管大臣である細野豪志原発事故担当相は議案隠蔽発覚時、近藤氏擁護論を展開した。
対応が注目される。【核燃サイクル取材班】

 【ことば】原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会

東京電力福島第1原発事故を受け、
使用済み核燃料の再処理政策を見直すために内閣府原子力委員会が設置した有識者会議。
原子力委員長代理の鈴木達治郎座長と大学教授ら計7人が昨年10月〜今月16日、計15回議論した。
政府のエネルギー・環境会議は夏にも革新的エネルギー・環境戦略を打ち出す方針で、
小委員会の取りまとめは経済産業省の総合資源エネルギー調査会や
環境省の中央環境審議会の議論などとともに反映される。


核燃サイクル原案:秘密会議で評価書き換え 再処理を有利
毎日新聞 2012年05月24日 02時30分(最終更新 05月24日 02時57分)


内閣府原子力委員会が原発の使用済み核燃料の再処理政策を論議してきた
原子力委・小委員会の報告案を作成するため4月24日、
経済産業省資源エネルギー庁、電気事業者ら推進側だけを集め
「勉強会」と称する秘密会議を開いていたことが分かった。
表紙に「取扱注意」と記載された報告案の原案が配られ、
再処理に有利になるよう求める事業者側の意向に沿って、
結論部分に当たる「総合評価」が書き換えられ、小委員会に提出された。
政府がゼロベースの見直しを強調する裏で、政策がゆがめられている実態が浮かんだ。

小委員会は修正後の総合評価を踏襲して取りまとめ、23日、
「新大綱策定会議」(議長・近藤駿介原子力委員長)に報告して事実上解散した。
近く政府のエネルギー・環境会議に報告される。

毎日新聞はA4判79ページの資料を入手した。
表紙右上に「4/24勉強会用【取扱注意】」、
表題は「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会(第13回)」で、
4月27日に論議される予定の報告案の原案だった。


052412.jpg


「みんな楽しくHappy♡がいい♪」の管理人さん、ありがとうございました。