「北の山・じろう」時事問題などの日記

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国民よ、騙されるな あらかじめ仕組まれた「妨害者・小沢一郎」の謀略レッテル 「週刊ポスト」

レオヤナギさん!どちらへ?(ブログ名)から全文転載
2012-06-10(20:51) 
国民よ、騙されるな あらかじめ仕組まれた「妨害者・小沢一郎」の謀略レッテル
http://ameblo.jp/1192tt0804/entry-11274279496.html


文殊菩薩(ブログ版)」氏のブログより
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-420.html#more

<転記開始>↓

2012-06-10(20:51)

国民よ、騙されるな あらかじめ仕組まれた「妨害者・小沢一郎」の謀略レッテル

   首謀者は「野田を早く降ろしたしい」人々だ 

週刊ポスト」 2012/06/15号

 これほど未来がありありと予測できることを誇るべきなのか、悲もむべきなのか。野田−小沢会談を当日のテレビ、翌日の新聞がどう報じるか、本誌にはわかりすぎるほどわかっていた。
「総理大臣が礼を尽くしたのだから、増税の機は熟した」「総理が頭を下げているのに反対する小沢はけしからん」相変わらずの〝小沢マニア〟たちが作り出す「小沢政局」にはウンサリする。

■ 「スパイ」と「小沢」の関係

 野田佳彦・首相は退路を断たれていた。それをやったのは小沢一郎・元代表でも輿石東・幹事長でもなく、これまで政権の庇護者だった大マスコミである。

 前稿でレポートしたように、会談前日に降ってわいた「中国人スパイ事件」は、読売新聞の〝スクープ〟というより、権力中枢にいる何者かが突然、野田政権にヒ首(あいくち)を突きつけた〝脅迫リーク〟と見たほうがよい。

〝スクープ〟当日には、これが野田政権の致命的スキャンダルになるという「もっともらしい解説」がメディアや永田町を駆け巡り、現に政権幹部とスパイの親密さを示すエピソードが次々と湧いて出た。

 震災後の日本を間違った方向へ引っ張って行こうとする既得権勢力には、世界一高い電気を国民に押し付けて暴利を食ってきた電力マフィア、大増税で利権と権益を増やしたい霞が関、それら勢力と「よしみ」を通じて甘い汁を吸ってきた大企業、さらに彼らにしゃぶりつき、あるいは飼いならされてきた与野党の政治家などが連なる。

 野田氏もその一員として増税や原発再稼働、大企業優遇、そして政界旧勢力を結集する大連立を狙ってきた既得権派の〝末席〟にいたはずだが、いずれの勢力か、野田氏よりずっと高みにいる権力者から、「ちゃんとやらないとクビが飛ぶぞ」と脅される立場に堕ちたというわけである。

 スパイ疑惑と関係があるかはさておき、既得権勢力にとって目下、最も目障りな存在は小沢氏である。今の日本は、霞が関も財界も大マスコミも、野党までもが増税や原発再稼働に賛成なのだから、あとは小沢さえ倒せば……という構図になっている。

 さて、スパイ情報と小沢会談を結び付ける興味深いもうひとつの事実がある。会談直前に野田氏がメディアに「ハシゴを外された」と坤いたのはスパイ報道だけではなかったのだ。
  
「乾坤一擲」(けんこんいってき)「一期一会」(いちごいちえ)「党議に反すれば党として対応する」──野田氏は小沢会談直前の5月28日、内閣記者会の取材に答えてそう語ったと大きく報じられた。そこだけ素直に読めば、「小沢との会談はこれが最初で最後。それでも反対するなら処分する」と、〝小沢切り〟を宣言した印象を受ける。

 しかし、実際の会見のやり取りを見ると、これらの言葉は記者たちが誘導して引き出した「言質」といったほうが正確なようだ。

 記者はまずこう訊く。「小沢氏を1回で説得できると考えていますか?」

 それに対し、野田氏は「誠心誠意、腹を割って話し合い、理解いただくことを目指す」と答えている。すると記者が、「2度、3度会談することもあるのか?」と畳みかける。野田氏は、「会う以上は乾坤一輝だ。一期一会のつもりでしっかり説明したい」と述べた。その後、自民党との増税法案協議の話題がひとしきりあった後、記者からこんな質問が出る。

民主党議員が造反した場合は除籍など厳しい態度に出るのか?」

 それに対して首相は、「一般論としては、党議に反すれば党として対応するのが基本だ」と語った。

 これを受けて各紙は判で押したように、「小沢と会うのは1回だけ。自民党との修正協議には前向き。造反議員は除籍」と報じたのである。最初から作りたい原稿が決まっていたような〝名取材〟だ。


■ 増税世論調査は「小沢設問」だらけ

 ほかならぬ野田グループ「花斉会」所属議員が新聞報道に呆れ顔なのだ。

「そもそも今回の会談は野田総理から申し入れたもの。それで〝1回限りだ〟なんて失礼な話ですよね。野田さんはそんな意図はなく、むしろ小沢さんと連携する道を本気で模索しようと考えている。そうでなければもっと早く自民党と手を組んでいますよ。しかし、新聞は『平行線』『決裂』としか書かないから、そういう雰囲気が作られてしまう」

 新聞だけではない。前原誠司政調会長は5月29日の記者会見で、「妥協の余地は全くない。何度もやる詰ではない。一発勝負でやって頂きたい」と発言。岡田克也副総理も同日の会見で乾坤一輝といわれた。1度でしっかり結果を出したいのが総理の思い」と、記者クラブと談合したかのように「野田ハシゴ外し」に加担している。

 もっとも、この〝次期総理候補〟の方々は、まだ既得権派の末席にも着かせてもらっていない。新聞の尻馬に乗る発言は、「9月の代表選に向けて、野田さんと小沢さんが接近することを警戒しているだけ」(前出・野田グループ議員)と馬鹿にされている。

「前原や岡田は何が何でもこの会談を『幕引きセレモニー』にしたいようだが、総理のニュアンスは少し違っている。小沢さんが主張する『政権交代の原点回帰』に理解を示し、協力して政権を安定させて国民の支持を取り戻したいというサインが出ている。だから小沢さんも会談に応じた。

 そもそも総理大臣が会談するのに官邸を使わず党本部でやるというのは、『代表と元代表は対等』という配慮。輿石さんが提案し、総理も小沢さんに気を使ってそう決めた」(小沢側近)

 それが真相だとしても、会談で主張に隔たりがあったことは間違いない。大新聞や霞が閑、大連立を目指す「幕引き派」にとっては、〝さア、小沢を切って増税政権を作ろう〟と走り出す環境は整った。

 スパイ情報まで出てくるキナ臭い政局のなかで、やはり浅知恵を露呈して笑わせてくれるのが大新聞である。昔から記者クラブメディアの権力擁護はあったとはいえ、それを読者・国民に気取られないように巧妙に自分たちが望む世論を作る記事を書くのが〝プロ〟の仕事だったものだ。

 ところが今は、露骨すぎて魂胆も性根も能力のなさも丸見えなのである。

 各紙は申し合わせたように会談直前にお得意の世論調査を実施し、全く同じ2点を強調した。

「国民は増税を容認した」
「国民は増税反対の小沢を拒否した」

 どの社も「消費税の是非」と「小沢復権の是非」を2大テーマに複数の質問を設け、いずれもかなり強引に「賛成」「反対」を導くよう苦心している。

 例えば日経新聞は、政府の増税案への賛成が4割にも満たないと、解説記事で(「与野党が話し合って修正案を成立させるべきだ」の48%を加えると、(中略)容認論は57%と高まる)と勝手に賛成派を水増しする屁理屈を展開。修正協議すら始まらないのに「正体不明の修正案」の賛否を問うアンケートに何の意味があるというのだろう。

 産経新聞のほうが少しは知恵が働く。消費増税の賛否を聞けば反対派が多いことは明白なので、「消費乱率引き上げ関連法案について、次の考え方は当てはまるか」という持って回った表現を使い、続けて「野田政権は社会保障制度や景気回復条項などで自民党などの提案を受け入れ、今国会で法案を成立させるべきだ」の「思う」が51%だったとしたり「社会保障」とか「景気回復」など、聞こえのいい枕詞をつけて「賛成」を増やすのは、大新聞がよくやる世論調査の手法である。

 逆に「小沢設問」のほうは悪いイメージの枕詞が必ず付く。タチが悪かったのは朝日新聞で、「民主党は、政治資金の問題で党員資格を停止していた小沢さんの処分を解除しました。(中略)適切だと思いますか」と訊く。「政治資金の問題」が裁判で無罪とされたことさえ明確にしない強引な調査では、「適切」が22%にとどまるのも当然だ。

 その朝日は社説で「野田・小沢会談 ああ、この仰々しさ」と嘆き、(小沢氏は、いまはひとりの民主党員である。(中略)みずから常々「一兵卒の身」と語ってきた)と書いて〝たかが小沢と会うくらいで騒ぐな〟と強がってみせるのだが、その一兵卒の処遇をネチネチとアンケートで訊く自らの〝小沢マニア〟ぶりには気付かないらしい。


■ 岡田「魂のマニフェスト」演説

 元東京大学新聞研究所教授で日本ジャーナリスト会議会員の桂敬一氏は世論調査報道を厳しく批判する。

「これらは〝小沢を切って増税しろ〟という『政局アンケート』に他ならない。むしろ小沢叩きのために消費税が使われているという印象すらある。本当に消費税の是非を問いたいなら、小沢氏の処遇などではなく、年金改革のあり方や、増税が社会保障に結び付くと思うか、などを訊くべきだ。結論ありきの世論調査など何の意味もない」

 桂氏の指摘通り、「小沢叩き」が主で、「消費増税」がその道具だというなら、まだマシかもしれない。謀略によって失われるのは小沢氏の政治生命なのだから。しかし、冒頭で述べたように、国民から徹底的に搾取しようと企む権力者が手を組んで増税を仕掛け、「邪魔な小沢を抹殺する」「野田が小沢と妥協するなら総理をすげ替える」と動き回っている可能性も十分ある。その場合、失われるのは国民の財産と自由と、この国の正義、そして未来である。

 小沢氏に対する好悪の感情は別にして、

マニフェストで国民に約束し、それによって政権を与えられた政策を全力で進めるべき」という小沢氏の主張と、そのマニフェストを次々と潰し、政権交代前の権力構造を再構築しようとする勢力の言い分と、どちらが正論か国民は考えるべきではないか。新聞は揃って民主党マニフェストを批判し、それを撤回することが正義だと書くが、本当に国民はそう思っているだろうか。

 いまや野田首相以上に既得権派に尻尾を振る岡田副総理は、政権交代直前の09年8月11日、街頭演説でこう絶叫していた。

「この私たちのマニフェストを読んで下さい。毎日議論をして練り上げてきた集大成です。役人が作ったものなんてひとつもありませんよ。私たちの魂がこもったマニフェストなんです。私たちは208兆円ある一般会計、特別会計の中で約9兆円のカネを作り出す。私たちはそれをやるんです。一から制度を見直せばできるんです、皆さん!」

 その魂を投げ捨てた者と守ろうとする者、どちらが本当の裏切り者だろうか。
↑<転記終了>