「北の山・じろう」時事問題などの日記

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増税法案“可決”で民主どうなる…造反加速と“小沢新党”厳しい展望「ZAKZAK」

ZAKZAK」から全文引用
増税法案“可決”で民主どうなる…造反加速と“小沢新党”厳しい展望
2012.06.26
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120626/plt1206261811014-n1.htm

 「社会保障と税の一体改革」関連法案の柱である消費税増税法案は26日午後、衆院本会議で採決され、小沢一郎元代表を中心とする民主党反対派の約70人(欠席を含む)が大量造反し、賛成363票、反対96票で可決された。棄権・欠席19票だった。同法案は同日中に参院に送付される。小沢氏は夕方にも離党と新党結成について判断し、態度表明する。民主党内で反対票を投じた57人のうち、小沢新党には40人以上が参加するもようだ。いよいよ、最終決戦が幕を開けた。

 「よって、消費税関連2法案(増税法案)は可決されました」

 26日午後3時23分、横路孝弘衆院議長がこう宣言すると、衆院本会議場は「おーっ」という怒号と拍手などで騒然となった。さらなる混乱政局を予感させた。

 野田佳彦首相は同日午前、衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で行われた法案の締めくくり質疑で、「地元で『うそつき、ペテン師、ばか』といわれても、改革をやり遂げなければと腹をくくっている人たちが賛成している」と、法案成立への覚悟を語った。

 だが、そんな思いとは裏腹に、造反の動きは止まらない。

 小沢氏は同日昼、民主党とは別に「もう1つの代議士会」を開き、「こういう時だから政治家は決断して、意思表示をしなければならない」と結束をアピール。小沢氏を含めて43人が集まった。

 鳩山由紀夫元首相は同日午前、党最高顧問を辞任する意向を輿石東幹事長に伝え、福田昭夫総務政務官は藤村修官房長官に辞意を伝えた。中間派でも、福田衣里子衆院議員が反対票を投じる意向を表明した。

 決戦の場となる衆院本会議は、午後1時過ぎに始まった。

 野田首相は自席で背筋を伸ばして時折、目をつぶり、小沢氏は隣の席の中井洽予算委員長と談笑するシーンもあった。

 新党きづなの渡辺浩一郎幹事長が反対討論で、野田首相が昨日の代議士会で行ったあいさつを揶揄(やゆ)するように、「心から心から心から、反対をお願いします」と語った。場内からは笑いが漏れる場面もあったが、議員の出入りが多く、多数派工作を感じさせた。

 注目の増税法案の採決が始まったのは午後3時6分。賛成の白い木札と反対の青い木札が、次々とガラスケースに積み上がった。

 民主党の投票では、青木愛氏、東祥三氏らが反対票の青票を投じると、議場からは大きな歓声が上がった。そして、小沢氏がゆっくりと登壇し、青票を投じると、一段と大きな拍手がわいた。鳩山氏も青票を投じた。

 増税法案は、民主、自民、公明3党の賛成多数で衆院可決されたが、今後の焦点は、民主党分裂の規模と形だ。

 官邸や党執行部は採決直前まで、面会や携帯電話などで、造反予備軍の引き留め・切り崩し工作を展開した。首相周辺には「反対した議員は除籍(除名)すべき」との強硬論もあるが、輿石東幹事長は党分裂回避に向け、造反者の処分の軽減・先送りをする方向で調整している。

 一方、小沢氏は次期衆院選を「早ければ9月」と見立てる。与党を過半数割れに追い込むのに必要な54人以上で新党を結成し、いざ解散となれば「増税談合勢力vs反増税勢力」の構図で、民主、自民、公明3党を一気に攻め立てる算段だ。

 ただ、マスコミなどで強気の発言を繰り返すグループ中堅の中にも、選挙区事情などから「できれば離党はしたくない」ともらす議員も。水面下で党執行部と連絡を取り、グループ内に「早まるな」とこっそり働きかけをしているという。

 26日午後の時点で、小沢氏とともに離党する意向なのは40数人とみられる。小沢氏の「政治の師」である田中角栄元首相直伝の「鉄の結束」を貫けるかは不透明だ。

 政治評論家の浅川博忠氏は「小沢氏は陸山会裁判を抱える刑事被告人のうえ、和子夫人が書いたとされる離縁状が広がっているのも痛い。大阪市の橋下徹市長との連携も難しそう。小沢新党の展望は厳しい。このまま執行部が『小沢切り』をして、政治の中心は、民主、自民、公明3党がどんな連携・協力の形を取るかに移るだろう」と話している。

 剛腕政治家の最後の戦いは、どこへたどりつくのか。

民主党小沢一郎元代表が26日昼に開いた支持グループ会合出席者43人は次の通り。(敬称略)

横山北斗(青森1)、階猛(岩手1)、畑浩治(岩手2)、黄川田徹(岩手3)、小沢一郎(岩手4)、石原洋三郎(福島1)、太田和美(福島2)、中野渡詔子(比例東北)、高松和夫(比例東北)、菊池長右エ門(比例東北)、山岡賢次(栃木4)、小宮山泰子(埼玉7)、三宅雪子(比例北関東)、柳田和己(比例北関東)、石井章(比例北関東)、黒田雄(千葉2)、岡島一正(千葉3)、岡本英子(神奈川3)、橘秀徳(神奈川13)、樋高剛(神奈川18)、金子健一(比例南関東)、水野智彦(比例南関東)、相原史乃(比例南関東)、青木愛(東京12)、木村剛司(東京14)、東祥三(東京15)、川島智太郎(比例東京)、加藤学(長野5)、牧義夫(愛知4)、鈴木克昌(愛知14)、笠原多見子(比例東海)、大山昌宏(比例東海)、萩原仁(大阪2)、村上史好(大阪6)、大谷啓(大阪15)、辻恵(大阪17)、熊谷貞俊(比例近畿)、菅川洋(比例中国)、古賀敬章(福岡4)、山田正彦(長崎3)、福嶋健一郎(熊本2)、玉城デニー(沖縄3)、瑞慶覧長敏(沖縄4)

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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120626/plt1206261555010-n1.htm
 ⇒【民主“分裂”秒読み!“小沢新党”真の狙いは?】
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120625/plt1206251811004-n1.htm
2012.06.25
(全文引用)
 ★鈴木哲夫の核心リポート

 民主党分裂が秒読みに入った。消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」関連法案の採決を目前に控えた先週末、小沢一郎元代表のグループ議員は「造反・離党姿勢」をさらに強め、野田佳彦首相側は引き留め・切り崩し工作に躍起になった。与党が過半数を維持するための「54人攻防」という見方もあるが、小沢氏自身はどう考えているのか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が「壊し屋・小沢一郎」の本心に迫った。

 この1週間、政治報道は「小沢新党」の動きをめぐって過熱している。「小沢グループは都内のホテルに陣取って結束確認」「新党次第で民主党過半数割れ」「党執行部は切り崩し工作」…。

 だが、私(鈴木)は、そうした永田町的喧騒には違和感を持たざるを得ない。取材を進めると、「数」や「ギラギラした権力闘争」と一線を引いているのが、今回の小沢氏だと思うからだ。

 小沢グループの1年生議員は「いよいよ新党結成だから『できる限り数を集めなきゃ』と思っていたら、小沢さんはそうでもなかったので、非常に驚いた」といい、小沢氏について、こう語る。

 「小沢さんは『一緒にやろうとついて来る人だけでいい。自分でどうするか考えればいい』と笑っている。純化路線というか、多数派工作を仕掛ける様子がない。『理念を大事にすれば、新党は大きな流れになる』という意味なんだろうが、小沢さんと話すと達観した心境のような気がする」

 この半年、小沢氏は陸山会裁判を抱えながら、年齢や体力・気力と向き合い、政治家としての最後の仕事を計画的に進めてきた。にもかかわらず、外野は今ごろになって騒ぎ出した。

 小沢氏が「新党もやむなし」と決断したのは、このリポート(1月6日発行号)で報じたように昨年12月。野田首相が党合同会議で消費税増税方針を明言した瞬間だ。このとき小沢氏は「民主党はもうダメだな」と、それまで一度も口にしなかったセリフを吐いた。

 小沢氏は、年明けから動き始めた。

 グループ内の1人ひとりに声をかけて、「愚直に一貫して訴えていこう。消費税増税は選挙で国民にした約束を破るもので政党の自殺行為だ」と説いた。3つあったグループを1つにまとめて「新しい政策研究会」(新政研)という新党のベースを整備してきた。

 一方で、小沢氏には「長い時間かけて実現した政権交代と、二大政党を壊したくない」という未練もあった。野田首相が翻意して、党が再結束するならばそれで良かったのである。こうした心情は、小沢氏の言葉からも読み取れるという。消費税増税について「賛成できない」とは言ったが、「反対」という言葉を使わなかったのだ。

 小沢氏周辺の解説。

 「小沢さんは使い分けてきたと思う。『賛成できない』は党内論議の段階で使う言葉だが、『反対』は明らかに党の方針と違うという意思表示。つまり離党・新党しかないということ。先週21日の輿石東幹事長との会談後、小沢さんは『反対』という言葉を使うようになった」

 ついに、民主党への決別宣言をしたのである。

 小沢新党は果たして何人か。21日夕、ホテルの1室に結集したとき、離党届にサインしたのが小沢氏も含めて45人前後。その後、数人がサインしたとされ、48−50人少々が衆院採決で反対し、小沢新党に参加するものとみられる。小沢氏側近はいう。

 「少数でも、国民生活を第一に、消費税増税に反対し、国の統治の仕組みを変える−などを訴える『理念型の政党』を作る。そうすれば、同じ理念型の『大阪維新の会(維新)』や『みんなの党』とも共闘できる。その後、もう一度、二大政党へと持っていく。今度の新党は、小沢氏が首相を目指したり権力を手にするものではない。政界再編への触媒になるためのものだ」

 つまり、小沢氏は「枠組みを作るのが俺の最後の仕事。あとは若い議員たちがやればいい」と、そう考えているようだ。

 《維新幹事長である大阪府の松井一郎知事は22日、『小沢グループの人たちと同じ価値観を持てるとは思えない』『組むことはない』と政党間で連携する考えはないと発言。東京都の石原慎太郎知事は同日の記者会見で、小沢氏らの動きについて『みんな私利私欲や我欲、保身だと世間は眺めている』と批判した》

 小沢氏と行動をともにしてきた鳩山由紀夫元首相について、小沢グループでは「党代表選や菅内閣不信任案などで裏切られた。鳩山さんらは小沢新党の数に入れていない」(中堅)と語る。

 《鳩山氏は24日、『消費税率を上げる前にやることがあると期待してくれた有権者に顔向けできない行動はしたくない』と増税法案採決に反対する意向を示したが、『離党は考えていない』と語った》

 鳩山グループの展望だが「反対投票は7、8人。即離党せずに処分を待つ。除名されなければ党に残り、執行部に不満を持つ中間派の受け皿になる。除名なら鳩山グループで会派を作る。政局が見えないなか、小沢グループと共倒れを避けるため、連携しながらも別行動をとる」(グループ関係者)。

 消費増税法案は26日に採決される見通し。反対・離党が54人を超えなければ、永田町は「民主党過半数割れは阻止できた」と、小沢新党を過小評価するだろう。

 しかし、「小沢新党=政界再編への触媒」と達観する小沢氏にとって、まだ序章でしかない。そんな批評は耳に入らないはずだ。

 ■すずき・てつお 1958年生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部などを経て、現在、日本BS放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」(集英社新書)、「汚れ役」(講談社)など。