「北の山・じろう」時事問題などの日記

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原発クラゲ対策 抜本策見いだせず (NHK) 

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原発クラゲ対策 抜本策見いだせず (NHK) 
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/498.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 7 月 10 日 00:03:09: igsppGRN/E9PQ

原発クラゲ対策 抜本策見いだせず
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120709/k10013458001000.html
7月9日 19時32分 NHK


関西電力大飯原子力発電所3号機では、8日、取水口付近でクラゲが大量に発生した影響で、一時、発電機の出力を低下させる事態となったため、関西電力は取水口付近のクラゲを取り除く対策を強化する方針です。
しかし、発生を予測することは難しく、抜本的な解決策は見いだせていないのが現状です。

関西電力によりますと、大飯原発周辺では8日、クラゲが大量に発生し、取水口付近に設置している網でクラゲの進入を防いだうえ、網目をすり抜けたクラゲもベルトコンベアのような装置でかき出すなどの対策をとりましたが、処理が追いつかなかったということです。
このため、冷却用の海水を十分に取り込むことができなくなり、一時、発電機の出力を低下させました。
クラゲの大量発生に伴う発電機の出力の低下は、先月、大阪府の関西電力南港火力発電所でも起きていて、需給状況が厳しいなか、課題となっています。
これについて、関西電力は9日の記者会見で、「電力の安定供給のために、まずは現状の態勢を強化していくことが大事だ。抜本的な対策については、今後の発生状況や技術の進歩を見ながら検討していきたい」と述べました。
しかし、クラゲの大量発生を予測することは難しく、抜本的な解決策は見いだせていないのが現状です。

■“クラゲで出力低下”過去にも

国内の原子力発電所では、原子炉の熱で発生する蒸気を最終的に海水によって冷やす仕組みが採用されていますが、海水を取り込む取水口にクラゲが大量に押し寄せ、出力を低下させるケースがこれまでも起きています。
国内の原発では、蒸気を使ってタービンを回し、電気を作り、残った蒸気は「復水器」と呼ばれる設備で、海水が流れる配管に触れて冷やされます。
ところが、クラゲなどが取水口に押し寄せると、冷却用の海水が十分に取り込めなくなり、電力会社は熱の発生を抑えるために、原発の出力を下げる対応をとります。
各地の原発では、取水口に網目状の設備やクラゲなどを除去する装置を設けて、対策をとっていますが、クラゲなどが一度に大量に発生すると、設備をすり抜けるなどし、出力を下げざるをえなくなります。
去年6月には、島根県にある島根原発2号機で大量のクラゲが押し寄せ、海水中の不純物を取り除く機器がクラゲの重みで停止し、中国電力は原子炉の出力を下げました。
また、平成19年5月には、福井県にある敦賀原発2号機で、取水口に大量のプランクトンが入り込んでフィルターが詰まり、日本原子力発電は出力を40%にまで下げています。
さらに、先月には、大阪市にある南港火力発電所でも大量のクラゲが集まり、クラゲを除去する装置の能力を上回ったため、関西電力は出力を低下させました。
関西電力によりますと、ことし4月から先月までに火力発電所17基でクラゲの被害による出力の低下を行っていて、過去5年間で最も多いということです。
国の原子力安全・保安院などによりますと、クラゲによる被害は、春から秋にかけて日本海側を中心に報告されていますが、クラゲが取水口を完全に塞ぐケースはこれまでになく、海水の流量などを監視する対応で安全性は確保できるとしています。

■ことしはミズクラゲが大量発生か

水産物の流通情報や海の状況など漁業に関わる、全国各地のさまざまな情報を提供している、東京の漁業情報サービスセンターによりますと、ことしは秋田県や山形県、それに京都府、山口県などの日本海側の地域で、ミズクラゲが例年よりも多く発生しているという情報が先月下旬から寄せられているということです。
センターによりますと、ミズクラゲは日本海側で大量発生してしばしば問題となるエチゼンクラゲと比べると、漁業面での被害などが少ないため、正式な個体数の調査などは全国的に行われていないということです。
ミズクラゲは、中国沿岸で発生し、日本に流されてくるエチゼンクラゲとは異なり、日本の沿岸に生息しているため、水温や海水中の栄養分などの生育条件がよければ、どこでも大量発生して、今回の大飯原発3号機のような問題を引き起こすおそれがあるということです。
そのため駆除は非常に難しく、抜本的な対策は立てにくいということです。

■“防潮堤整備も発生助長の原因に”

大飯原発3号機の取水口付近で大量のクラゲが発生したことについて、クラゲに詳しい、福井県立大学海洋生物資源学部の横山芳博教授は、「クラゲは、幼生期の寒い時期に海岸を改修したコンクリートの護岸などに付着して成長する性質がある。沿岸地帯の開発によって護岸が増えたことで、結果的に大量発生につながったのではないか」と分析しています。
そのうえで、「クラゲと競合する小魚が減少していることも、クラゲの餌となるプランクトンが海中に増加する原因となっていて、クラゲそのものの数が、ここ10年で全国的に大幅に増加している」としています。
一方、増え続けるクラゲへの対策については、「クラゲそのものを駆除することは非常に難しい」としたうえで、「原発の安全のために必要なコンクリートの防潮堤を整備することなども、結果的にクラゲの発生を助長するよう一つの原因になる可能性があることを理解しておく必要がある」と話していました。