{47トピックス} から全文引用
【私論 エネルギー・環境戦略 再生エネ拡大の道は】発送電の分離が不可欠 富士通総研の高橋洋氏
2012/07/13 21:45
http://www.47news.jp/47topics/e/231918.php
東京電力福島第1原発事故後、安全で環境への影響が少ない再生可能エネルギーが注目されている。今後の日本で、再生可能エネルギーを拡大するにはどんな取り組みが必要なのか、内外の専門家に聞いた。
世界の電力市場に詳しい富士通総研の高橋洋(たかはし・ひろし)・主任研究員は、電力会社が送電網を所有する現在の形を見直し、発送電を分離することの重要性を指摘する。
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―原発事故の教訓は。
「電気は空気や水のようにあって当たり前のものだったのだが、事故でこの考えは覆された。計画停電や東京電力の値上げ方針などによって、電力の買 い手が、売り手を自由に選べないという地域独占の問題や、電力会社間の広域の連系が できていないことのまずさが鮮明になった」
―今の制度の問題点は何か。
「少数の電力会社が地域の市場を独占し、発電から送電、配電、小売りまでを一手に行う集中管理型の電力システムは脆弱(ぜいじゃく)だし、硬直的 だ。再生可能エネルギーや自家発電、コージェネレーションといった小規模分散型の発電設備をネットワークでつなぐシステムに転換すべきだ」
―重要な政策は。
「発電と送電が完全に一体化した日本の制度は、ある自動車会社が道路まで所有して他社の車の乗り入れを制限したり、特定の航空会社が空港まで所有 したりしているようなものだ。発電と送電を分離し、誰もが自分のつくった電気を、公平に送電網に流せるようにしなければ分散化は進まない。需要家が自由に 電源を選べるようにするためには、公正な電力の取引市場も必要だ」
―発送電一体の問題点は。
「部分的とはいえ電力市場を自由化して15年たっても日本で自由な競争が起こっていないのは発電と送電が分離されていないからだ。このために需要家は選択肢を与えられず、他の商品では当たり前になっている自由な消費行動が取れずにいる」
―発送電分離をどう進めるべきか。
「社内で会計だけを分離する持ち株会社の下で別の会社にする、所有権はそのままにして、中立機関に送配電網の管理、運営を行わせるなどの手法があ るが、望ましいのは北欧のように、送電網を所有する会社を独立させることだ。送電網を所有する企業が安定供給の責任を持つようになるので、必要な投資はな されるし、運営の透明性や効率も高まる」
―日本でも可能か。
「大改革なので抵抗も強いだろうが、発送電分離は日本でも不可欠だ。これによって地方に存在する再生可能エネルギー資源の活用も進み、さまざまな ビジネスチャンスが生まれるだろう。政治家は、電力供給の選択肢拡大を求める声の高まりに応えるべきだ」(聞き手 共同通信編集委員 井田徹治)
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たかはし・ひろし 93年にソニーに入社。内閣官房主幹などを経て09年から現職。著書に「電力自由化―発送電分離から始まる日本の再生」(日本経済新聞出版社)など。
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(更新は、中々出来ませんがトラブルは、解消しました)
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福島第一原発事故と日本の原子力産業問題の情報室(北の山じろう)
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福島原発事故がもたらす放射能による環境汚染と健康被害の情報室
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