「北の山・じろう」時事問題などの日記

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【社説】2012年9月25日 エネルギー予算 脱原発の本気度を疑う<中日新聞 CHUNICHI WEB>

中日新聞 CHUNICHI WEB
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【社説】2012年9月25日
エネルギー予算 脱原発の本気度を疑う
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012092502000089.html
▼全文引用


 二〇一三年度のエネルギー予算要求は、脱原発とはおおよそ無縁に映る。野田政権は三〇年代に原発ゼロを目指す革新的エネルギー・環境戦略の閣議決定も見送った。脱原発依存の本気度を疑う。

 一二年度当初予算額六千七百億円、一三年度の概算要求額九千七百億円。エネルギー対策特別会計経済産業省所管分だ。今後の査定いかんで予算規模は変動するが、要求段階では前年度を四割以上も上回る。

 経産省は東京電力福島第一原発事故の教訓を反映したと言いたいのだろう。住宅の省エネや風力発電の整備費などを大幅に増やした。いずれも原発ゼロを支える政策であり、一刻も早い実現が求められる。しかし、予算要求全体を見渡すと、原発を国策として推進してきた政府の本音が透けてくる。その象徴が、「福島原子力事故影響対策交付金」の新設だ。

 事故以前、東電の原発を抱える福島県は国から年三十億円以上の電源立地地域対策交付金を受け取っているが、事故後は深刻な放射能汚染に直面し、脱原発宣言、交付金辞退へ大きくカジを切った。

 福島県独自の決断とはいえ、政府としては放っておくわけにいかない。福島の窮状から目をそらせば、他の原発立地自治体からも指弾されかねない。政府はそんな危機感を抱いたのだろう。立地交付金相当額の事故対策交付金への切り替えを閣議で決定し、三十五億五千万円の交付を決めた。

 立地交付金は原発政策を推進する財布として、地域振興を名目に病院や図書館など、公共施設の維持費などに広く使われてきた。電気料金と一緒に徴収される一世帯当たり約百三十円の電源開発促進税などが財源で、原発立地に消極的な自治体や住民を抱き込む「原発マネー」とも呼ばれている。

 その原発マネーは野田佳彦首相が表明した原発依存度引き下げとは裏腹に、要求額は前年度並みの九百七十億円。ベトナムなどで原発に携わる人材育成費も計上されており、原発輸出に対しても、前のめりの姿勢が消えていない。

 原発ゼロを目指す閣議決定は、核技術の衰退がもたらす安全保障上の問題を懸念する米国などに押し切られて見送ったようだが、放射能に脅かされない社会を願う国民の多くを落胆させている。

 予算査定はこれからが本番だ。修正をためらえば「脱原発依存は口先だけ」という国民からの批判を首相は覚悟しておくべきだ。



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