「北の山・じろう」時事問題などの日記

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音を上げるのはどっちだ——究極のチキンレース 日中「経済断交」目前に迫った最も現実的な危機<現代ビジネス>

現代ビジネス
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2012年10月11日(木) 週刊現代
経済の死角
音を上げるのはどっちだ——究極のチキンレース 日中「経済断交」目前に迫った最も現実的な危機
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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33741?page=3
▼全文引用
(1)

「日本から中国に製品などを輸出する場合、税関の検査を受けなければ いけません。いままでは製品の何%かを抜き取って検査するのが通常でしたが、ここへきて全量検査されるケースが出ています。すべての商品をコンテナから取 り出して検査、それをまた梱包してつめなおすということが行われるため、製品が通関で足止めを食らっています。

 ジェトロでは経済産業省の指示で実態を調査していますが、『いまま では1日もかからなかったのに、2~3日も検査に時間がかかった』などという事例が出てきています。電子部品などの工業製品の場合、工場に届くのが遅れる ことで生産を一時ストップしなければいけない。そうなれば納品に遅れが出て違約金の支払いを迫られるケースも出てくるでしょう」(ジェトロ・アジア経済研 究所新領域研究センター長の大西康雄氏)

 尖閣問題を契機に沸騰する日中関係が、ついに、経済戦争に発展する可能性が出てきた。国内でモノが売れない日本企業にとって、消費大国である中国市場はいまや「生命線」だが、それを見透かしたように中国側が揺さぶりをかけ始めているのだ。

最初の攻撃は始まっている

 "通関規制"は中国側の攻撃第1弾。もちろん中国政府は「税関に指示した」とは明言しないが、タイミングから見てもこれが政府当局主導の経済制裁であることは間違いない。中国駐在経験の長い日系証券会社中国調査部門アナリストもこう指摘する。

「日中、日台の企業間の取引には支障は出ておらず、日本企業から日本 企業への貨物だけ通関検査が厳しくなっているようなので、明らかに作為的です。最近は中国人の日本への旅行がキャンセルラッシュになっていますが、これも 中国政府当局による措置と見ていいでしょう。私の友人の中国人が東京ディズニーランドに遊びに来る予定でしたが、『突然、旅行会社のツアー自体が中止にな り行けなくなった』と言っていました。要するに個人が反日感情から旅行を取りやめているのではなく、旅行会社を統括している中国国家旅遊局が、旅行会社に 日本ツアーのキャンセルを通達しているのが実態です」

 日本企業にとってきついのは、こうした措置に加えて「民間版」経済制裁というべき反日行動が同時並行で起きていることにある。すでに報じられてい るだけでも、「トヨタの現地販売所が放火で全焼した」「パナソニックの現地工場が破壊された」「小売店やネット通販が日本製品の取り扱いを中止した」と いった破壊活動・略奪行為・不買運動などが連鎖的に多発しているのだ。

"ダブルパンチ"を浴びせられた格好の日本企業からは、さっそく悲鳴が漏れる。

「中国で販売する団体予約のキャンセルが発生しており、その数は9月 21日までに約2万7000席になっています。また現地採用の中国人が空港で罵倒される、現地駐在や帯同家族が嫌がらせ(タクシー乗車拒否や降車時に領収 書を投げつけられるなど)を受けた事例もあります」(全日本空輸)

「9月18~21日の間、一部工場で稼働停止しました。また9月26~29日の間、天津、広州の工場を非稼働とします。具体的な台数などはまだ把握できていませんが、(不買運動による)影響が出ていることは認識しています」(トヨタ自動車)

(2)

「一部のチェーン・店舗で日系商品の取り扱いが中止となり、当社製品にもその影響が出ています」(サントリーホールディングス)

 こうした事態の打開を図るため、財界トップ・経団連米倉弘昌会長らが訪中、唐家璇前国務委員や中国の経済団体幹部らと相次いで会談したが"冷経 状態"の雪解けとはならなかった。もはや状況が改善する見込みすらなく、中国側はさらに第2弾、第3弾の攻撃を打ってくる公算が大となっている。

「次に出てくる経済制裁的な処置として、たとえば補助金制度からの締 め出しが考えられます。中国には日本のエコポイント制度やエコカー補助金のような補助金制度があり、対象リストから日本製品が排除される可能性がある。ほ かにも中国で事業所を出すには政府の許可が必要ですが、その許認可をわざと遅らせるという手法も考えられます。

 きついのは公共事業の入札妨害でしょう。巨大なカネが動く鉄道、発電所などのインフラ建設から締め出されれば、業績への影響は甚大なものになってしまいます」(大手シンクタンクの中国担当研究員)

 日本にとって中国は最大の輸出国であり、その額は年間約12兆5000億円にものぼる。中国に進出している日系企業は2万社を超え、直接投資の額 (今年1~7月)も50億ドルほどと地域別でトップ。まさに「主戦場」であり、ここから締め出されればバタバタと日本企業が倒れるシナリオも現実味を帯び てくる。前出・アナリストもこう言う。

「ここへきて日本企業が見本市から排除される事態も起きています。9 月25日に開幕した国際見本市『西部国際博覧会』では開催側から通達を受け、日系企業が出展を断念せざるをえなかった。昨年は世界から3000社以上が参 加、3兆円にものぼる投資契約が成立している中国最大級の見本市だけに、除外されるハンディキャップは大きい。オセロが次々とひっくり返るように、韓国や 欧米系企業にシェアを奪われる危険性も出てきます」

「禁じ手」もやってくる

 手の内に日本企業を怯えさせるカードをいくつも持って、小出しにしながら長期戦に持ち込み、日本が音を上げるのを待つ—これが尖閣諸島国有化でメンツを潰された中国流の"仕返し"の手口なのだ。

 それでも日本が頭を下げてこない場合は、国債カードという禁じ手を切ってくる可能性もあり、財務省も危機感を募らせている。

「中国はいま日本国債を18兆円ほど保有、海外勢の保有残高約82兆円のうち2割以上を占める最大保有国になっている。財務省は、これを切り札として使われることを恐れているのです。

 やり方は簡単で日本国債の購入をストップするか、あるいは保有国債 を大量売却するポーズを見せるだけでいい。『やばいぞ』と世界のマーケットを一斉に追随させ、それだけで日本国債を暴落させることも不可能ではないからで す。財務省は理財局が中心になって中国に国債を買ってもらう"営業回り"をしてきたが、これが裏目に出た格好です」(欧系投資銀行幹部)

(3)

 その他にも、日本経済に壊滅的な打撃を与える"劇薬"があるという。

「トヨタ、ホンダ、日立製作所、コマツ、三菱UFJフィナンシャル・ グループ、キヤノンなど日本を代表する大企業の大株主に名を連ねる『OD05オムニバス』なるファンドがあり、わかっているだけで172社の日本企業の株 を大量保有、その投資額も3兆5811億円に達している。実はこの『OD05』は中国の政府系ファンドといわれており、隠し球の一つとして使われる可能性 が否定できない。

 万が一、『OD05』が保有する日本株を一気に売り浴びせれば、日 本の株式市場は雪崩を打つように暴落するでしょう。そうでなくても、売りを連想させる動きを見せることで、マーケットの警戒感を煽り、強力に日本売りを促 すこともできます。日経平均株価が9000円割れをしているのも、こうしたシナリオをマーケットが警戒しているからでしょう。またそうした思惑から売られ て安くなった株を買い増せば、さらに大量保有できる。そうなれば中国はさらに日本企業に対するプレゼンスを高めることになる。それは最強のカードになりま す」(ビジネス・ブレークスルー大学教授の田代秀敏氏)

禁輸→経済制裁→戦争

 とはいえ中国にも「経済制裁」を続けることのリスクがあり、日本がこれを逆手に取って中国側を牽制することもできる。

「今年1~8月の海外から中国への直接投資の額を見ると、実は EU(欧州連合)、アメリカが前年同期比でマイナスで、すでに中国から資金を引きあげつつあることが明らかになっています。一方で日本は約16%も増やし ている。今回の騒動がきっかけで日本からの投資が大幅減となれば、ただでさえ失速気味になっている中国経済には大打撃になるのです」(前出・大西氏)

 日本から「経済断交」を切り出す奥の手もある。

「たとえばiPhoneに使われている部品はシャープの液晶パネル、 ソニーのカメラ、東芝の半導体などで、そうした部品が日本から中国の工場に輸出されて初めて製品が完成する。つまり、部品大国と言われる日本と世界の工場 といわれる中国が経済断交すれば、日本の部品を使って中国で生産している世界中のメーカーにも影響が出るため、中国リスクを恐れた海外企業がほかの国に工 場を移すことも考えられます。

 そうなれば、日系企業だけで1000万人規模の雇用を中国で生み出しているといわれるだけに、中国人の大量失業が起き、路頭に迷った中国人の怒りが今度は中国政府に向かう可能性もある。これは中国政府が最も恐れているシナリオです」(米系証券幹部)

 どちらが最初に音を上げるのか、チキンレースが始まったのだ。

「国際法的な解釈でいえば、中国が禁輸、銀行間の取引規制などの経済 制裁をすることは可能です。一方で日本が対抗措置としてWTO(世界貿易機関)に提訴したり、あるいは中国側に経済制裁という報復措置をとることも許され る。しかしそれが現実となれば、最悪の場合は戦争状態に入ってもおかしくないということは考えておかなければならない。いま日中関係は、そんな重大局面を 迎えているのです」(早稲田大学教授の山本武彦氏)

 世界経済の歴史を紐解けば、不況を戦争特需で乗り切った例はいくつも見つかる。景気の息切れ感が出てきた中国が、よもやそこまで視野に入れているとは考えたくもないが。

「週刊現代」2012年10月13日号より


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