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風知草:ラガルドの助言について=山田孝男<毎日新聞>

毎日新聞
ホーム>http://mainichi.jp/
風知草:ラガルドの助言について=山田孝男
毎日新聞 2012年10月22日 東京朝刊
http://mainichi.jp/opinion/news/20121022ddm002070086000c.html
▼全文引用

 クリスティーヌ・ラガルドは名優である。フランスの元財務相。56歳。国際通貨基金IMF)など無関心の向きも、華やかな女性トップのニュース映像は覚えているだろう。
クリスティーヌ・ラガルド - Wikipedia
 どうしたってこの人が目立つIMF・世界銀行の年次総会が先日、東京で開かれた。銀色の髪、日ごとに鮮 やかな装い、見渡す限りオッサンの集合写真のど真ん中で際立つ脚線美。討論で日本経済について発言を求められるや、「女性が日本を救うかもしれませんよ」 (women could save Japan)と切り出して沸かせる機知。役者ぶりが並大抵でない。

 そのラガルド女史が17日、NHKテレビ「クローズアップ現代」に出演した。いわく「人口減に直面する 日本が1人当たりGDP(国内総生産)の水準を守るためには労働力を補わなければならない。外国から移民を受け入れる方法もあるが、矛盾を伴う。それより もパート労働者の権利を広げるべきだ。女性が結婚・出産に縛られずに仕事へ戻れるよう、制度を整え、意識を変えなさい」と。

 合間にオランダの労働事情リポート。この国は、かつて「男は仕事、女は家庭」という意識が日本以上に強かった。それが、パート優遇の改革で女性の就業率が急騰したという。

 財界人、学者も登場する75分の特番。放映中の番組に寄せられたメールとツイッターだけで5000件と いう大反響を巻き起こした。ネット上では「家庭破壊をあおるな」「女が働けば少子化が進む」など批判的な書き込みも目立ったが、NHKによれば、寄せられ た意見は「30代、40代の女性を中心に『勇気づけられた』『仕事に復帰したい思いが強まった』など好意的なものが多かった」。

 女性が仕事をもつべきかどうかは論じにくいテーマだ。人それぞれに体験と職業観、家庭観が違う。往々にして話がかみ合わない。だが、人口減少時代に豊かさを保つという視点から眺めれば、ラガルドの助言はとっぴでも、邪悪でもない。

 興味深いのは反・経済成長至上主義の学者たちも、女性の就業促進が日本を破滅から救うと考えていることである。「とことん経済成長」のIMFとは立場がまるで違うのに。

 14日付の小紙に「縮小社会への道」(本年4月、日刊工業新聞社)の書評が出ていた。本の著者は、成長の限界を見透かし、脱原発を確信する「縮小社会研究会」の面々である。

 同書に従えば、日本の人口は100年後には現在の3分の1まで減る。この収縮は縄文時代後半、平安〜鎌 倉時代、江戸時代後半に次ぐ、逃れ得ない宿命だ。そんな流れだからGDPも減る。だが、社会制度さえ変えれば、生活水準の指標になる1人当たりGDPを緩 やかに引き上げることはできる。

 つまり女性や高齢者の就業を増やし、フルタイムとパートの賃金格差を埋めるなどすれば生活水準は落ちない。何も変えなければ衰亡だ。縮小社会の定めとはこのことである。

 研究会は08年にできた。経済学、社会学、農学、工学などの専門家40人。松久寛代表(65)=京大名 誉教授=に命名の由来を聞くとこう答えた。「一口に持続可能な社会と言うけど、成長の持続と環境の持続は矛盾します。『持続可能』でごまかさず、『縮小』 と言い切ることが大事だと思ったのです」

 縮小社会こそ地球を救う道ではないか。ラガルド女史に感想を聞いてみたい。(敬称略)(毎週月曜日掲載)

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