「北の山 じろう」日記               (その心は?明日、天気にな~~れ!)

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記者の目:震災・原発事故と科学=永山悦子<毎日新聞>

毎日新聞
ホーム>http://mainichi.jp/
記者の目:震災・原発事故と科学=永山悦子
毎日新聞 2012年11月23日 01時23分
http://mainichi.jp/opinion/news/20121123k0000m070122000c.html
▼全文引用

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 東日本大震災東京電力福島第1原発事故という危機に直面し、科学者はいかに動いたのか。日本には自然科学、人文科学の科学者が約80万人いる。だが「3・11」後、彼らの存在感は薄かった。科学者たちの知見が危機時に生かされず、復興を急がねばならない今も十分活用されていないことは問題だ。科学者が行動し、知見が危機時に生かされるための改革が必要だ。

 ◇科学者は今こそ行動しよう

 私は今夏、福島県内で放射能汚染への住民の不安解消に取り組む科学者、佐瀬卓也さん(40)を取材した。徳島大講師として放射線防護を研究していた佐瀬さんは、原発事故直後の昨年3月末から福島県に入り、住民の被ばく状況を調べるスクリーニング活動に携わった。「当時、現地で活動する科学者の姿はまばらだった」と振り返る。文部科学省の支援指示が二転三転し、全国の研究機関は教員を派遣したくてもできない状態。佐瀬さんは独自に福島県に掛け合って支援要請を取り付け、現地入りした。

 震災、原発事故から1年半以上たつ今、継続して現地支援に取り組む研究機関は少ない。まして自らの研究を、被災地のために変えた科学者も多くはない。そんな中、徳島大は今春、佐瀬さんらの活動が縁となり、福島県白河市と支援協定を結んだ。研究室の仕事との両立が難しくなった佐瀬さんは3月に大学を辞め、白河市の支援に参加している。「今働かなくてどうする、という気持ちだ」と話す。

 ◇「信頼できる」の回答、6%に低下

 今年の科学技術白書は、科学者や技術者への信頼が震災と原発事故で低下したことを指摘した。「科学者の話は信頼できる」と答える国民は、震災前は12〜15%だったが、震災後は6%まで下がった。白書は、原因として「リスクへの事前対応が不十分だった」、さらに緊急時に専門家が知見を的確に提供できなかった点を挙げた。一方、科学者ら専門家への調査では、「国民は専門家の発言を信頼している」と思う割合(44%)が、「信頼していない」(39%)を上回った。国民との隔たりは大きい。

(2)


 原発事故後、菅直人首相(当時)は旧知の科学者を次々と内閣参与に任命した。だが、その一人が被ばく限度の政府基準が高すぎると涙ながらに批判して辞任したほか、原子力規制を担う原子力安全委トップも「記憶にない」などと責任感に乏しい発言を繰り返すなど、科学者も政府も右往左往する印象を与えた。震災についても、日本地震学会が巨大地震を想定しなかった過去を反省する事態となった。科学技術政策の司令塔である政府の総合科学技術会議や、「学者の国会」と呼ばれる日本学術会議からも、社会に影響を与える情報発信はなかった。これでは、科学者や科学技術政策への信頼が失われるのも無理はない。

 ◇「論文書くだけが仕事ではない」

 欧米では、政府が緊急時に科学者に助言を求めたり、科学アカデミーが政府に提言したりする仕組みがある。日本政府は今月、総合科学技術会議の機能強化を図る法案を閣議決定したが、衆院解散で廃案となった。科学技術政策に長く携わる官僚は「予算配分だけではなく、日本の方向性や科学技術の意義を考える視点から政策提言する組織が必要だ」と話す。

 政策への助言機関の整備を求めてきた吉川弘之・元日本学術会議会長は「社会が直面する課題解決のために働く科学者が増えてほしい」と話す。科学者の使命は「真理の追究」とされてきた。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を発明した山中伸弥・京都大教授が今年のノーベル医学生理学賞に決まり、先端的な研究に注目が集まるが、吉川さんの「論文を書くだけが科学者の仕事ではない」との視点は、まさに危機時に求められる科学者像といえる。今後、社会貢献型の科学者を養成し、彼らの活動を評価する仕組みも求められる。

 最近の佐瀬さんは、白河市の行政担当者の相談に乗り、随時、住民向け勉強会を開いている。毎回、悩みを抱える住民が列を作る。佐瀬さんは「同様のニーズは、被災地各地にあるはずだ」と話す。

 津波被害を受けた地域は、土地のかさ上げや新たな街づくりなど遅々として進んでいない。福島県や周辺は放射性物質への不安を抱えたままの生活が続く。新政権は「次の危機」に備え、科学的な助言システムの整備を急ぐべきだ。さらに、被災地が今抱える課題や不安を解消するため、80万人を超える科学者の知見をもっと生かすことが必要だ。研究機関も、その活動を後押ししてほしい。3・11後の危機は今も続く。動くのは、今からでも遅くはない。(東京科学環境部)




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