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崖っぷちの選択:’12衆院選・あすへの道筋は/3 消費増税 /神奈川
毎日新聞 2012年12月12日 地方版
http://senkyo.mainichi.jp/news/20121212ddlk14010183000c.html
▼全文引用
(1)
◇抜本的な景気対策を
受け取った名刺は、光を反射して輝く。裏返すと顔が映り、鏡代わりになった。
アルミの端材に、特殊印刷で文字を記したオリジナル品の「ミラー名刺」だ。「これすごいでしょ」。自慢の製品を差し出し、堀端製作所代表取締役、堀端明雄さん(66)は顔をほころばせる。
川崎市中原区等々力の多摩川沿いに集積する町工場の群れ。その一つを経営する。ここに来て40年。金属のプレス加工を得意とし、金型やスイッチのほか、液晶画面に使う反射板も作ってきた。
しかし、製品が大量生産の段階になると、注文は海外に流れる。会社の陣容は5人。取引相手は納期の関係 で1〜2社に絞る。昨年までの3年間は赤字続きで、今年は何とか黒字だが、11月に入って急に仕事が入らなくなり、来年は不安だ。税理士に浮き沈みの激し さを注意されるが、どうしようもない。
それでも大手から直接、仕事を請け負っており、よそよりはましだと思う。時折、2次、3次の下請けの話が来るが、多くは断っている。「下請けがつぶれたからやってくれというのも多い。でも、提示の値は材料費を払うと何も残らない」
◇
昨年、周辺の町工場5社で「チーム等々力」を発足させた。金属加工や機械など部品製造の有志。「町工場は『待ち工場』になっている」と危機感を共有し、協力して「売れる完成品」の製品化に取り組み始めた。
チーム製作の長周期地震動に対応できる免震テーブルは話題になった。東日本大震災時も問題はなく、震度7でも倒れない自信がある。ただ、受注生産にするしかなく、高価格がネックだ。
国や自治体の財政悪化を考えると、子孫にツケを残さないために消費増税は仕方ないと思う。だが、時期が 悪すぎる。「今の景気では8%に引き上げただけでも、小さい工場は設備投資ができなくなる。消費が落ちて悪循環になる」と話す。下請け企業は仕事がなくな る不安から、増税分を転嫁できないケースが多いと思う。いや応なく負担は増す。
「対症療法ばかりで、根本的に良くしようという機運が政党にない。真剣に景気回復対策を打ち出してほしい」。政治への不満が、口をついて出る。
◇
(2)
価格転嫁しづらい中小企業や小規模農家、低所得者の救済策ができていない中で、消費増税だけが先行して いる。青木宗明・神奈川大教授(租税論)は、現状をそう指摘する。「元々所得税も含めた議論だったのに、いつの間にか消費税だけが対象になった。弱者への 救済策もなく、順序が逆」と話す。
増税がなぜ必要か、どうして消費税か、税率10%で社会保障を賄えるのか、有権者は候補者一人一人にただしていく必要があると青木教授は唱える。もちろん、政党も指摘に応じて答えるべきだ、と。【北川仁士】=つづく
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■各党の消費税に関する主張
民主 増税。消費税は全て社会保障の財源に
自民 増税。消費税は全額、社会保障に
未来 増税凍結。行政の無駄をなくし財源を捻出
公明 増税。生活必需品などへの軽減税率導入目指す
維新 地方税化
共産 反増税。所得税などの最高税率を引き上げ
みんな 増税凍結。その前に国会議員を400人に削減
社民 増税撤回。所得税の累進性を強化
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