「北の山・じろう」時事問題などの日記

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この国と原発:第5部・立ちすくむ自治体 松野元・元原子力発電技術機構緊急時対策技術開発室長の話

毎日新聞
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この国と原発:第5部・立ちすくむ自治体 松野元・元原子力発電技術機構緊急時対策技術開発室長の話
毎日新聞 2012年04月23日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20120423ddm010040027000c.html

▼全文転載

(1)

 ◇全員避難、保証無理なら廃炉に                     

 日本の原子炉立地審査指針の安全評価は、格納容器が壊れないことが前提だ。どんな重大な事故でも発電所 敷地内で収まる建前だったため、原子力防災体制の整備は原子炉設置許可の条件とならず、原子力防災は「飾り」のような存在だった。本来はチェルノブイリ事 故後に根本から見直すべきだった。面倒なことを嫌った政府の怠慢だと思う。

                         

 福島第1原発事故では、地震で原子炉が自動停止してから津波で非常用ディーゼル発電機が壊れるまでの約 1時間に緊急時対策支援システム(ERSS)がリアルタイムの予測をし、その情報を緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)につないで避難を容 易にするはずだった。現地からのデータが途絶えても、ERSSには全交流電源喪失から炉心溶融に至る過酷事故などを想定したデータがいくつも内蔵されてい る。にもかかわらず活用できなかったのは、関係者に心構えがなかったからと言わざるを得ない。

                         

 これだけの事故が起きたのに、日本は従来の考え方と体制からまだかじを切れていない。

                         

 格納容器が壊れるほどの過酷事故の場合、早ければ25時間後に周辺に放射性物質が降り始める。その間に少なくとも30キロ圏の人を全員、風下を避けて避難させねばならない。

(2)

                    

 具体的には、原子力災害対策特別措置法が定める「第15条緊急事態」(全交流電源喪失・全冷却機能喪失など)の時点で避難を始めるべきだろう。福島の事故でいえば3月11日午後4時45分だ。炉心溶融が始まってからでは遅い。

                         

 原子炉設置者側の対策も重要だ。格納容器の圧力を下げるベントの際に放射性物質の飛散を防ぐフィルター の設置はもちろん、注水用の水源確保や事故後の迅速な補償方法も決めておいたほうがいい。そして、自治体は国の指示がなくても対応できる能力と、独自の避 難や安定ヨウ素剤配布の計画を持たねばならない。

                         

 今各地で行われている避難訓練の決定的な問題は、30キロ圏の住民全員が事故時に本当に避難できるのか を確認していない点だ。米ニューヨーク州のショーラム原発は、避難計画を州知事が承認しなかったため、運転開始できずに89年、廃炉となった。日本でも住 民の全員避難が保証できない原発は、遠慮なく廃炉にすべきだ。原子力と付き合うには本来、そのくらいの覚悟が必要だろう。(談)

                         

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 ■人物略歴

                         

 ◇まつの・げん

                         

 1945年生まれ。東京大工学部電気工学科卒。67年四国電力入社。伊方原発、原子力部次長などを経て00~03年、原子力発電技術機構(現・原子力安全基盤機構)に出向。ERSSの改良と原子力防災の指導などに従事した。著書に「原子力防災」。

    
     この国と原発 アーカイブ2012年

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