「北の山・じろう」時事問題などの日記

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(4)不満と依存/補償に矛盾、自立妨げ/支援の集約化必要「河北新報」連載特集

河北新報」連載特集二つの被ばく地」から全文転載

河北新報
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(4)不満と依存/補償に矛盾、自立妨げ/支援の集約化必要
2012年08月18日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1107/20120818_01.htm
▼全文転載



補償への不満を訴えるアナトーリさん(手前)とチーリヒさん。壁一面の顔写真はチェルノブイリ原発事故直後に生まれた周辺の子どもたち=キエフチェルノブイリ博物館
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2012/20120818004jd.jpg
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2012/20120818005jd.jpg


<範囲広げ過ぎ>
 広く薄い補償が不満と依存を生み、長引く支出が国家財政を疲弊させる。チェルノブイリ原発事故から26年。ウクライナの被災者支援は機能不全に陥っていた。
 「政治家が住民の歓心を買うために補償の適用範囲を広げ過ぎた。本当に援助を必要とする被災者にカネが回っていない」。キエフの事故処理作業員カリャージン・アナトーリさんが憤る。
 現地の被災者支援団体によると、ウクライナでは、人口の9分の1に当たる500万人が補償を受ける権利を持つ。そのうち25万人が事故処理作業員、12万人が強制避難させられた原発周辺の住民、それ以外は汚染地域とされる場所に暮らす人だ。
 補償のメニューは、避難や健康被害の有無、現在の居住地の汚染度で細分化される。
 現金支給、年金の前倒し、大学進学の優遇、公共交通の無料化、保養所への招待など盛りだくさんだ。
 しかし、実際に履行されているのは国家予算ベースで6%程度。規定通りの支援をすれば、予算の2割が必要で、財政が破綻する。大半は空手形と化している。

<月2万円だけ>
 アナトーリさんは事故を起こした4号機で働いていた。発生直後から吐き気に耐え、命懸けで収束作業を続けた。現在は63歳。15の病気を抱え、障害者の認定を受ける。
 法律上は、医療費が無料で住宅も提供されるはずだが、果たされていない。月に2万円程度の年金支給はあるものの、生活は賄えない。
 一方、低汚染地に住む300万人には月約50円が支給されるという。
 「こんなはした金をばらまいて何になるのか」と批判するのは、事故処理作業員のウラジミール・チーリヒさん。
 「ウクライナでは、被災者となって補償を受けたい考えが根強い。復興へのモチベーションを下げている。フクシマはそうならないでほしい」と忠告した。
 国連機関が事故20年を契機にまとめた報告書は、長期の補償が個人や地域の力を損ない、復興を妨げる依存体質をつくり上げた、と手厳しい。
 適用範囲が広過ぎて実効性に欠け、政府の財政難を招いていると指摘する。健康被害や貧困に悩む被災者に、支援を集中するべきだと提言している。
 被災者支援の集約化が進んでいるのはベラルーシの方だ。
 非常事態省のウラジミール・チェルニコフ局長は「家庭に対する補償は地区全体への支援に切り替え、病院などの整備に充てている。被災者への年金は法定分を100%支給している」と説明する。
 ミンスクで会った処理作業員でつくる会のウラジミール・カメンコフ会長も「政府は頑張っている」と評価した。

<活力失われる>
 1994年以降、ルカシェンコ大統領の独裁体制が続くベラルーシより、民主度の比較的高いウクライナで被災者支援が形骸化している矛盾が浮き出ている。
 ウクライナの補償をめぐる混迷について在ウクライナ日本大使館の坂田東一大使はこう話した。
 「政治家と有権者が判断しなければならない難しい問題。はっきりしているのは補償に頼り続ければ、地域や住民の活力、幸福度が失われる。ウクライナ政府も頭を悩ませている」

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二つの被ばく地ーチェルノブイリと福島
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