「北の山・じろう」時事問題などの日記

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(7)核の債務/果てなき廃棄物処理/百年単位で「埋葬」<「河北新報」連載特集

河北新報連載特集から全文転載

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(7)核の債務/果てなき廃棄物処理/百年単位で「埋葬」
2012年08月21日火曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1107/20120821_01.htm
▼全文転載


事故処理に使われた装甲車やヘリコプターの残骸が放置されている=ブリャコフカ埋設施設
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2012/20120821010jd.jpg
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2012/20120821011jd.jpg

<全容分からず>
 レベル7の原発事故は豊かな大地、美しい自然を厄介な放射性廃棄物に変えた。チェルノブイリでは、終わりの見えない放射能との闘いが続いている。
 1986年4月に爆発した4号機。今年7月、建屋を覆う巨大な石棺の傍らでは、新シェルターの建設が始まっていた。
 石棺は事故直後の極限状態で設計図もなく急造された。四半世紀が過ぎ、老朽化が進む。屋根や壁には隙間が生まれ、放射能漏れや崩壊の危険性が高まっている。
 新シェルターは鋼鉄製で今度は鉄棺になる。高さ108メートル、幅257メートル、奥行き150メートルのかまぼこ状の超巨大ドーム。高さ70メートルの石棺ごと覆う。
 総工費は15億4000万ユーロ(1540億円)。2015年の完成を目指し、建屋の解体に着手する。工程に明確な見通しはない。事故で飛び散り、溶け流れた大量の核燃料がどんな状態になっているのか、全容は分からない。処理の方法も確立していない。
 展示施設の説明員、ユーリア・マルーシチさんは言う。「百年単位の仕事になる。解体後の高レベル放射性廃棄物をどこで処分するか。それも決まっていない」。設計図のない状況は続く。

<当初計画変更>
 中低レベル廃棄物は最終処分場がある。原発から南西へ約10キロのブリャコフカ埋設施設。96ヘクタールの敷地に縦150メートル、横60メートルの埋設溝が10基ずつ3列に並ぶ。
 容量は2列目までが1基2万3000立方メートル、3列目は2段盛りで5万立方メートルに増えた。事故処理や除染で出たがれき、土、金属などが埋められる。周囲には破砕が困難なせいか、ヘリコプターや装甲車の残骸が残る。
 ロシア語では廃棄物を「埋葬する」と表現する。1基ずつ盛り土された様子は古墳のようだ。既に28基が満杯で、将来は溝と溝の間に廃棄物を積み上げるように埋設する。古墳がピラミッドになっていく。
 当初、ブリャコフカは最終処分場ではなかった。「300年の中間貯蔵で、持ち込める放射性核種も制限されていた」と施設担当者が明かす。その後変更され、搬入制限もなくなった。
 場当たり的に見えるウクライナの対応。それがかえって問題の難しさを際立たせる。

<がれきに匹敵>
 福島第1原発の事故でも、大量の放射性廃棄物が生まれた。除染に伴う廃棄物や除去土壌は、福島県内だけでも1500万~3100万立方メートルと環境省は試算する。
 岩手、宮城、福島3県沿岸部の震災がれきは2765万トン。単位は違うが、福島県の除染廃棄物はこれに匹敵する量になる。
 第1原発では、1~4号機の建屋、設備、燃料が丸ごと高いレベルの廃棄物と化した。
 原子力安全研究協会の杤山修放射線・廃棄物安全研究所長は「福島原発事故では、国内の原発で今まで発生した廃棄物と同じぐらいの量がいっときに出た。新しい技術の開発も要る。非常に時間がかかる」と話す。
 チェルノブイリは今、原発で3500人、ウクライナ側の30キロ圏で3500人が事故処理で働く。1ワットの電気も生み出さないが、健康と環境を守る大切な仕事だ。
 膨大な時間と経費、労力を必要とする厳しい現実が、被ばく地に突き付けられている。

二つの被ばく地ーチェルノブイリと福島
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