「北の山・じろう」時事問題などの日記

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(8完)10万年の責任/最終処分場、決断の時/目を背けず議論を<「河北新報」連載特集

河北新報連載特集から全文転載
このシリーズは、これで完結です

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(8完)10万年の責任/最終処分場、決断の時/目を背けず議論を
2012年08月22日水曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1107/20120822_01.htm
▼全文転載


地下60メートルの中低レベル廃棄物処分場に続く岩盤のトンネル=フィンランド・オルキルオト
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2012/20120822007jd.jpg
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2012/20120822008jd.jpg

<20年スタート>
 2012年1月現在、原発は世界30カ国に427基ある。建設中が75基、計画中は94基あり、これらを含めれば、近い将来、保有国は41カ国に増える。
 大量の使用済み核燃料が発生する。しかし、世界のどこにも高レベル放射性廃棄物の最終処分場はない。
 フィンランド西部のオルキルオトを訪れた。高レベル処分場の実現に最も近づいている所だ。世界で唯一建設が始まった。名をオンカロ、現地の言葉で深い穴という。
 04年に18億年以上前の岩盤の掘削を始めた。既に幅5.5メートル、高さ6.3メートルのトンネルが5キロのらせんを描き、深さ450メートルに達する。
 調査や許認可が順調に進めば、20年に使用済み核燃料の直接処分がスタートする。100年間で9000トンを埋設し、トンネルごと粘土で封じ込める。放射線量が自然界と同じレベルに下がる10万年後まで隔離する。
 電力会社TVOの広報ラウリ・インナさんは自信を見せる。「次の氷河期の影響も考慮した。10万年後を正確に予想することはできないが、何が起きても地上に重大な危険は及ばない」

<93年まで反対>
 工事の都合でオンカロには入れなかったが、調査を兼ねて隣接に掘った中低レベル放射性廃棄物処分場を見学できた。
 構造はオンカロと同じ。地下60メートルまで全長700メートルのトンネルが続く。岩盤の壁は強固だ。フィンランドは有史以来、地震被害がない。視察団の福島県議からは「条件が違う」「日本では難しい」と声が上がった。
 高レベル処分場をめぐっては、スウェーデンが建設地を決めた。フランスも候補地選定の最終段階に入っている。日本は02年に全国の自治体を対象に受け入れ地の公募を開始したが、手を挙げている所はない。
 フィンランドもすんなりとは進まなかった。選定開始は83年。オルキルオトは当初から有力候補だったが、地元自治体は93年まで反対だった。
 日本と違って交付金制度や電力会社の寄付はない。地元の経済的利点は雇用効果と通常の税金に限られる。電力を隣国に依存するべきか否か。原発の是非。高レベル処分場の必要性。時間をかけ世論を形成し、01年に建設地を確定させた。
 在住11年の通訳、ロミ真木子さんは「フィンランド人は活発に議論して、それで導かれた結論を守る。政府への信頼も厚い」と話す。現実を直視する姿勢と成熟した民主主義が根付く。

<地上より安全>
 日本は既に大量の高レベル廃棄物がある。脱原発原発推進のどちらを選んでも最終処分場は造らなければならない。
 原子力安全研究協会の杤山修放射線・廃棄物安全研究所長は「日本でも火山や活断層を避ければ安定的な地質環境は確保できる」と説く。
 地上で暫定貯蔵する案には異を唱える。「地上ではどんな事故、災害があるか分からない。人の悪意もある。地下の方が安全だ。解決の先延ばしは現実逃避。海外処分は無責任過ぎる」
 日本は原発をめぐる課題に正面から向き合ってこなかった。視察に同行した清水修二福島大教授は「自覚なき選択」「怠惰な現実主義」と批判する。最終処分場ができないのは地質や地震のせいではない。
 福島第1原発や青森県六ケ所村の高レベル貯蔵施設などの原子力施設を多く抱える東北にとって、最終処分の問題は切実だ。私たちの民主主義と一人一人の考えが問われている。(福島総局・中島剛)

二つの被ばく地ーチェルノブイリと福島
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