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ウラン残土問題 対立住民の職場に「圧力」
(更新 2013/3/ 9 07:00)
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▼全文転載
これまでたびたび取りざたされてきた「原子力ムラ」の問題。福島第一原発事故でも大きく取り上げられたが、1988 年には動燃(動力炉・核燃料開発事業団=現在の日本原子力研究開発機構)が岡山県と鳥取県の県境・人形峠の住民と「ウラン残土」撤去をめぐり対立し、問題 となっていた。
高速増殖原型炉「もんじゅ」の事故隠蔽問題について調査を担当し、1996年1月13日に謎の死を遂げた西村成生(しげ お)氏(当時49)の残した資料には、人形峠の住民に対する動燃の陰湿な「工作」が克明に記されていた。ジャーナリストの今西憲之氏と本誌取材班が明らか にする。
* * *
資料では、地区の20世帯の住民について、(1)名前(2)生年月日(3)職業(4)PNC(動燃の略 称)に対する理解、(5)人脈・本人に対する工作(6)家族関係(7)地権の有無(8)備考――の項目に分け、詳細に調べ上げている。まさに、「思想・素 行調査」リストである。
陰湿なのはこれらに加え、勤務先の上司などの上下関係で圧力をかけていた形跡があることだ。県職員Cさんに対しては、〈夫婦の勤務先である鳥取県の上司・幹部を利用する〉
農家のEさんの場合は、〈農協関係者の幹部による説得が必要〉
郵便局員だった地元区長のFさんには、〈郵政関係者(地元局長)、親せき等を動かし、区長としてもう少し積極的な態度をとるように働きかける〉
さらに当時、こうした「工作」方法を検討した人形峠事務所の打ち合わせメモには、所長発言としてこんな記載もあった。
〈有力地権者Aさんには○○自動車を通じて圧力をかけるべきだ〉
本人の勤務先の地元大手バス会社を通じて「圧力」をかけるべきだとはっきり語っているのだ。
※週刊朝日 2013年3月15日号
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