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焦点/“仮設孤独死”宮城で2人/きめ細やかなケア必要<証言/焦点 3.11 大震災「河北新報」

証言/焦点 3.11 大震災「河北新報・連載記事」から全文転載
※記事数が多いため、一部転載し、ほかは記事タイトルとURLの掲載です。

河北新報
トップ >http://www.kahoku.co.jp/
焦点/“仮設孤独死”宮城で2人/きめ細やかなケア必要
2011年07月16日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20110716_01.htm

▼全文転載


額田勲氏
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2011/20110716012jd.jpg


 東日本大震災仮設住宅で、誰にもみとられず「孤独死」した一人暮らしの被災者が、宮城県内で2人相次いでいたことが確認された。仮設住宅への入居が進む中で、被災者の健康管理や孤立を防ぐコミュニティーづくりが、緊急の課題となっている。

◎住民交流の場設置/見守り活動を強化

 塩釜市伊保石の仮設住宅で6月29日、男性(79)が亡くなっているのが見つかった。市によると、男性と連絡が取れないことを心配した親族が29日午後6時ごろ、住宅を訪れ、部屋の布団の上に倒れている男性を発見した。病死とみられる。
 塩釜市にある自宅は震災で半壊。男性は3カ月間、避難生活を送った後、6月13日に仮設住宅へ入居した。週1回デイサービスに通い、市の高齢者訪問指導の対象にもなっていた。28日夕も市職員が電話で話をしたという。
 仮設住宅には近隣自治体も含め、135戸が暮らす。市は仮設住宅での孤独死を防ぐため、保健師が巡回しているほか、管理人も常駐させて目配りしている。市生活福祉課は「高齢者や障害者の巡回を強化したい」としている。
 名取市愛島笠島の仮設住宅「愛島東部団地」(182戸)では6月11日、女性(81)が倒れているのを、訪ねてきた親族が発見した。女性は死亡が確認された。
 市によると、女性の死因は不明だが、高血圧の既往症があったという。団地は5月末に入居開始し、同市閖上3、4丁目の住民を中心に、174戸に152世帯約400人が居住する。
 名取市仮設住宅管理室は「入居から2週間もたっておらず、自治会もなかった。声掛けや巡回訪問など、きめ細かなケアを考えたい」と話す。
  1995年の阪神大震災では、仮設住宅での孤独死が問題視された。兵庫県警によると、仮設住宅が存続した99年までに、誰にもみとられず亡くなった一人暮 らしの被災者は233人に上った。この教訓から、自治会などによる見守り活動や、住民が交流できる場の重要性が指摘されてきた。
 宮城県は「一人暮らしの高齢者、高齢者のみの世帯が地域から孤立し、意思や状況が周囲に理解されないまま結果として死に至った状況で発見される」ケースを「孤立死」と定義。2006年から実態調査している。
 県長寿社会政策課は「市町村には民生委員などにお願いし、しっかり被災者の状況を確認するよう呼び掛けたい」としている。

仮設住宅孤独死問題・額田勲医師に聞く/防止へ自治会設置有効

 仮設住宅での「孤独死」をどう防ぐか。阪神大震災後、神戸市内の仮設住宅に診療所を開き、災害時の孤独死の問題と向き合ってきた医療法人倫生会神戸みどり病院理事長の額田勲医師(71)に聞いた。

 ―阪神大震災で向き合った孤独死の実態は。
 「発生から7カ月後の1995年8月、1700戸が建つ神戸市最大の仮設住宅に仮設診療所『クリニック希望』を開設し、内科中心の診療を行った。患者を待つだけでなく、全戸訪問して健康状態をチェックするなど、被災者と向き合うことを心掛けてきた」
 「健康を損ねていながら、経済的な事情や、生きることへの無気力感などから通院が遅れ、死亡する被災者は少なくなかった。『独居死』とは異なる『孤独死』という概念を打ち出すきっかけとなった」
 ―東日本大震災の被災地と阪神大震災との相違点、今後の課題は何か。
 「4月中旬から4回、東日本大震災の被災地に入り、調査した。仮設住宅の大半が100戸程度と小規模で、神戸より細かな目配りは可能だと感じる。大都市部の神戸と三陸沿岸部とでは人間関係の文化も異なる」
 「ただ、16年間での社会の変化も大きい。高齢化が進展し、一人暮らしも増えた。『孤独死』のリスクは高まっていると言える」
 ―被災者を孤立させないために、必要なことは何か。
  「被災者の孤立を防ぐ方法に、王道はない。こまめに誰かが足を運ぶしかない。だが、その『誰が』という部分が難しい。神戸では、仮設住宅を訪問するボラン ティアを煩わしいと受け止め、『ボランティアお断り』と張り紙を出した被災者もいた。自分の経験から健康管理を通じて被災者とかかわると、プライバシーの 問題も含め心の壁は低くなると感じる。仮設住宅で自治会を作ることも有効な手段の一つだ」
 「避難所は衆人環視の環境で全体像が見えやすいが、仮設に移ると一気に『見えない』生活になる。医療によるカバー体制の構築を含めて被災者の生活をどう支えるか、これからが本番だろう」

<ぬかだ・いさお氏>1940年、神戸市出身。京都大薬学部、鹿児島大医学部卒。80年、神戸みどり病院院長。2003年から現職。神戸生命倫理研究会代表。著書に「孤独死~被災地神戸で考える人間の復興」など。

証言/焦点 3.11 大震災{河北新報・連載記事}
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/index.htm
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