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【福島第1原発の現状】 手探りの作業現場 トラブル警戒、24時間 第1原発事故2年<47NEWS

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【福島第1原発の現状】 手探りの作業現場 トラブル警戒、24時間 第1原発事故2年
2013年4月8日、共同通信
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▼全文転載


画像
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 水素爆発、放射性物質の大量放出―。世界を 震撼 (しんかん) させた事故から2年が経過。東京電力福島第1原発では今も敷地全体が高い放射線量に包まれている。 貯水槽から大量の汚染水が漏えいしたことも明らかになった。 再び海を汚染することはないのか。保管燃料の安全性は。トラブル警戒の監視は24時間体制。40年後ともいわれる1~4号機の廃炉に向け、手探りの作業が 続く現場の「今」を見た。

▼遠隔操作と原子炉監視
 事故対応の中枢、免震重要棟と廊下でつながる旧事務本館の1階に、大型モニターとコントローラーが並ぶ部屋がある。遠隔操作室。3号機原子炉建屋上部に残った鉄骨などを撤去する重機を、大手ゼネコンのオペレーターがここから操っている。
 画面に映っているのは、500メートル離れた3号機建屋周辺や大型クレーンのアーム先端に取り付けた計38台のカメラから送られてくる映像。遠隔操作室は2011年8月ごろから運用を始め、現在は大小10台の重機を動かしている。
 一見ゲームセンターのようだが、遠隔操作には集中力と微妙な力加減が必要。実際の操作の取材は「気が散るから」と許可されなかった。昨年9月にはがれき撤去中に、鉄骨が使用済み核燃料プール内へ落下してしまった。「同じミスはもう許されない」と担当者。
 免震重要棟2階に上がると 緊急時対策本部室 がある。東京の本店や柏崎刈羽原発などを結ぶテレビ会議システムの巨大モニターが壁に埋め込まれ、円卓には所長を中心に医療、資材、復旧など各班の責任者が座る。
 隣接する集中監視室では、光ケーブルを経由して原子炉の温度や圧力、注水量などのデータを把握できる。室内には常に当直員十数人が待機。今年3月、停電 をきっかけに燃料プールの冷却が長時間停止した際は、一部のデータが受信できず、作業員が現場まで行って状況を確認した。

▼汚染水処理制御
 4号機南西の高台に、大型コンテナを「コ」の字につなぎ合わせた平屋の施設がある。原子炉への循環注水をコントロールする水処理制御室。原子炉建屋が見 える方向には大きな土のうがいくつも積み上げられていた。建屋側からの放射線を少しでも 遮蔽 (しゃへい) するためだ。
 制御室に入るためには、放射性物質が付着していないか厳重な身体サーベイ(検査)を受ける。問題がなければ、全面マスクと防護服を脱ぐことができる。敷地内で防護服を脱げる場所は、免震重要棟以外ではごくわずかだ。
 1人通るのがやっとの狭い通路を抜けると、タッチパネルの付いた制御盤やパソコンモニターがずらりと並び、東芝などの汚染水浄化装置「サリー」の稼働状況が映し出される画面を、担当者2人が見入っていた。仏アレバ社や米キュリオン社の装置の制御盤もあった。
 汚染水処理の切り札として期待される多核種除去設備(ALPS)は第1原発敷地の西側にある。汚染水から約60種類の放射性物質を取り除くALPS内部は、タンクや複雑に入り組んだ配管で埋め尽くされ、まるで化学工場のようだ。
 約30万トンの汚染水を今後5年程度で処理する計画で、試運転を始めたばかりだが、取材当日は担当者の誤操作で停止。東電の責任者は「操作の習熟も含めての試運転だ」と苦しい言い訳だった。

▼乾式キャスク仮保管設備
 使用済み核燃料を「乾式キャスク」と呼ばれる筒状の鋼鉄製容器に入れて屋外で仮保管する設備の運用が始まった。第1原発敷地の西側、かつてグラウンドだった高台は高いフェンスに囲まれ、保管設備の土台が橋型クレーンのレールに沿って並ぶ。
 取材した4日は、敷地海側にある乾式キャスク保管建屋のキャスク1基(全長5・6メートル、重さ96トン)が仮保管設備に移送され、初めて屋外での保管が始まった。中には37体の燃料が入っている。
 「写真にはフェンスの形状や監視カメラの位置が写り込まないようにしてください」。取材を前に核物質防護の担当者がカメラマンに求めた。
 仮保管設備には、ほかに空のキャスク11基も届いていた。今後も次々と到着する予定だ。これらは共用プールという建物にある使用済み燃料6377体のう ち2500体を屋外保管するのに使われる。共用プールの空いたスペースには今年11月から、4号機プールの燃料が運び込まれる。
 キャスクは1基ずつ、コンクリートの壁で仕切られた区画に保管される。この日、キャスクが移送された区画にはコンクリート製のふたが取り付けられ、防護服姿の作業員たちが慎重に設置作業に当たっていた。
 乾式キャスクは空気を自然循環させて燃料を冷却させる方式。電源喪失のリスクがあるプールでの保管に比べて安全性が高いとされる。仮保管設備には最終的に50基が並ぶ予定だが、いつまで仮保管するかや仮保管後の移送先は決まっていない。

▼4号機
 水素爆発でぼろぼろになった4号機原子炉建屋の壁沿いを作業用エレベーターがゆっくりと上っていく。地上約30メートルの建屋最上部に出ると視界が開け た。東京電力が「オペフロ(オペレーションフロア)」と呼ぶ5階部分はがれきが取り除かれ、使用済み核燃料プール越しに真っ青な海が広がっていた。
 建屋南側では、プールから燃料を取り出す設備を備えた建屋カバーの建設が進む。土台が約50メートルまで組み上がり、オペフロには既に取り出し用クレー ンのレールも敷かれていた。1533体の燃料が保管されているプールは鉄骨などが落ちないよう鉄板でほとんど覆われていた。

 「長くとどまることはできません。もうここを離れましょう」。同行の東電社員から声をかけられた。オペフロの放射線量は毎時262マイクロシーベルト。 北側で無残な姿をさらす3号機建屋の線量が極めて高く、約100メートル離れているのに影響を受ける。オペフロでは、作業員数人が全面マスクに防護服姿で 黙々と働いていた。
 4号機はかつて、爆発で建屋の強度不足が問題視された。プール真下の2階部分は、プールが崩壊しないよう鋼鉄の支柱とコンクリートで補強されている。
 オペフロから2階までは、狭くて急な仮設階段が続く。階段の幅は30センチ程度。建屋内は薄暗く、今も残るがれきの山や壊れた機器が水素爆発のすさまじさを物語る。
 4号機では燃料を別棟の共用プールに移送する作業が11月に始まる。

 (2013年4月8日、共同通信

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