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焦点/児玉東大教授・同行ルポ/除染「科学者の責任」<証言/焦点 3.11 大震災「河北新報・連載記事」

証言/焦点 3.11 大震災「河北新報・連載記事」から全文転載
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/index.htm
※記事数が多いため、一部転載し、ほかは記事タイトルとURLの掲載です。


河北新報
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焦点/児玉東大教授・同行ルポ/除染「科学者の責任」
2011年11月19日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20111119_01.htm

▼全文転載


園舎の外廊下の天井付近の放射線量を測る児玉教授(左)ら=10月27日、南相馬市原町区の原町みなみ幼稚園
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2011/20111119013jd.jpg
除染で年間放射線量を1ミリシーベルト以下にしたい」と語る児玉教授
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2011/20111119014jd.jpg

http://www.kahoku.co.jp/img/news/201111/20111119a10zu.jpg


 福島第1原発事故で、東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授が南相馬市で幼稚園などの除染活動に取り組んでいる。児玉教授は国会で立法府の放射 線汚染対策の遅れを痛烈に批判して注目を集めた。「除染は科学者の責任」と言い切る教授の除染活動に同行した。(伊藤寿行)

◎幼稚園や保育所へ、南相馬で日々活動

 「0.95マイクロシーベルト。コケのある部分は1.15マイクロシーベルト」。センターの男性准教授が放射線測定器を手に園舎の屋根に上り、測定結果を児玉教授に伝える。屋根の表面にコケの張り付いている所が高い数値を示すとして念入りに測定器を当てる。
 10月27日、南相馬市原町区の原町みなみ幼稚園。児玉教授のグループが測定調査に訪れた。同幼稚園の調査は8月の初回に続いて2回目。初回の測定後に除染作業が行われ、線量がどれぐらい下がったのかを調べた。
 屋根の線量は1時間当たり1マイクロシーベルト前後。除染前より低下したとみられるが、園内では最も高い。園庭は地面から50センチの高さで0.18~0.29マイクロシーベルトだった。除染前は1.1~1.3マイクロシーベルトあり、効果が表れた。
  「出入り口付近は0.2マイクロシーベルト台にとどまっていますが、奥の窓の近くでは0.3マイクロシーベルト台に上がります」。教室で線量を測った准教 授が児玉教授に声を掛けた。園関係者を交えて原因を探ると、教室の裏庭は未除染で線量が高く、その影響を受けていることが分かった。

 除染作業は8月下旬に行われた。1600平方メートルの園庭の表土を重機で深さ5センチずつ全面的にはぎ取り、汚染されていない新しい土をかぶせた。はいだ土は園庭に掘った深さ3メートルの穴に埋め、土とシートでふさいだ。園舎は高圧洗浄機で洗い、遊具は雑巾で拭いた。
 費用は約500万円掛かった。園で立て替え、後で行政を通じて東京電力に請求する。
  児玉教授は「除染のポイントは放射線量の高い屋根と雨どいと園庭。屋根と雨どいは放射性物質が染み込み、洗浄しても効果は薄く、取り替えるしかない。園庭 は土のはぎ取りによって子どもが外遊びしても大丈夫なレベルになった。土ぼこりを抑える対策を取ってほしい」と助言した。

 園は原発事故 のあった日の3月12日に閉鎖した。同市原町区は第1原発の二十数キロ北で緊急時避難準備区域に指定され、園児の多くは親と一緒に市内外に逃げた。園は9 月30日の区域指定解除を受け、10月11日に再開した。戻った園児は約30人。閉鎖前の約170人の5分の1以下に減った。
 児玉教授は5月から南相馬市に頻繁に足を運び、ボランティアで市内の幼稚園や保育所などの除染活動をしている。これまで19施設に出向き、除染作業を指導した。市と東大が9月に結んだ除染協定に基づいて活動している。
 児玉教授は7月、国会の参考人質疑で「7万人の人が自宅を離れてさまよっている時に国会は一体何をやっているのですか!」と怒りをあらわにして話題になった。

南相馬除染活動/国民全体の議論必要/広域除染、可能な日来る

 南相馬市除染活動に取り組む東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授に、除染のポイントや行政の責任について聞いた。(聞き手は浦響子)

 ―南相馬市に入ったきっかけは。
年1ミリシーベルト以下に
 「福島第1原発事故後、センター長会議で大学ごとに支援する自治体を決め、東大は南相馬を担当することになった。最初の訪問で面会した桜井勝延市長から『子どものことが心配だ』と言われ、幼稚園や保育園の除染をしている」
 ―除染のポイントは。
  「放射性物質を隔離して減衰を待つこと。除染は放射線ではなく『放射性物質』を除くこと。放射性物質がどこにあるかは放射線から推定するしかない。除染し ても無駄だと言う人がいるが、推定法を誤っている場合がほとんどだ。除染を通じて年間放射線量を1ミリシーベルト以下にしたい」
 ―一般の人が除染を行う上での留意点は。
ノウハウためよ
  「福島は雨が多く、水で落ちるものはもう落ちている。いま線量が高いのはほとんど土か屋根。金属製の屋根は高圧洗浄機による洗浄でも効果があるが、非金属 製の屋根は放射性物質が染み込んでいるから落ちない。屋根ごと変えたり、土をまとまった面積で除去したりしないと効果がない」
 「住宅は構造物、 材質が異なると放射性物質の吸着の度合いが違う。取り扱い戸数の多いハウスメーカーに除染のノウハウをためてもらい、そこから地域の工務店に下ろして除染 してもらうべきだ。住宅除染は大変な作業でボランティアベースでは難しい。専門業者が入り、『何ベクレルをどれだけの費用で落とす』と決める必要がある。 そのお金を政府、東京電力がどう出していくかだ」
 ―南相馬市が地元自治体としてすべきことは。
補償とリンクを
 「山側の線量が高い場所をどうするか。家の建て直しも必要になるが、補償問題とリンクする。政府と東電にどう迫れるか、市長の力量が重要になる。一自治体のリーダーの問題でなく、国民全体が真剣に考えないと解決できない」
 ―除染費用は膨大な額になる。どこから捻出すべきか。
 「国は原発を国策として推進した。たまたま起こった自然災害とは違う。約束をほごにするようでは国の将来はない」
 ―南相馬市民へ伝えたいことは。
  「自分の変わらないメッセージは『人が汚したものを人がきれいにできない訳がない』ということ。その方法を考えるのが科学者の役割。短期的には悲観論的な ことを予測しながら、長期的には楽観的な見方を持つことが大事だ。広範囲の汚染を必ずきれいにする技術、道筋をつくることがきっとできるのではないかと 思っている」

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