「北の山・じろう」時事問題などの日記

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焦点/防災教育「奇跡」呼ぶ/生存率99.8%、釜石の小中学生<証言/焦点 3.11 大震災「河北新報・連載記事」

★これは読んで、本当に感心しました。普段から大災害を想定して、それに対する備えをしていた事が多くの命を救いました。他にも同じような地域の記事を読んだことが、あります。原発事故も同じです。予想される災害や事故に対する備えがあれば、ここまでひどい事故には、ならなかったと思います。ほとんどの地域や人や組織が怠ったことを、事前に準備していたことが立派だと思います。

 

 

証言/焦点 3.11 大震災「河北新報・連載記事」から全文転載
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/index.htm
※記事数が多いため、一部転載し、ほかは記事タイトルとURLの掲載です。


河北新報
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焦点/防災教育「奇跡」呼ぶ/生存率99.8%、釜石の小中学生
2011年11月26日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20111126_01.htm
▼全文転載



廊下に張られた手作りの防災マップを解説する加藤校長=釜石市の釜石小
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2011/20111126010jd.jpg
ハザードマップを手に通学路の危険な場所を点検する片田群馬大教授と子どもたち=釜石市
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2011/20111126011jd.jpg

 東日本大震災の津波による死者・行方不明者が1000人を超す釜石市で、小中学生は2921人が津波から逃れた。学校にいなかった5人が犠牲となった が、99.8%の生存率は「釜石の奇跡」と言われる。学校の管理下にあった児童生徒に限らず、下校していた子どもも、多くが自分で判断して高台に避難し た。命を救ったのは、ここ数年の防災教育だった。(古関良行)

◎自ら判断、高台に逃げる/マップ作製、下校時の訓練、授業に取り入れ

 中心商店街が高さ10メートル以上の津波に襲われた釜石市。中心街に住む子どもが通う釜石小は、街を見下ろす高台にある。

<在校10人程度>
 3月11日は短縮授業で、児童は午後1時に下校した。地震発生時、全校児童184人(当時)のうち、学校にいたのは卒業式の準備をしていた6年生10人程度だった。
 加藤孔子校長は「児童たちはばらばらだった。下校途中の子、友達の家や公園で遊んでいた子、自宅にいた子…。中には海に魚釣りに行っていた子もいた」と言う。
 当時5年の和田瑠駆(るうく)君(11)は甲子川近くで遊んでいた。激震後、両親が商店街で営む美容院に向かおうとすると、友達が引き留めた。
 「駄目だよ。高い所に逃げなくちゃ」。瑠駆君は友達といったん「釜石のぞみ病院」に避難。「もっと高い所へ」と、さらに高台の公園へ逃げた。
 母の裕子さん(41)は「もし帰ってきていたら、津波にのまれたと思う。友達に救われた」と感謝する。家庭では「地震の時はそれぞれ逃げよう」と話していた。裕子さん自身も子どもの無事を祈りながら、高台に避難したという。
 釜石小は震災2日後、児童全員の無事を確認した。それぞれが自らの判断で命を守っていた。
 加藤校長は「防災マップ、下校時の訓練、防災の授業。この三つの成果が大きい」と語る。
 児童は2008年から、学区内を歩き、災害時の危険箇所や避難場所を自分で書き込んだマップを作ってきた。
 同年から下校時の避難訓練にも取り組んだ。子どもたちを学校から帰し、帰宅途中に地震が起きたと想定。防災無線で知らせ、どこが安全か、津波の際はどこに逃げるかを考えさせ、誘導した。授業でも津波の怖さを学んできた。

<各教科に登場>
 釜石市教委は04年から、群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)の指導を受け、教師や児童生徒の意識改革に努めている。昨年3月には、教師が手掛けた「津波防災教育のための手引き」が完成。14の小中学校全てで防災教育に取り入れた。
 6年生の算数。「津波は陸上では、秒速○メートルです。海岸から□メートル離れたA君の家まで、津波は何秒できますか」。「手引き」では国語、算数、家庭科などほとんどの教科で、地震・津波に関連するメニューが並ぶ。
 市教委は「内陸出身の教師も多く、津波防災への意識は低かった。ここ2、3年で防災教育が本格化し、教師の意識が高まった」と説明する。
 釜石市には震災後、防災教育や「手引き」に関する問い合わせが殺到した。文部科学省も釜石の事例を教訓に、教師への研修など災害時に生き延びる力を養う防災教育を検討している。

◎危機感、教師から徹底/群馬大教授「想定信じるな」指導

  巨大な防波堤を砕いた東日本大震災の津波から、児童・生徒ほぼ全員が逃れた釜石市。「奇跡」を生んだ防災教育の背景には何があったのか。「想定に縛られ ず、自分の命は自分で守れ」。2004年から市の防災・危機管理アドバイザーを務める群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)の教えが大きい。

 「子どもは環境で育つ。大きな地震が起きても、親も誰も逃げない。そんな環境で津波が必ず襲う三陸の子どもの命を守ることができるのか」
 片田教授が釜石市の防災教育に携わるようになったのは、そんな問題意識からだ。三陸沿岸で03年、住民に地震の際の行動をアンケートし、その結果に驚いた。震度5強でも避難しない人がほとんどだった。
 多くの命が奪われた苦い記憶が刻まれた地なのに、教訓が生かされていないと感じた。模擬授業や住民への講演会、教師との話し合い…。行政と連携し、模索を重ねたが、取り組みは決して順調ではなかった。
 転機となったのは、08年の市教委による教師へのアンケート。津波に関する話を、子どもに「する機会がなかった」か「しようとは思ってもいなかった」という教師が3割もいた。

<「手引き」作成>
 危機感を強めた市教委が同年10月、全小中学校の教師を集め、片田教授の講演会を開催。「この認識で子どもの命を守れますか」。熱い問い掛けに、教師の意識も変わったという。
 講演会後、教師たちによる防災教育の教材開発の検討会が発足。いま全国から関心を集める「津波防災教育のための手引き」として実を結んだ。
 模擬授業などを通し、片田教授は津波避難の3原則を強く訴えてきた。
 一つ目は「想定にとらわれるな」。自然の振る舞いに想定内はあり得ない。想定に頼れば、想定外の事態に対応できなくなる。ハザードマップも「信じるな」と教えた。
 二つ目は「最善を尽くせ」。どこで、どんな津波が来るか分からない。津波が襲来したら、できることをやるしかない。
 三つ目は「率先避難者たれ」。一生懸命逃げる姿が周囲の命も助ける。

<教えが生きる>
 こうした教えが今回、生かされた。3月11日。釜石東中の生徒たちは地震後すぐ、「津波が来るぞ」と叫びながら、避難場所へと走った。同中はハザードマップでは、津波の「想定外」だ。
  同中に隣接する鵜住居小では、屋上に避難しようとした児童たちが、逃げる中学生を見て後を追った。一緒に避難場所の介護施設へ。「ここも危ない」と判断し た子どもらは、さらに高台へ急いだ。中学生たちは小学生の手を引き、介護施設のお年寄りに手を貸した。津波は介護施設にも到達、間一髪だった。
 片田教授は子どもに、家庭でこんな会話をさせたという。「僕は絶対に逃げる。信じて。だからお母さんも逃げて」
 実際、鵜住居小に娘3人がいた美容院勤務岩崎久美子さん(41)は地震後、海に近い小学校へ向かわず、自宅から高台へと避難した。「心配でしたが、子どもは避難しているはず…、と自分に言い聞かせた」
 家族がてんでんばらばらに逃げる「津波てんでんこ」の教えだ。片田教授は強調する。
 「一人一人が自分の命に責任を持つ。それが可能な家庭をつくれという先人の教えだと思う。そのためには、家族間の信頼関係が大切だ」

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