「北の山・じろう」時事問題などの日記

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【宮家邦彦のWorld Watch】対中改善は急ぐべからず <zakzak>

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【宮家邦彦のWorld Watch】対中改善は急ぐべからず 
2013.04.18
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130418/frn1304181138001-n1.htm

▼全文転載

 

中国・北京を訪問したケリー米国務長官(左)と握手する習近平国家主席。懸案が山積みだ=13日(共同)【拡大】

 

 この10日ほど世界は再びピョンヤンに振り回された。日米中韓とも戦争に訴えてまで北朝鮮の核問題を解決する気骨はない。こうした及び腰を見透かすかの如(ごと)く、金正恩(第1書記)は関係国の足元を見ている。

 この若い最高指導者、中小企業の3代目のボンボンなのか。創業者の祖父と先代の父も瀬戸際政策は多用したが、北朝鮮が中小企業であることは熟知していた。身の程を知る先代たちは、米国との全面対決を巧妙に回避し、何とか生き延びた。

 この3代目には不安がある。引き継いだ会社が大企業になったとでも錯覚しているのか。関係国が恐れているのは、北朝鮮の軍事的実力ではなく、3代目ボンボンとその取り巻きの過信と誤算なのだ。

  最も懸念しているのが中国だろう。中国は北朝鮮を常に緩衝国として守ってきた。こうした中国の対北朝鮮戦略の基本は変わらないと見る。戦術的に見れば、中 朝関係は最悪だが、中国は、「3代目」を見限ることがあっても、「朝鮮民主主義人民共和国」自体を崩壊させることなどできないのではないか。

 中国外交のもう一つの懸案は対日関係だが、ここでも大きな進展はない。それどころか今年に入り日本は米国、東南アジア、モンゴルなどと関係強化を進め、懸案となっていた日台漁業取り決めまで結んでしまった。中国にとって好ましくない状況ばかりだ。

 半島情勢がかくも微妙となりつつある今、中国は日米韓連携の阻止を狙っている。たとえ「3代目」を見限っても、「共和国」を守るためには、半島情勢の急変に備え、対米、対日、対韓外交を改めて構築する必要に迫られているはずだ。

 中国側にも対日関係を改善する意欲がないわけではない。実際、日本の一部の政治家・財界関係者に対し水面下で働き掛けているようだ。確かに、日中関係の改善は重要だ。重要だからこそ、日本は中国側の思惑を正確に読み解く必要がある。

 中国側の意図は明白に思える。尖閣問題などを通じて、中国側に有利となった2012年夏以降の日中関係をそのまま「固定化」させることだ。具体的には、尖閣諸島周辺の日本領海に中国公船が自由に侵入できる状態を維持する心算だろう。

 中国側が望む対日取引の具体的内容は不明だが、恐らくは日中「引き分け」型の棚上げ、すなわち、尖閣領海への両国公船の進入について、「日中とも入るか」「日中とも入らない」かのいずれかについて合意することではないかと邪推する。

 尖閣が日本の実効支配下にある以上、中国の公船も領海に入る、または日本の公船も領海に入らないなどという「合意」は日本にとって受け入れ難い。この点で中国側が譲歩しないなら、日本として、当面尖閣問題には触れず、日中対話を再開することが賢明だろう。

 日本が領土問題の存在を認めればよいという意見もある。だが、それでも中国公船は尖閣領海侵入をやめないだろう。日本国内、特に経済界の一部では、対中関係改善を急ぐあまり、必要以上に浮足立っているようにすら思える。実に残念なことだ。

 日本の対中政策の中長期的戦略的目標は、関与と抑止を通じ、中国に東アジアの国際社会の責任ある一員となってもらうこと。逆に、万一、中国が現状変更を志向する場合、日本は同盟国・友好国とともに、こうした動きを抑止しなければならない。

 そもそも、習近平国家主席は対日「譲歩」が可能な政治的権威をいまだ確立していない可能性が高い。そのような中国との関係改善には長期戦略と忍耐力が必要だ。間違っても、浮足立って、近視眼的な対中融和政策を急いではならない。

【プロフィル】宮家邦彦

  みやけ・くにひこ 昭和28(1953)年、神奈川県出身栄光学園高、東京大学法学部卒。53年外務省入省。中東1課長、在中国大使館公使、中東アフリ カ局参事官などを歴任し、平成17年退官。第1次安倍内閣では、首相公邸連絡調整官を務めた。現在、立命館大学客員教授、キヤノングローバル戦略研究所研 究主幹。

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