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【社説】2013年6月28日
フクイチで考える(4) ロボット侵す放射線
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▼全文転載
3号機、4号機の作業現場は、随分様子が違う。
4号機の周りには、白い防護服にマスクをつけた人の姿がある。3号機にはそれがない。
事故当時、定期検査で停止中だった4号機は、メルトダウンを起こしていない。
一方、爆発の規模が大きく破損のひどい3号機には、人がうかつに近づけない。3号機はぐるりと足場が囲み、六百トン吊(つ)りの巨大クレーンなど大小十台の重機ががれきの撤去を続けている。運転台には人がいない。
十台は、約五百メートル離れた免震重要棟から、遠隔操作されている。放射線の影響がない部屋だ。
「無人重機もロボットの一種」と東京電力原子力・立地本部課長の田中勤さんは言う。
それとは別に、ロボットたちはフクイチの中にいて、主に地味な調査業務に就いている。
一昨年四月の「パックボット」(米・アイロボット社製)投入以来、東電の管理分だけで六機種が活動、または待機中。この十八日には、ホンダなどと共同開発した「高所調査用ロボット」が、2号機内の温度や線量を確かめた。
ガンマ線が、半導体の中の電子の流れに作用して、コンピューターの誤作動を引き起こす。鉛で覆うと動作が不自由になる。
ロボットも人間と同じ線量計を装着し、被曝(ひばく)の限界を定めた管理値が設定されている。
作業の現場は炉心に近づいていく。生身の人間には、小石一つ拾わせてはならない。汚染水に触れさせてはならない。
ロボットに対する国民の期待は強い。国産ロボットの奮起を求めたい。飛躍的な性能向上を図らねば、フクイチは鎮まらない。 (飯尾歩)
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