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社説:中部電力の越境 地域独占崩す第一歩に<毎日新聞>

毎日新聞
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社説:中部電力の越境 地域独占崩す第一歩に
毎日新聞 2013年08月08日 02時32分
http://mainichi.jp/opinion/news/20130808k0000m070143000c.html

 ▼全文転載

 

 中部電力が、三菱商事子会社の電力小売事業者「ダイヤモンドパワー」を買収し、首都圏での電力小売りに参入することになった。地域独占を守り続けてきた電力大手間で、垣根を越えた競争が始まる第一歩として期待したい。

 政府は、先の通常国会で廃案になった電力自由化に関する法案の早期成立を目指し、競争環境の整備に努める必要がある。

 中部電は、10月にダイヤ社株式の8割を買い取る。同社は「特定規模電気事業者(新電力)」と呼ばれ、企業の自家発電設備などから余剰電力を仕入れ、工場、商業ビルなどに販売している。

 電力の小売りは2000年に大規模事業所向けが自由化されて以降、順次対象が拡大され、05年には家庭向けなどの小口を除き、総電力量の約6割が自由化された。

 ところが、新電力のシェアは12年度で3.5%にとどまっている。大手の地域の垣根を越えた取引は、九 州電力が中国電力管内のショッピングセンターに販売する1件しかなく、事実上強固な地域独占体制が維持されてきた。これでは、競争原理は働かず、電気料金 の抑制もサービスの多様化も望めない。

 一方で東日本大震災以降、電力大手の相次ぐ値上げで、国民の不満は高まっている。競争を促す電力制度改革が求められるわけだ。

 中部電は東京電力に比べ原発依存度が低い。原発停止に伴う発電コストの積み増しが少ないため、値上げもしていない。東電管内は今後も料金高止まりが予想されるため、中部電が価格差を生かして参入すれば、利用者のメリットも大きいはずだ。

 もっとも、中部電と東電の管内は電気の周波数が違う。現状では首都圏に十分な電力を供給できる余力があるわけではない。一気に本格的な競争を起こすのは難しい。

 それでも、ダイヤ社は東京・丸の内のオフィスビルなど優良顧客を多く抱えるため、電力業界に与える衝撃 は大きい。さらに中部電は、東電と共同で茨城県内に石炭火力発電所を新設するほか、静岡県内にも三菱商事などと石炭火力発電所を建設し、ダイヤ社に供給す る計画を立てている。供給力が高まれば、競争も促進されるだろう。

 大手が値上げしたことで、価格競争力を高めた新電力も勢いを増し、東電管内では会社新設も目立ってきた。芽生え始めた競争を大きく育てるためには、公正な条件を整える電力制度改革が欠かせない。

 国民が自由化のメリットを受けられるよう、政府は改革の工程を盛り込んだ電気事業法改正案の早期成立を図り、競争を後押しすべきだ。

 

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