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福島第1原発事故 作業員、手足被ばく測定せず 事故後2〜3カ月、東電「胸部で線量管理」

毎日新聞
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東日本大震災:福島第1原発事故 作業員、手足被ばく測定せず 事故後2〜3カ月、東電「胸部で線量管理」
毎日新聞 2013年01月04日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130104ddm001040028000c.html
▼全文引用

 東京電力福島第1原発事故後2〜3カ月、足元のがれきなどが高線量なのに胸部だけで放射線測定し作業し ていたことが、元東電社員らの証言で分かった。手足の被ばくは「末端部被ばく」、頭などの被ばくが胸より多ければ「不均等被ばく」と呼ばれ、その場合は胸 とは別に手足などへも線量計装着が法令で定められている。東電は「当初は胸部での測定で全身の線量管理はできていた」とするが、専門家は疑問視し、将来健 康被害が生じた場合に備え、手足などの被ばく線量を早急に推計すべきだとしている。

 同原発で放射線管理を担当していた東電社員(当時)の男性は、事故直後の電源復旧作業の際、1号機の原 子炉建屋近くで水たまりに何度か足を突っ込んだ。革製安全靴と靴下は浸水。周辺の線量は毎時10〜20ミリシーベルトだったが、足元には直接測ると100 ミリシーベルト超のがれきもあった。建屋周辺では連日、数百人が作業に当たっていた。

 作業時に手元や足元の線量が高い場合は本来、「リングバッジ」と呼ばれる線量計を手足の指などに装着す るが、この時は、各種放射線のうち透過能力の高いガンマ線を測定するAPD(警報付き線量計)を胸部に着けていただけ。男性は「足指のしびれが数カ月続い たが、不衛生な環境のせいだと思い病院に行かなかった」と話す。

 別の放射線管理員の会社員男性も「高線量のがれきを手で処理しても、指先や目の水晶体の被ばく測定など はしていなかった。手と胸の数十センチの差で何倍も線量が違うこともある」と指摘。「(細胞破壊力が強い)ベータ線を圧倒的に出す核種もあるのに、ガンマ 線用の胸部のAPDだけでは評価できないケースもある」と明かす。

 事故から2〜3カ月後にはリングバッジが行き渡ったが、元東電社員の男性は「そんなに(手足の被ばくが多い)危ない作業をしていたのか」と同僚と心配しあったという。

 東電広報部は「当初はベータ線よりガンマ線が高く、胸部のAPDで全身の線量管理はできていた。汚染水 処理装置の稼働などでガンマ線が落ち着きベータ線が目立つようになったのでリングバッジを着けるようにした」と説明。「作業後には全身を汚染検査してお り、11年3月に高汚染水で3人が被ばくしたこともこの検査で判明した。追加調査の必要はないと考えている」と回答した。

 だが、安斎育郎・立命館大名誉教授(放射線防護学)は「当初からベータ線も相当量浴びたはず。汚染検査 は体表面の付着物は測定できるが、作業時の末端部、不均等被ばくは測れない」と指摘。「いつどこでどんな作業をしたか調べ、末端部などの線量を推計しない と、がん発症時に作業との因果関係が証明できず労働者を救済できない。国や東電は一刻も早く調査に乗り出すべきだ」と話している。【袴田貴行】

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 ■ことば
 ◇末端部被ばく・不均等被ばく

 末端部被ばくは、胴体より手足が多くの放射線量を受けること。不均等被ばくは、胴体のうち基本部位の胸 部より頭部や腹部が多くの放射線量を受けること。原発の放射線管理区域では通常、胸部に線量計を着けて全身被ばく線量を測るが、末端部被ばくや不均等被ば くがある場合は、別の部位にも線量計を着けて局所被ばく線量を測定するよう電離放射線障害防止規則で定められている。

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