「北の山・じろう」時事問題などの日記

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震災とアスベスト:/中 「阪神」から18年、相次ぐ症状 「復興災害」見過ごされ<毎日新聞>

毎日新聞
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震災とアスベスト:/中 「阪神」から18年、相次ぐ症状 「復興災害」見過ごされ
毎日新聞 2013年01月12日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/news/20130112ddm002040053000c.html
▼全文引用

 「たった2カ月の作業で……」。兵庫県宝塚市の衣料品販売業の男性が11年10月、中皮腫で死亡した。65歳だった。西宮労働基準監督署は、阪神大震災(95年)直後のがれき処理作業などでアスベスト(石綿)を大量に吸い込んだためと判断し、死後に労災認定した。

 異変は震災から16年近くたった10年10月に表れた。せきや微熱が続き、悪性胸膜中皮腫と診断された。医者から「どこかで石綿を吸っているはずだ」と言われたが、何のことか分からなかった。

 福岡県で看護師をしている次女(39)が、NPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」に相談。「そう いえば」と思い出したのが、知人から頼まれて95年2月ごろからしたアルバイトの仕事だった。男性は神戸、宝塚、西宮市などで倒壊家屋のがれき運搬などを した。妻(67)は、仕事用の紺色帽子が真っ白だったのを覚えていた。

 男性は生前、「目の前が見えないくらいのほこり」と現場の様子を話していた。髪の毛の数千分の1程度の細さしかない石綿を防ぐには専用マスクが必要だが、男性を含め花粉用マスクを着けている人すらいなかった。

 阪神大震災では25万棟の家屋が全半壊し、解体建物には危険性の高い「吹き付け石綿」が計数百トンも含 まれていたとされる。しかし当時は危険性の認識は低く、復旧や復興が優先される雰囲気の中、石綿対策は見逃されていた。散水もされず、ほこりや粉じんがも うもうと舞う現場で多くの建設関係者やボランティアが作業した。

 旧環境庁が震災後の95年2〜10月にした被災地調査では、大気中の石綿濃度が大気汚染防止法の基準 (1リットル当たり10本以下)をいずれも下回っていた。しかし民間の「環境監視研究所」(京都市)が神戸市の解体現場でした調査では、基準の16〜25 倍の高濃度石綿を検出。作業員に健康被害が表れる危険性は既に指摘されていた。

 震災から約18年がたち、がれき処理などに携わった人たちが相次いで中皮腫などの症状を訴え、少なくとも4人が労災認定を受けた。肺の奥深くに刺さって息を潜めていた石綿が、長い潜伏期間を終えて本性を見せ始めたのだ。

 同NPOの西山和宏事務局長は「『復興災害』を繰り返さないよう、教訓を伝えなければならない」と危機感を強めている。
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