「北の山・じろう」時事問題などの日記

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この国と原発:第1部・翻弄される自治体/6止(その1) 元町議「双葉町を…」<毎日新聞

毎日新聞
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この国と原発:第1部・翻弄される自治体/6止(その1) 元町議「双葉町を…」
毎日新聞 2011年08月25日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20110825ddm001040072000c.html
◎全文転載

(1)

 ◇元町議「双葉町を最終処分場に」−−絶望の果ての覚悟

 東京電力福島第1原発の近くに住んでいた人々から悲壮な声が出始めている。

 同原発5、6号機のある福島県双葉町原発から7〜8キロの所で果樹農家を営む元町議、大塚憲さん(61)は言う。

 「廃炉にした後、周囲数キロは国が買い上げ、高レベル放射性廃棄物の最終処分場にする。それくらいのことを考えてもいい」

 高レベル放射性廃棄物の「ガラス固化体」は、そばに立つと20秒弱で致死量の放射線を浴びる。10万年以上は人間社会から隔離しなければならないとされるが、処分場建設のめどは立っていない。

 原発に人生を翻弄(ほんろう)されてなお、「核のゴミ」も引き受けるのか。大塚さんは淡々と続けた。「脱原発に向かうなら、高レベル放射性廃棄物の問題は避けて通れない。つらいけど、原発の恩恵を受けた者の責任もあると思うんです」

 背景には、汚染された土地への絶望感がある。7月に避難先の横浜市から一時帰宅した時、果樹園には桃とブルーベリーがたわわに実っていた。せっかく育っても出荷できないむなしさに「そこで農業を続ける意欲がそがれてしまってね……」。

 1〜4号機が立地する大熊町でも同様だ。「帰れないなら、土地は買い上げてもらって放射性廃棄物の処分場にでもするしかない。地区の区長会でそんな議論になった」と同町の農業、塚本英一さん(70)は明かす。

(2)

 渡辺利綱町長(64)は「町を『核のゴミ捨て場』にするのは町民感情が許さないでしょう。国が責任を持って探してほしい」と話すが、町の将来像を描きあぐねている。

 町幹部は「2、3年のうちに(放射線の影響の少ない)高齢者は帰したい。でも若者まで含めると10年はかかるだろう」。現役世代が戻らなければ町の復興もおぼつかない。

 渡辺町長は「この苦しみをプラスに転化したい」と話し、低線量被ばくや除染技術の国家的な研究拠点にする構想を抱く。原発を誘致した時に住民たちが描いていた「仙台のように発展する」という夢とは、全く違う姿になってしまった。

(毎日新聞・連載特集)
この国と原発 アーカイブ(2011年)
http://mainichi.jp/feature/20110311/konokunitogenpatsu/archive/news/2011/index.html

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