「北の山・じろう」時事問題などの日記

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この国と原発:第2部・司法の限界/3 覆した住民2勝<毎日新聞>

毎日新聞
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この国と原発:第2部・司法の限界/3 覆した住民2勝
毎日新聞 2011年09月19日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20110919ddm003040172000c.html
◎全文転載

(1)

 ◇「国策に沿った」上級審

 完全勝訴−−。名古屋高裁金沢支部前で掲げられた垂れ幕に、歓声がわき上がった。03年1月、もんじゅ 設置許可無効確認訴訟の差し戻し控訴審判決。原発訴訟で初めて、原告勝訴が言い渡された。95年12月にもんじゅで起きたナトリウム漏れ事故が、強く影響 した判決と言えた。

 「私は素人ですから」。川崎和夫裁判長(65)は口頭弁論と並行し、原告と被告を集めた異例の「勉強 会」を開催した。基礎的な質問をすることもはばからなかった。原告側は差し戻し後の1審・福井地裁判決(00年3月)で認められなかった、もんじゅ事故の 危険性を再び訴えた。原告だった吉村清さん(86)=福井県敦賀市=は「裁判長の訴訟指揮が画期的だった。両方の意見に公平に耳を傾け、判断してくれた」 と1審との違いを説明する。


 だが05年5月、最高裁で高裁判決が破棄された。事実認定ではなく、法解釈に誤りがないかを審理するはずの最高 裁が、「ナトリウム漏れ事故を踏まえると、原子炉の設置を許可した安全審査に看過しがたい過誤、欠落がある」とした高裁判決の事実認定を大幅に書き換え、 判決を下した。

 原告団事務局長を務めた小木曽美和子さん(75)は「国策に沿った政治判決。何のための三権分立なのか」と批判する。最高裁判決に関わった5人の裁判官は取材依頼にいずれも、「応じられない」と回答した。

(2)

 06年3月。もう一つの原告勝訴も金沢で言い渡された。志賀原発2号機訴訟で、金沢地裁は「想定を超え る地震で、住民らが被ばくする具体的可能性がある」とし、運転差し止めを命じた。05年8月、宮城県沖を震源とする地震の際、女川原発で想定以上の揺れを 記録したことが重視された。

 裁判長を務めた井戸謙一弁護士(57)は「宮城の地震が判断の大きな要素になった。審理で感じたのは、できるだけ危険を小さく評価し、低コストで安全対策をしたいという電力会社の姿勢だった」と不信感を示した。

 それでも2審の名古屋高裁金沢支部は09年3月、1審判決後に策定された国の原発の新耐震指針を基に「安全対策は指針に適合し具体的危険性は認められない」と評価、1審を覆す。最高裁も10年10月、2審を支持し、住民側敗訴が確定した。

 両訴訟に共通するのは、現実に起きた事故や地震が住民側勝訴を引き出した点だ。志賀原発の訴訟で原告団 長を務めた堂下健一さん(56)=石川県志賀町=は言う。「今なら裁判所も原発が安全とは言えないだろう。結局、司法は何か起きてからでないと、思い切っ た判断は出せない」=つづく

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 ■ことば

 ◇もんじゅ(福井県敦賀市


(3)

 高速増殖炉実用化を目指す日本原子力研究開発機構の原型炉。95年のナトリウム漏れ事故で運転を停止し、10年5月に試運転を再開。だが、同8月に機器の一部が炉内に落下するトラブルが起き、本格稼働のめどは立っていない。

(※管理人追記→その後故障は修理されました。現在は、稼働可能です)

 ◇北陸電力志賀原発(石川県志賀町

 93年に1号機(沸騰水型軽水炉)、06年に2号機(改良型沸騰水型軽水炉)が稼働。07年3月の能登半島地震では想定を超える揺れを記録した。

(毎日新聞・連載特集)
この国と原発 アーカイブ(2011年)
http://mainichi.jp/feature/20110311/konokunitogenpatsu/archive/news/2011/index.html

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