「北の山・じろう」時事問題などの日記

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原発:電力会社など、県技術委3人に研究費や寄付 知事、問題にせず /新潟<毎日新聞>

毎日新聞
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原発:電力会社など、県技術委3人に研究費や寄付 知事、問題にせず /新潟
毎日新聞 2013年02月07日 地方版
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20130207ddlk15010024000c.html
▼全文転載

 原発の安全管理について議論している県技術委員会の委員16人のうち3人が、電力会社などから寄付金や共同研究費を受け取っていたことが、県がホームページで公開した各委員の自己申告書で分かった。これに対し、泉田裕彦知事は6日の記者会見で「共同研究自体を否定すると、現場に詳しい人を排除することになる。望ましい議論ができるのかということになる」と述べ、現状では問題はないとの見方を示した。

 委員のうち、東北大大学院教授は、日本原子力研究開発機構から12年度に約170万円の共同研究費を、 日本原子力発電と原子炉施設の設計などをする「日立GEニュークリア・エナジー」から09〜12年度で計240万円の寄付を受けた。京都大名誉教授は関西 電力などから06〜12年に寄付金を受け取り、12年の寄付額は計70万円だった。新潟大教授は、主に電力各社の給付金で運営されている一般財団法人「電 力中央研究所」から10〜12年度に共同研究費として計335万円を受けた。

 下部組織の小委員会で関西電力から共同研究費を受けた委員も1人いた。東京電力から研究費や寄付金を受けた委員はいなかった。

 委員は3月末で任期が切れるため、県は新委員(再任を含む)を選定中。泉田知事は専門家が減少傾向にあることを指摘し「程度問題はあるが、1円でももらったからアウトというわけではない」としている。【宮地佳那子】


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毎日新聞
特集ワイド:規制委の3人に1人、原発事業者から「資金提供」 「公正な判断」に懸念
毎日新聞 2013年01月25日 東京夕刊
http://mainichi.jp/feature/news/20130125dde012010003000c.html
▼全文転載

 原発の規制ルールづくりに携わる専門家が電力会社や原発メーカーから受け取った資金の内容を、原子力規制委員会が公開し始めた。旧原子力安全・保 安院時代にはなかった画期的な試みだが、専門家の3人に1人、チームによっては半数以上が資金提供されていた。果たして独立性や公正さへの影響はないの か。【柏崎通信部・高木昭午】
 ◇審議への参加制限なし

 福島第1原発事故を検証した国会事故調査委員会は「規制当局は電気事業者の虜(とりこ)だった」と指摘 した。専門家への資金提供の公開はこれを受けての措置だ。規制委事務局の原子力規制庁は「公開内容を照らし合わせることで、その委員の意見を割り引いて聞 くこともできるようにした」と言う。

 現在、規制委は外部専門家を招いた検討チームを12設けている。公開対象はうち8チーム、専門家延べ 49人だ。(1)最近3年間に電力会社や原子力関連企業に勤務したか(2)各社から年50万円以上の報酬を受けたか(額は非公表)(3)研究室などへの寄 付や共同研究費をどこから、いくら受けたか−−について自己申告した結果を規制委のホームページに掲載している。

 (1)〜(3)のいずれかに該当すると回答した専門家は49人中16人。1人当たりの金額は(2)(3)合計で最低30万円、最高2864万円(さらに非公表の報酬がある)。金額非公表の研究費なども3件ある。

 資金受領者の割合が最も高いのは「発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム」で、6人中4人 が「提供あり」。金額が最も多い山本章夫・名古屋大教授(原子炉物理学)は09〜12年度にかけ、原子燃料工業など各社から寄付金や共同研究費計2714 万円を受けたほか、共同研究1件と個人報酬150万円以上(ともに金額非公表)がある。山口彰・大阪大教授(品質保証)は09〜11年度に三菱重工業など から664万円を寄付され研究費に使った。さらに09〜10年度、東芝電力システムと計346万円の共同研究を実施。額は不明だが原子力エンジニアリング から個人報酬も受けている。

 規制庁の担当者は「人選は事務局が規制委員と相談して決めた。原子炉の安全の中核部分を議論するチームなので原子力と関わりのない専門家は少ない。結果的に『提供あり』が多くなった」と話す。

 なお田中俊一委員長以下5人の規制委員は全員、(1)〜(3)のいずれも「なし」を条件に選任されている。

    ■

 資金提供が専門家の意見にどう影響しているかははっきりしない。だが、気になるケースはある。

 「発電用軽水型原子炉施設の地震・津波に関わる新安全設計基準に関する検討チーム」。規制委員長代理の 島崎邦彦座長(元日本地震学会会長)と外部専門家11人が、活断層の真上への原発建設について激論中だ。禁止、容認の両論があり、事務局が出す規制原案は 繰り返し修正されてきた。揺れによる被害より、地盤がずれて建物を直接引き裂く恐れが問題になっている。チームがつくる新基準は既存原発にも適用され、決 着次第で廃炉の原発も出かねない。

 7回目となった22日の会合に「原子炉建屋は活断層上への建設を想定しないが、その他は安全上重要な建 物・構築物(耐震Sクラス)でも条件次第で認める」との趣旨の事務局原案が出た。関西電力大飯原発では、耐震Sクラスである「非常用取水路」の下に活断層 があるのかどうかが問題になっている。22日の原案が正式基準となれば、活断層と判断されても運転を続けられる可能性が出てくる。

 外部専門家の一人、谷和夫・防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター契約研究員(地盤工学)は「海 外では重要なダムでも断層変位(ずれ)を考慮した設計がされている。新幹線やリニアモーターカーも断層に対処する技術が開発されている」と原案を支持し た。さらに「断層の活動性がないことの確認は実務的に大変」と指摘。規制対象を「活動性が認められる場合」に限るよう主張した。

 これに「無責任だ」と反発したのは和田章・東工大名誉教授(建築構造学)。「半径30キロの住民が何年 も帰れないものと(新幹線などを)同じ(扱い)にしてはいけない」と言い、条件次第での容認を意味する文章を削除すべきだと訴えた。谷氏は「無責任なこと を言っているつもりはない」と応じたが和田氏は譲らなかった。

 谷氏は昨年12月17日の会合でも、耐震Sクラスの建物・構築物について「長さ数キロに及ぶ断層上への 建設は禁じるが、小さい断層なら個別に判断する」との趣旨のメモを提出。当時は「建設禁止」としていた事務局原案の条件付き緩和を唱えた。「何らかの方法 でクリアできるなら建設を認めるべきだ」と擁護したのは平石哲也・京都大防災研究所教授。これに対し島崎座長は「断層がどれだけずれるかの予測は難しい」 と「禁止」の原案を支持。和田名誉教授らも賛同していた。

 谷氏は電力9社の寄付でつくられた財団法人電力中央研究所の元職員。横浜国立大教授だった10、11年 度に同研究所と研究費200万円の共同研究をしている。今年度以降も300万円の共同研究をする計画だったが、10月に防災科研に転任したために中断し た。平石教授も今年度、中部電力、東電、日立造船と30万円の共同研究を実施中だ。チームではこの他、中井正一・千葉大教授(都市防災工学)が08年度に 東電設計から45万円の寄付を受け、パソコンなどを購入している。

    ■

 資金提供が公正な判断をゆがめたり、その懸念が生じたりする状態は「利益相反」と呼ばれる。厚生労働省 薬事・食品衛生審議会の利益相反対策ルールでは、医薬品の承認審査の際、審査委員がその薬の製造・販売企業や競合企業から年50万円以上の寄付などを受け ていれば議決に加われず、500万円を超えると審議そのものに加われない。

 一方、原子力規制委では検討への参加制限はない。規制庁は「広範囲に意見を聞けるように」と説明する が、その背景には人材不足で外部専門家に頼らざるを得ない現状がある。田中委員長は昨年の会見で「安全規制に必要な知識や人は幅広く高いレベル。(確保 に)時間がかかる」と語っている。

 防災科研に谷氏への取材を申し込んだが「安全基準の検討のめどがつくまでは応じられない」とのことだった。活断層上の建設容認に賛成した外部専門家は他にもいる。

 とはいえ、安全性の判断は価値観にもよる。判断が公正であるのはもちろん、「公正に見える」ことも重要 だ。金子勝・慶応大教授(元原子力委員会新大綱策定会議委員)は「5人の規制委員に原子炉本体の専門知識はなく、仮に利益相反のある外部専門家が甘い基準 をつくっても覆せない。社会の信頼を得たいなら、そうした専門家は法律で排除すべきだ」と話す。「原子力村」と疑われないよう、やはり参加制限が必要では ないか。

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