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黒い雨:公開シンポ 放影研へ異論や注文 被害未解明「もっとデータを」 /広島 <毎日新聞

毎日新聞
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黒い雨:公開シンポ 放影研へ異論や注文 被害未解明「もっとデータを」 /広島
毎日新聞 2013年02月23日 地方版
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20130223ddlk34040584000c.html
▼全文転載

(1)

 原爆資料館(中区)で17日、米軍による原爆投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」や、残留放射線による低線量被ばくをテーマに開かれた公開シンポジウムは、黒い雨に関するデータを保管する日米共同機関・放射線影響研究所の研究者と、データの公開を求める医師・研究者の間で激しい議論が交わされた。傍聴した約250人の参加者も交えて、放影研の説明への異論や注文も相次いだ。黒い雨や残留放射能の被害が、被爆68年を経て未解明である現実をあらわにした。シンポの詳報を伝える。【加藤小夜】

 シンポは日本ジャーナリスト会議広島支部が主催。登壇した5人は大久保利晃・放影研理事長▽小笹晃太郎・同疫学部長▽本田孝也・長崎県保険医協会会長▽大瀧慈(めぐ)・広島大原爆放射線医科学研究所教授▽高橋博子・広島市立大広島平和研究所講師。黒い雨に遭ったと答えた人に、高率で脱毛などの症状が出たとする米オークリッジ国立研究所の報告書▽放影研による黒い雨データの解析▽残留放射線に関する見解−−の3テーマが設定された。

 ◆オークリッジ報告書

 報告書は71〜72年に作成された。小笹部長は「黒い雨以外が同じ条件で比較する必要があるが、全く違 う集団を比べている」と問題点を挙げた。報告書を発見した本田医師はその点に理解を示した上で、放影研の保管データでは爆心の1・6キロ以遠の被爆者にも 発熱や血性の下痢などが高率で発生していると指摘。「放影研は高度の脱毛だけを放射線特異性が高いとしているが、中程度の脱毛は詳しい解析がなされていな い。他の急性症状と合わせて解析すると、違った結果が出てくるのでは」と話した。

 ◆黒い雨データの解析

 黒い雨に遭ったと回答した約1万4000人分のデータを保管する放影研は、昨年12月に発表した「黒い雨に遭ったことによるがんのリスクの増加はみられない」という説明を改めて繰り返した。

 大瀧教授は、長崎では黒い雨に遭ったと答えた人の固形がんによる死亡リスクが、遭っていないとした人より高い結果を問題視。「雨に遭うと治療効果が非常に低下したということでは」と述べ、解析の継続を求めた。

 大久保理事長は「『雨に遭った』というのを当時どんな定義で聞いたか分からない。私どもはデータがどれだけ信頼できる形で取られたかを検討しながら解析を進めている。それで総合的に(リスクはみられないと)判断した」と答えた。

 ◆残留放射線

(2)

 大久保理事長は「非常に緻密に計算された直接被ばく線量も、最終的な(建物などによる)遮蔽の効果を入れると、平均で30%ぐらいの誤差がある。意図的に削ったわけでなく、今でも残留放射線の研究は続けている」と強調した。

 米軍文書などの記録収集が専門の高橋講師は、放影研の前身・米原爆傷害調査委員会(ABCC)の時代、 番号付きの残留放射線調査が打ち切られた事実を挙げ、「現在までその手法で続けていたら、大事なデータが残っていた可能性がある」と指摘。さらに「米軍に 送られた被爆者の病理学的資料は、広く人類のための研究に使用されなかった。『二度とこんな目に遭わせたくない』と協力してきた被爆者の気持ちを最大限に 尊重して、データを共同研究しやすい形にしてほしい」と注文した。

 ◇「健康調査して」

 シンポの最後には、会場の参加者からも意見が次々と上がった。

 東京から来た弁護士は「(放影研は)歴史から見て、必ずしも市民から中立的に見られていない。データをできるだけ公表し、外部の学者と意見交換しながら計画を立て、外に分かる形にしていくことが必要だ」と話した。県「黒い雨」原爆被害者の会連絡協議会のメンバーらも傍聴し、松本正之事務局次長(87)は「黒い雨をかぶった私たちは健康が悪い。科学者たちは調査して、どういう健康状態かということを掘り下げてもらいたい」と訴えた。

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