福井新聞
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高浜、美浜で津波の痕跡調査 20年度まで日本側一帯
(2014年3月9日午前7時03分)
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日本海沿岸で過去に起きた津波の痕跡を調べる文部科学省の調査が、福井県高浜町薗部などで行われて いる。日本海側では初の本格的調査となり、福井県を皮切りに2020年度までかけて日本海側一帯のデータを収集する。津波の発生源の調査や、各自治体の防 災対策への基礎データとして活用が見込めるという。
東日本大震災をきっかけに始まった同省の「日本海地震・津波調査プロジェクト」の一 環。県内の調査は福井、新潟両大が担当する。地下5メートルまでの地層を専用の機械で引き抜き、津波によって運ばれたと思われる泥や砂、貝殻などの堆積物 の有無を調べる。地下5メートルまでの地層で5千~6千年前までの津波が分かるという。
8日の調査では引き抜いた地層に津波の痕跡がないか、両大の研究者らが観察したり、ポイントとなる個所を写真に収めたりした。地質学が専門で、調査に参加している福井大の山本博文教授によると、日本海側の津波の調査は太平洋側に比べ大きく遅れているという。
県内調査は9日まで高浜町薗部、和田の計9カ所で行い、その後、美浜町坂尻の3カ所程度で試料を採取する。試料は両大学に持ち帰りさらに詳しい分析を行う。
山本教授は「日本海側一帯において、短期的ではなく何千年という長い期間で津波の有無を調べたい。県内調査分は年内に分析を終えたい」と話している。