東京新聞 TOKYO WEB
トップ >http://www.tokyo-np.co.jp
原発事故受け「健康ノート」 医師ら出版
2014年4月3日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2014040302000174.html
▼全文転載
全国の医師や内部被ばくの影響を考える市民団体、母親らが、福島原発事故後の行動や心身の変化を記録する「健康ノート」を作り、出版した。放射線の影響は長期に及ぶとされるため、健康管理や病気になったときの診療、因果関係の証明に生かす。 (山本真嗣)
ノートは「カルテ編」と「資料編」(いずれもA4判、七十二ページ)。カルテ編には震災後の避難行動や体と心の症状、検査結果、放射線量測定など 八種類の記録用紙がある。資料編は原発事故の時系列の推移や天候、空間線量など当時の状況を詳細にまとめ、記録をつける参考にする。
震災二カ月後、福島県から小学生の子ども三人と岐阜市に避難してきた契約社員の男性(34)は最近、ノートの記入を始めた。避難前の自宅周辺は原 発から離れていたが、昨夏、病院で受けた甲状腺の検査で三人に嚢胞(のうほう)(体液の入った袋状のもの)が見つかった。「どう変わっていくのか予想でき ない。原発が原因なのか、違うのか。将来はっきりさせるためにも記録を残したい」
ノートにはもう一つの目的がある。同意を得られた購入者から、カルテ編にある事故後の病歴や体調などを記入する問診票のコピーを送ってもらい、放射線との因果関係を調べる。データ化し、今後の対策に役立てる。近く専用のホームページを作り、参加を呼び掛ける予定だ。
松井さんは「放射線の影響はいつ、どう出るのか分からない。記録に残し、データを集めれば汚染の程度と発病の関係の解明にもつながる」と話す。
震災翌年に東京で開かれた反原発団体の会合で、幼い子のいる母親が原発版の健康手帳を要望。松井さんらが、チェルノブイリ原発事故の健康被害を 追った海外ドキュメンタリー映画のDVDを販売した収益金やカンパの一部で作った。一セット八百円(税別)。購入は垂井日之出印刷所=電 0584(22)2140=へ。
◇
福島県内の自治体では、事故後に独自の健康手帳を作り、住民に記録と経過観察を呼び掛けている。
東京新聞:試読フォーム:東京新聞購読のご案内(TOKYO Web)
ブログ目次
☆ホームページのご案内
福島第1原発事故と原発問題、チェルノブイリ原発事故関係情報案内所
福島原発事故と放射能環境汚染・食品汚染・健康被害、チェルノブイリ関連情報案内所