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焦点:川内原発審査で火山噴火リスク軽視の流れ、専門家から批判<ロイター2014年 05月>

ロイター

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焦点:川内原発審査で火山噴火リスク軽視の流れ、専門家から批判
2014年 05月 30日 17:08
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0EA0LZ20140530?rpc=188
▼全文転載

 

[東京 30日 ロイター] - 九州電力(9508.T: 株価, ニュース, レポート)川内原発鹿児島県)の審査をめぐり、原子力規制委員会の中で火山噴火のリスクを小さく見積もる流れが形成され、同委の外部からは安全姿勢に問題が残るとの声が出ている。

一方、厳格な審査を行ってきた島崎邦彦委員長代理を再任しない人事案が27日、政府から提示され、政府が原発再稼動に向け地ならしを行っているとの批判も出ている。

   <規制委員長、火山学者に不快感>

「本来は火山予知連がやればいいのに、カルデラ噴火は(予知の)対象外になっている。原子力規制委員会、規制庁が(予知を)リードしていく」──。田中俊一委員長は28日の記者会見で、火山学者からの批判に不快感を隠さなかった。

火砕流の到達距離が100キロを超えるなど、広範囲な地域に大きな被害をもたらカルデラ噴火。九電原子力規制委 は、川内原発の半径160キロ圏内に位置する複数のカルデラが、破局的な噴火を起こす可能性は十分に低いうえ、全地球測位システム(GPS)などによる監 視体制を強化すれば、前兆を捉えることができるとの見解だ。

しかし、火山学者からこうした見方に異論が出ている。火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣・東大名誉教授は、ロイターの取材に対し、川内原発の運用期間中に、破局的噴火が起こるかどうかについて「起こるとも、起こらないとも言えない」と述べた。

原発に高温の火砕流が到達すれば、重大事故につながりかねない。予知ができれば、原子炉を停止した上で、核燃料を火 砕流が届かない場所に移すことになるが、核燃料の搬出は、数カ月程度では終わらない作業だ。「3カ月後に巨大噴火」と予知できても、人は避難できるが、原 発は避難できない。

東大地震研究所の中田節也教授は、カルデラ噴火の前兆は確実に捉えることができるとの見方を否定する。中田教授はロ イターの取材に対し「とんでもない変動が一気に来た後に噴火するのか、すでに(十分なマグマが)溜まっていて小さな変動で大きな噴火になるのか、そのへん すら実はわかっていない」と話した。

 

 

規制委は今年3月、新規制基準(2013年7月から適用開始)の適合性審査で、川内原発を他の原発よりも優先して審査を進める対象に選定。5月末の時点で川内の審査は最終局面に来ている。

こうした中で持ち上がった自然災害リスクに対する懸念は、早期の再稼働を望む側にとっては、排除したい意見とみられている。

田中委員長は会見で、火山学会の第一人者2人からの疑問の声に関する記者からの質問に対し「原子炉を運用する30―40年の間に、カルデラ噴火のような破局的噴火が起こるという不安定な状態にはない」と断定。「外野」からの異論をはねつけた。

川内原発、立地は適切だったのか>

規制委が昨年7月に策定した原発の新規制基準では、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原発事故を教訓に、地震津波など自然災害への備えを強化したことが柱の一つで、火山に対する影響評価の要求も新たに加わった。

内容は、1)半径160キロ圏内の火山を抽出、2)将来の活動可能性を調査、3)火山活動の兆候を把握した場合、対処方針(原子炉停 止・核燃料の搬出など)を策定、4)火砕流原発に到達するなど対処不可能な事態が生じる可能性が小さくない場合は立地不適となり、再稼働は不可能に── などとなっている。

日本列島は世界有数の火山地帯とはいえ、カルデラ噴火は約7300年前に鹿児島県沖で発生したのが最後の事例。福島原発を襲った巨大津波に比べても一般的な認識度が低い自然現象だ。火山学者によると、日本では1万年に1回程度の頻度で発生している。

東大の中田教授は、破局的噴火が南九州で起こるリスクについて「正直に言えば、多分起こらないと思う。だが、リスク評価である程度の確率がある以上、危ないでしょうと言わざるを得ない」と指摘する。

 

 

 

カルデラ噴火が起きた場合、火砕流が到達する可能性がある薩摩川内市原発を建てることは避けるべきだったと思うかと質問に対し、中田教授は「思う」と答えた。

    <工学と理学の衝突>

中田教授は新規制基準の火山部分の策定にも関与した。「(策定に)かかわったが、最終案はすべて彼ら(規制庁側)が作った。途中で直してほしいと言っても、あまり反映されずにできてしまった」と証言する。

「(破局的噴火は)前兆が出るというとことに、規制庁は救いを見つけたらしく、(変動を捉えて噴火に至るまでの)期間は絶対にわからないと、口を酸っぱくして言ったが、モニタリングを行うということで、ブラックボックスになってしまった」という。 

原発の安全性を見極めるうえで難しいことの一つに、工業技術を総動員して安全確保を目指す「工学の理論」と、自然の脅威は計り知れないとする「理学の論理」の折り合いの付け方が挙げられる。

火山予知連絡会の藤井会長は、次のように指摘する。「科学は、わからないというところから始まるので、いつまでたっ てもわからない。宇宙の始まりだってそう。ところが工学の世界は別。境界条件人為的に決めて、この範囲内では分かると断定する。工学は自ら神様になる が、理学はいつまでたっても神様は別のところにいる」と指摘する。

   <安全神話再び、排除される慎重派>

4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」では、原子力規制委員会が規制基準に適合すると判断した原発は再稼働させるとしており、安倍晋三政権は審査に合格した原子炉の再稼働について、政府として是非の判断はしない構えだ。  

 

 

藤井教授は「規制委が科学に基づいて判断すると言って、政府は規制委の判断を政府の判断にするといったら、これは別の安全神話を作ることになる」と話す。

安全神話の復活を狙う推進側からみると、自然の脅威を重視する慎重派の原子力規制委員は目の上のコブのような存在といえる。

標的となったのが島崎委員長代理だ。地震学者の島崎氏は、新規制基準の審査会合で地震想定など電力会社側に厳しい指摘や要求をたびたび行った。電力業界関係者からは「審査を通す気がないのでは」との怨嗟(えんさ)の声も聞かれた。

政府が27日に国会に提出した人事案では、今年9月に2年の任期を迎える島崎氏は再任されず、自然災害の専門家として、同氏の後任に石渡明・東北大学教授(地質学)を起用することが示された。

元経済産業官僚の古賀茂明氏は、島崎氏への圧力の存在を指摘する。同氏は、島崎氏と接点を持つ学会関係者の情報として「島崎さんにはたいへんな圧力が掛かり、本人は弱気になっていたらしい」と述べた。

また、別の関係者によると、島崎氏は9月以降の続投に意欲的だったという。

<独立性、有名無実化も>

規制委の政府案人事では石渡氏のほか、田中知・東大大学院教授の起用も示された。田中氏は、原子力工学が専門で原子 力学会の会長(2011年6月─12年6月)を務めた。福島原発事故後、当時の民主党政権が立ち上げたエネルギー政策議論に参加し、脱原発の世論が高まる 中で原発維持を訴えた。

 

 

田中知氏が規制委の専門審査会の委員に今年就任した際、規制委が公表した情報によると、田中氏は、福島事故が発生した2011年度に、電力会社と関係の深い財団や原発メーカーなどから160万円以上の報酬や寄付を受け取っている。

脱原発を主張するNPO法人原子力資料情報室」の伴英幸・共同代表は、田中知氏の起用について「長く推進側にいた 方で、規制側にまわってきちっと規制できるか懸念している。今でも原子力の信頼が得られていない中で、規制委員会自体の信頼が揺らいでいくのではないか」 と指摘した。

規制委の田中委員長は、政府の人事案について「何かを言う立場ではない」と述べた。島崎氏の続投に圧力がかかったの ではとの見方については「規制委員会の役割や独立性は、(発足から)2年弱だが、(委員)みんなで作り上げてきた。これを守る方向で努力していきたい」と 話した。

(浜田健太郎 斉藤真理 編集:田巻一彦)

 

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