☆人間は、いかなる時でも前向きに物事を考えなくてはなりません。
フランス大会??では??後ろ向きじゃないか??
と思うかも知れません。
☆しかし、フランス大会は大きなものを日本のサッカー界にもたらしました。
何より、感動です。
当時の日本チームは、ワールドカップ初出場で右も左も分からない状態でした。
そんな時、チームの指揮を執ったのが岡田監督です。
当時は、ファンも代表チーム関係者も日本サッカー界も、「どうしたら?世界に勝てるのか??」、必死に模索しました。
チームは、とにかく「サッカーをする=試合にする」ことに必死だったと思います。普通にやれば、ぼろ負けするのは誰にでも分かりました。予選リーグの対戦相手は、多分現在のチームより強そうなアルゼンチン、クロアチア、ジャマイカです。
今のチームだって、この組み合わせでは勝ちあがるのは、かなり難しいでしょう。
初出場の「ご褒美」は、強い相手との対戦でした。結果、1勝も出来ずに予選敗退でした。アルゼンチン、クロアチアとの対戦は、ともに1点の負けです。いかに、当時のチームが必死で守備をしたか、分かると思います。
アルゼンチンやクロアチアとの試合は、専守防衛でした。しかし、必死でゴールマウスを守る日本代表に感動した人は、多いのではないでしょうか?必死に守った結果が勝つ点なし(3敗)得失点差ー3です。全部、1点差負けです。負けても当時の日本代表チームは、精神的に切れることなくベストを尽くしたと思います。「ベストを尽くした」事が、立派だ!!と思います。
これが、その後のベースになります。
「1点取れれば、引き分けに持ち込めた」
「1点を取るために、今後どうするべきか?」
そんな中で、色々な意見が出ました。
流れの中からの得点は他のチームも少ない。セットプレーを、もっと磨くべきだ。
日本は、パスは出来るのだから、パスをつないでゴールを狙うべきだ。
これは、現在のチームと似ているようですが、全然別の考え方です。
最少のタッチ数で、ゴールを狙わないと得点できない。
つまり、1本のパスでシュートを撃つのがベストと言うことになります。
「攻めるのに、手数をかけるな」と言うことです。
そして、得られた別の教訓もあります。
ワールドカップの予選リーグの戦い方です。
Cクラスのチームの基本は、1勝1敗1引き分けだと言うことです。
当然、当時の岡田監督はこのような目標で試合に臨みました。
1勝は、ジャマイカから挙げる。
引き分けの相手は、クロアチア。
負ける相手は、アルゼンチン。しかし、引き分けを狙いつつ悪くても最少失点に抑える。このように考えていたと思います。
ですから、第1戦のアルゼンチン戦の0-1の負けは、予定通りなのです。
ゲームプランが狂ったのは、第2戦のクロアチア戦です。引き分けの予定が0-1の負けになりました。第3戦のジャマイカ戦は、打ち合いに行きます。「せめて、1勝しよう」と言うことでしょうネ?結果は、1-2の負けでした。
「打ち合いに行けば、得点のチャンスも増える代わりに失点のリスクも増える」と言うことを、体験したわけです。
岡田監督は、別のことも言っていました。
攻撃には、三通りのスピードが必要なような気がする。
攻撃ばかりしていては、体力がもたない。だから、速い攻撃。中くらいのスピードの攻撃。ボールをキープして、ゆっくり攻める攻撃。この三通りの攻撃を使い分けるようになるべきだ、と言うような内容だったと思います。
岡田監督は、フランス大会で日本代表を指揮した経験とその後の日本国内でのクラブチームの監督経験。日韓ワールドカップの結果とドイツ大会の結果。そして約2年半南アフリカ大会の代表チームを指揮した経過から、南アフリカ大会本番でのゲームプランを考えました。
やはり、フランス大会での経験が大きいと思います。
そして、岡田監督には「チャレンジ精神」がありました。
それは、大会前のテストマッチで強豪国とばかり、試合を組んだことにあります。
ほとんど負けたと思います。つまり、強豪国とテストマッチをすることで、本番での戦い方を考え、「負けないこと」を第一に考えて、メンバーを決めシステムを決めました。
日韓大会は、ホームの利とトルシェ監督の戦術がありました。
これについては、別のタイトルで書きます。
このように過去の大会を振り返るなら、現在にも通じる教訓は沢山あります。
そして、フランス大会のメンバーの残した一番の教えは??
チームが結束すること。
怖さに耐えること。
試合に集中し、ベストを尽くすこと。
シュートなど、そうそう決まるものではありません。
点が入らなくても我慢して、守るときはしっかり守り
めげずに、何回でもゴールにチャレンジする。
特に格上を相手に戦うときは、失点を防ぐのが一番大切なことです。
コロンビアは、「格上の相手」です。
本来なら、1敗か1引き分けの対戦相手です。
特攻精神でやたら攻めても、多分ダメでしょう。
まず、失点を防ぎ「ゼロ」に抑えることに全力を尽くすべきでしょう。「ゼロ」に抑えることにより、あるいはチャンスが巡って来るかもしれません。
失点覚悟で、前に出ることが許されるのは、後半残り20分になってからです。