※人柄は、申し分なかったと思います。日本になじもうと努力していたようです。
残念ながら、日本代表に向いた監督では、ありませんでした。
ハイレベルのヨーロッパのクラブチームのようなサッカーを日本代表がやるのは無理です。けれども、ザッケローニのキャリアは、イタリアの上位チームの指揮を執ったのが最高です。代表チームの監督は、今回の日本代表が初めてでした。
「4-2-3-1」
に、こだわった指揮官。
※ここに基本的な「誤解」があります。
南アフリカ大会で、当時の日本代表は
「4-1-4-1」
でした。
これは、2トップでは、どうにも結果の出なかった当時の岡田監督が、苦し紛れに取った戦術です。「1トップ」は、普通日本チームは採用しないと思います。ただでさえ少ない攻撃能力が、更に弱体になります。
中村俊輔選手をトップ下に置き2トップで攻めるのが岡田監督の考えだったと思います。しかし、ここに致命的な欠点があります。中村俊輔選手をここに入れると守備が弱くなります。
予選突破から、逆算すると中村俊輔選手をはずして守備を強化するしかない?しかし攻撃は、どうする???(岡田監督の考えを推測)
岡田監督は、スリートップ的な1トップを考えたと思います。
1トップの下には、サイドに大久保選手と松井選手と言う攻撃能の高い選手を配置しました。特に松井選手は素晴らしかったと思います。守備と攻撃でチームに大きな貢献をしたと思います。
つまり??
苦し紛れの1トップを、そのまま??
「4-2-3-1」
にしてしまった??このような可能性があります。
同じ1トップなんだから、いいじゃないか??
ザッケローニは、最後まで「誤解」していた可能性があります。
「1トップで、上手くいくはずだ?どうして?結果が出ない?おかしい??」
ザッケローニさん???
「4-1-4-1」と
「4-2-3-1」では??随分違うと思いますが???
選手たちは、監督の「誤解」を良いことに、せっせと「自分たちのサッカー」を監督に「刷り込み」ます。多分、南アフリカ大会のような守備的な戦術を嫌った一部の選手が、ザッケローニを騙して??洗脳してしまったような気がします?
日本サッカー協会も??「それを、よし!!」としていたのですから??
ブラジル大会は、最初から負けに行くようなものでした。
多分、日本代表チームは、ブラジルに観光旅行に行ったのでしょうネ??
さて、フィリップ・トルシェ監督です。
日韓大会で、フィリップ・トルシェ監督が中村俊輔選手召集せず、中田英寿選手をチームの中心に据えた理由です。それは、何か???
選手としては、残念ながらローマに移籍した後イタリア・リーグでは活躍できませんでした。競い合った(と日本では誤解していますが)ローマのトッテイ選手は、ライバルとしては、強力すぎました。
当時のカペッロ監督は、トッティ選手の交代要員として中田英寿選手をローマに獲得しました。そうです?当時から、ヨーロッパの上位のクラブチームは、選手が二組必要でした。過密日程をこなすには、主力選手を時々休ませる必要があります。トッティ選手が休んだ時や怪我をした時のための、言葉は悪いですが「スペア」だったのですネ?
少し、傲慢になっていたトッティ選手を「刺激」する意味もあったと思います。
トッティ選手を「刺激」出来るほど、中田英寿選手は能力が高かったとも言えます。
しかし、トッティ選手のライバルには、到底なりえませんでした。トッティ選手の能力が、余りに高すぎたためです。
香川選手も似たような道を辿っています。
上位のクラブチームに移籍すればよいと言うものではありません。
そこで、レギュラーを獲れるかどうか??良く考えるべきでしょう?
中田英寿選手のために、「惜しい!」と思うのは、「どうして?ボランチに変身しなかった??」と言う事です。ボランチに必要な能力は、ほぼ全て持っていました。多分、ボランチに活路を見出せば、かなりハイレベルのボランチになったのではないか??と、個人的には思います。
「トップ下」と言う言葉が、中田英寿選手の成長を阻害したと思います。
中田英寿選手になくて??
トッティ選手に、たっぷりあるもの???
「得点能力」です。
トッティ選手は、フォワードとしてプレーすることもありますし、ローマでそうであるように、シャドウ・ストライカーとして1・5列目に起用されることもあります。
「トップ下」と言うポジションを作るなら、そこに入る選手はフォワード並みの得点能力が必要です。パスを出して終わりではなく??パスを出した後、2トップの他の3番目のフォワードとなる必要があるのですネ?
フランスのジダン選手も同じようなポジションから、得点します。
日本では、「トップ下」はミッドフィルダーのポジションと誤解されているように見えます。
「4-2-3-1」では??
選手が中央に重複しています。重複を避けるためには、「トップ下」の位置にいる選手は、どこかに動く必要があります。そんな面倒なことをするくらいなら?最初から??
「4-4-2」
にしてしまえば、良いと思います。
つまり??日本式の「トップ下」はミッドフィルダーですから??
守備能力が必要なのですネ?
中田英寿選手は、かなり強力な守備能力を持っていました。
だから、「トップ下」にいるとチームにとって役に立ったのです。
これを?中村俊輔選手にすると??
守備能力が不足してしまうのですネ?
一方、フィリップ・トルシェ監督です。
システムは、ご存知の
「3-4-1-2」です。
日本選手は、ワールドカップでは能力が不足です。
日韓大会の前は、現在以上に「極貧」の状態でした。
フランス大会の結果を見ると??
どうやったら??日韓大会で、予選を突破するの??
疑問と言うより、実現不可能なミッションのように思います。
ほぼ、「実現不可能なミッション」に挑んだのが、フィリップ・トルシェ監督です。
フィリップ・トルシェ監督は、かなり早い段階から「3-4-1-2」を決め、出来るだけ多くの選手や関係者に理解を求めました。批判的な意見は、非常に多かった印象があります。
フィリップ・トルシェ監督の戦術とは??
能力の足りなさを、数で補おうと言う発想でした。
(もっとも、「トルシェには他に戦術はない」と言う人もいました)
そして、バックラインで勝負しては、到底足りないとの考えからか??
中盤で数的有利を作り出し、中盤の4+1とフォワードの2を足して、合計7人で中盤を戦おうと言うのが、ごく簡単な説明です。
ブラジル大会で、中南米の小国がポゼッションサッカー対策として取り入れているハイプレス+3バックと発想も形も良く似ています。
ブラジル大会では、代表選手たちは「自分たちのサッカー」とか「寝言」を言っていたような気がします??
「そんなものは、とっくにフィリップ・トルシェ監督が、やっている」と私は思います。
フィリップ・トルシェの後は、ジーコ監督でした。
「4-4-2」のシンプルなシステムでした。
ここから、日本サッカーの長期低迷が始まります。
どうしてでしょうか??
中盤の選手が、バックラインに行ってしまいました。
そうすると??
中盤の数的優位がなくなります。
たった、「1」の数が違うだけで中盤の強さに大きな違いが出ます。
守備の位置が、異なります。
トルシェは、フォワード~中盤のラインで守備をして、ボールを奪って速攻が基本的な考え方でした。
バックを4にすると??
中盤とバックのところで守備をすることになります。
南アフリカ大会の岡田監督の戦術です。
今回、イタリア代表は「4-1-4-1」で戦っていました。
一方、3バック+中盤からのハイプレスを今回大会の武器とする中南米の小国は、顕著な活躍をしています。3バックは、後ろに弱点があります。しかし、中盤の戦いを制すればそれを補えると言うことです。
本当にリスクを取って、攻撃的なサッカーを目指すのであれば??
答えは、日韓大会にあります。
日韓大会で勇気を持って、3バックで戦った日本代表を元の臆病なチームにしたのは??言いたくありませんが、「ジーコ」です。それを引き継いだのが岡田監督です。結果を出してしまったために??
「4バック+1トップ」を?誰も、それは苦し紛れの一時的な戦術だとは、言えなくなってしまいました。
「ハイリターン(=得点)」を求めるなら??
「ハイリスク(失点)」も覚悟しなければなりません!
元々、ブラジルの戦術はなにか??
堅守速攻です。
中南米のチームは、アルゼンチン以外、全部これだったのですネ???
ブラジル大会で、日本チームは何をやりたかったのか??
「ポゼッションサッカーの出来損ない」を、やろうとしていたように見えます。
あるいは、単純なパスサッカーかもしれません。
何しろ??選手主体の戦術ですので???
意味が、よく分かりません。
多分??選手によって異なると思います。
単純に、「フィリップ・トルシェ」のまねをするだけで、今のチームよりは同じメンバーで、数段上の戦いが出来そうに思います。
日韓大会での、トルシェ・マジック(作戦)とは??
勝てそうもない、ベルギーと予選第1戦を戦いました。
トルシェの作戦は??
三つありました。もっと、あったのかもしれません。
まず、第一にベルギーチームが事前に日本に対して持っていたイメージを裏切りました。前半は、ロングボールを放り込むだけで、全然パスサッカーをやりませんでした。ベルギーチームは、かなり???と思ったでしょう。
後半、日本の普通の戦い方に戻します。
こうするだけで、同じ事をしても効果が全然違います。
前半と後半で、別の戦いをしました。
第二
上からの続きでもありますが、気象条件(地理的環境)を利用しようとしました。
前半のロングボール作戦は、ベルギーチームの消耗を狙ったものです。
「同じ高温多湿でも、日本人は慣れている。ベルギーは慣れていない。」
だから、「前半体力を温存してベルギーがより体力を消耗するであろう後半勝負に賭けた」と言う事です。
第三に
ボランチの攻撃参加を、切り札として用意していました。
前半と後半で「ガラリ!」と戦い方を変え、ボランチの攻撃参加も用意していました。守るほうからすると??意外なことばかりです。守備のマークが「ズレて」ボランチの稲本選手がフリーになる場面が、かなりありました。実際に得点もしています。
※これに比べると??
岡田監督は(失礼!)かなり能力が劣ります。
だから、結果として「4-1-4-1」になりました。
しかし??
「4-4-2」のシステムだけ決め、メンバーを決めて、後は選手任せの監督よりは努力したと思います。
選手も、南アフリカ大会がいやなら??
日韓大会にすれば、いいじゃないか??
と、思いますが??
流行に流されてしまうんでしょうネ?
「4-2-3-1」だ?そうです??
元々、弱小なチームが縦長のシステムを採用し中盤に弱点を抱えて戦えば?どうなるか??
それが、ブラジル大会の結果です。
お願いですから??
次の監督は、優秀でなくてもイイ!!!
普通の監督にして欲しい!!!
選手に騙されたり?洗脳されているようでは、根本が違っている???
※タイトルの答え
日本代表の監督としては、優秀な監督だった。
中国では、上手くいかない??
日本向けの特殊な人材かもしれません?