2022年05月20日（金）10:19
アメリカの例では、NY株の下落局面を下支えしていたのが個人投資家だそうです。株式市場は１０数年に及び上昇を続けてきました。NY株は日本株以上のパフォーマンスです。その過程でアメリカの個人投資家は、株価の下落局面で押し目買いをし株価が上昇したら利益確定することで利益を上げ続けてきました。
NYダウとS&P500が、最高値を示現したのが今年の１月です。それ以降は、押し目買いをするたびにロスカットせざるを得ない状況が続いています。
４月の記事ですが、あまりに赤字が続くためアメリカの個人投資家は、押し目買いを止めていると言う内容でした。
その後も状況は同じです。
アメリカ市場の下落が一方的なのは、押し目買いの主体が不在だからです。
売り手は、沢山います。
アメリカの上場投資信託は、軒並み大赤字です。
時間経過とともに、資産が目減りしている状況が続いています。当然、目減りに耐えきれなくなった購入者は売却します。売却が続けば、資金の流入がなくなり投資信託は身動きが出来なくなります。更なる売却が発生します。
上場していない投資信託は、もっと状況が悪いでしょう。
解約が続けば、資産規模は減少し株価の下落が更に価値を減少します。
解散を決めた投資信託も、ぼちぼち出てきています。
更には、超大口の長期運用資金。オイルマネーやノルウェーの年金などです。当然、NY株の値動きが不安定になれば運用資産の一部を現金化するでしょう。アメリカ国内の各種年金基金も同じように行動するでしょう。ファンド・マネージャーは日本と違い、きびしく責任を追及されます。
それらが、全部売り要因になります。
一方で、新規の資金の流入が乏しければ買い手は少ないか不在になります。
以上が、NYマーケットで起きている現実です。
何故？あれほどに下落するのか？
理由は非常に簡単です。
売りたい人が沢山いるのに、買いたい人がほとんどいないからです。負のスパイラルが発生しそれが続きます。
長期の運用資金は、どれも規模が大きく簡単には投資の方針を変更しません。しかし、変更したなら変更した通りに投資行動をとります。巨大であるだけに小回りが利かないのです。売ると決めたなら、決めた分量を「売り切り」ます。
これらは、どこの国のマーケットでも同じです。
「いなりさん」からご指摘がありました。
日本の個人投資家です。
これまでは、押し目買いで利益を得られたと思います。
東京市場でも押し目買いで利益を得られる機会は、少なくなっています。
それは、東京市場の値動きを見れば明らかです。
今では、２７０００円のところで上昇が止まります。
利益確定のチャンスは、ほとんどありません。
だから含み損が、増え続けます。
やがては、投げ売りとなり徐々に株式市場から距離を置くようになります。
新規の投資信託の設定も大体、終わっているでしょう。
買い手は日銀だけになりかねません。
年金は、資金の総枠が決まっています。
むしろ今は、更なる下落に備え資金枠を空ける動きをしているのではないか？と思います。
年金の運用は、ほぼ決まったパターンがあり下落したら買い、上昇したら売ります。上昇しなければ、戻りを売るでしょう。年金は資産運用のプロを雇っていると思います。
昔のように買ったら、あとは放置するような馬鹿げた運用はしません。
東京市場も徐々に買い手が減少していると思います。それは、指標の価格に明確に現れています。
買い手が更に減る可能性は、大きいと考えておくべきでしょう。
投資信託の購入者だって、含み損が大きくなれば解約するでしょう。これも売り圧力です。
上にはあまり上がらず、下に下がりやすい理由です。
買い手は減りつつあり、売りたい人は増えつつある。
指標の値段の示していることは、簡単な事実です。
今日の東京市場は、戻りを試す展開が期待されましたが？
前日比、多少のプラスで１０時現在上昇する傾向はみられません。N225の日足チャートを見るなら今日はある程度上昇するパターンです。
そうならなければ、昨日の安値が本当の株価であったことになります。また、NY市場の動向もあります。昨日は下げ一服でしたが、下げ止まる気配はありません。
S&P５００は、レッドラインに接近しています。
いつ五月雨式の売りが始まるか分からない状況です。
不安材料には、事欠きませんが？
良い見通しは、私には見えません。
☆と、思っていたら東京市場は買い優勢となり上げ幅を拡大中です。昨日のN225の日足の示す通りの値動きとなり今日は、上昇のようです。
どうやら、目先のショートの踏み上げを誘発したようです。しかし、昨日と言い？今日と言い？
下がったり、上がったり忙しい事です。
昨日は安値２６１５０円で、今日は高値２６７００円に挑戦中。付き合いきれません。
投げ売りと踏み上げが、日替わりで来る相場が正常でないことは確かです。
