「北の山・じろう」時事問題などの日記

 ☆今は、無きブログのタイトル☆ 『取り残された福島県民が伝えたいこと』 管理者名 「取り残された福島県民」 当時のURL>http://ameblo.jp/j-wave024/

「2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発」<BLOGOS<岡田直樹(7)~(9)

★全文転載

「2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発」<BLOGOS<岡田直樹(7)~(9)

 記述者のブログ

Space of ishtarist
2011年6月25日土曜日
2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発
http://ishtarist.blogspot.jp/2011/06/20113203.html

 

 BLOGUSから
「2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発」
2011年07月02日08時31分
岡田直樹 プロフィール
京都大学大学院 人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。
専門は社会哲学・社会システム理論
旧URL
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=2
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=3
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=4
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=5
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=6
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=7
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=8
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=9
http://news.livedoor.com/article/detail/5763592/?p=10

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=1

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=2

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=3

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=4

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=5

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=6

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=7

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=8

http://blogos.com/article/20777/?axis=&p=9

(7)

この声明が、3号機での異常事態の進行にあわせて発表されました。これが、ドライベントを前提としたものなのか、それともドライベントが不可能であること から、格納容器内での爆発的事象の回避が不可能であると彼らが考えたために発表したものなのか、そこは定かではありません。実際のところ、判断するための 材料の一つは、午前4時半から10時までのパラメータの詳細な動きがわかれば、ウェットベントに限界があったのかどうかなど、もう少し具体的な判断材料が はっきりするのですが、この間ちょうど5時間以上も、データが欠落しています。そして、官邸資料には

08:00 3号機に関し、炉内の温度が三百数十度になっており、炉圧が高くなっている

と記述があります。これは、この時点でデータ採取がなされていた証拠であり、そのデータを(未発表の温度データも含めて)未だ東電は発表していないという ことになります。だとすれば、この午前8時時点でも、隠蔽せざるを得ない異常な事態がすでに発生していた、という推測が可能かもしれません。

そして、午前9:55から11:00にかけて、4回もデータ採取を行っています。そして、この時、原子炉圧力のパラメータが、二つとも、微増源を繰り返しているのが気になります。

image

図19 3/20 原子炉圧力の推移詳細



これは想像に過ぎませんが、10-11時の間にドライベントを試みたが、それが失敗に終わったことを示しているのかもしれません。その時点で、格納容器内 の爆発的事象は時間の問題となったため、11時30分に官邸が「雨に濡れないように」という主旨の声明を出した、このように考えることもできるのではない でしょうか。

image

図20 東電修正後パラメータ抜粋

その後おそらく、15時から圧力容器圧力・格納容器圧力は急降下を始めます。15時で0.155Mpaあった原子炉圧力(A)は、19:40には 0.095Mpaに、格納容器圧力は0.189MPaから0.124MPaにまで下降しました。先に述べたように、この時点で格納容器に損傷があったと考 えるのが妥当ならば、おそらくは格納容器内で爆発があったのではないかと推測できます。

21時30分からの1000トンの放水は、この圧力低下を受けて行われたものでしょうか?爆発的事象が15時前後であると推定するなら、これは遅すぎる対 応である気もします。しかし、19:40分から3回、10分刻みで測定していることを考慮すると、彼らはこのときに初めて、圧力低下が注水の結果ではな く、格納容器・圧力容器の破損が原因であると気づいたのかもしれません。(パラメータの値だけではなく、データ測定の頻度や欠落もまた、重要なメタデータ です。)あるいは、発表されていないデータで、20時以降に原子炉圧力計(A)が急激に上昇し、それが放水のきっかけになったという可能性も否定はできま せん。

いずれにしても、事実として確実に言えることは、21時30分から翌3時58分まで、異例の長時間にわたって1000トン以上の放水が 行われたこと、このときすでに格納容器が破損していたこと、そして放水の間、原子炉圧力計(A)が11MPaを超える異常値を示したことです。この放水には、2つの意味があったと考えられます。一つは、格納容器・圧力容器の温度低下・圧力低下を目的としていたということ。もう一つは、放水によって、放射性物質の空気中への飛散をできる限り抑えようとした、という目的です。

21日4:00にデータ採取を行ったところ、原子炉圧力計(A)は、ほぼ正常値である0.202MPaまで下がっています。この間隔の短さからすると、 3:58の放水終了後すぐにデータ採取を行ったというよりは、むしろ放水を一時中断してパラメータを測定したところ、ほぼ正常値まで下がっていたため、そ れをもって放水終了とした、と推測する方が妥当でしょう。すなわち、この時点までに圧力容器が完全に損壊し、圧力容器内の放射性物質放出は止んだ、と東電 は判断したのではな

いかと思われます。

 

(8)

ところで、海江田経産相が、東京消防庁に対して長時間の放水を強要し、「速やかにやらなければ処分する」と恫喝まがいのことを言ったとして、21日に石原都知事が菅首相に抗議を行った、と報道されています(読売新聞 22日)。 ちなみに、21日の官邸資料によれば東京消防庁が長時間放水を行ったのは、19日の14:05-翌3:40と、いま私たちが問題にしている20日 21:30-翌3:58の二回なので、この発言が、どちらの放水の時に行われたのかは判然としません。読売新聞によれば、13時間連続放水と言われている ため、19日に開始した放水の方と解釈できます。

ところが、より情報ソースに近い猪瀬副都知事のブログ記事「福島原発の放水活動で東京消防報告。今後の教訓にしたいこと。」には、次のような記述があります。

○ 本部は原発の現場より20km離れたところに前線指揮所が設置されている。
(中略)
○ 現場を知らない本部の人達から、東京消防庁が現場で判断した方針を変更するよう度々要求された。
・ 放水は当初4時間の予定だった。その後状況を勘案し、必要に応じ再度放水することにしていた。しかし、連続して7時間放水し続けるよう執拗に要求された。 結果として、7時間放水することになったが、そのため2台ある放水塔車のうち1台がディーゼルエンジンの焼き付きにより使用不能となった。
東京消防庁にて海から放水塔車までの給水ホースの設置ルートを800メートルの最短距離で、設定していたが、遠回りにするように執拗に要求された。
・「俺たちの指示に従えないのなら、お前らやめさせてやる」の発言もあった。
○ 職員の命を預かる隊長としては、現場をわかっていない人達に職員の命を預けるわけにはいかない。

当初4時間の予定であった放水が、連続7時間の放水になったと副都知事は述べているわけですが、それは20日21:30に放水を開始しながら、翌 1:25、1:45、2:30、4:00とパラメータ測定を行いながら、原子炉圧力計(A)がほぼ正常値に戻るまで放水を続けたという私たちの想像と、ほ ぼ一致します。ならば、逆に言えば、放水塔車のディーゼルエンジンを破壊し、また経産大臣が直々に現場作業員に対して恫喝を行いながらも、それでもなお放水を行わねばならない深刻な事情があった、そしてそれについて、東京消防庁や東京都には知らされていない、という推測が成り立つでしょう。

逆に、ごく常識的に考えて、東電・政府は東京消防庁の現場の職員に、今3号機のパラメータと炉心で進行していると思われる事態を説明する必要がないため、 現場の作業員としては「現場をわかってない人たちに不可解で、かつ実行に無理がある指示をされた」という憤りを感じることは必然です。

ともあれ、この、おそらくは確度が高いと思われる推測が意味するものは、非常に大きい。なぜなら、このとき東電ばかりでなく、経産大臣をはじめとした菅政権の中枢部分が、3号機で起きていた異常事態を周知していたということを意味しているからです。

さて、3/21の14:30に、事故後初めての海水サンプリング調査を東電は実施したことは、みなさんご記憶の通りです。東電の発表によると、その調査によって基準値を大幅に上回るI-131、Cs-134、Cs-137が検出されました。

image

図21 東電発表 3/21 海水サンプリング核種分析

なぜ、この時期になって初めて東電は海水サンプリング調査を行ったのか。それは、3号機からの放射性物質の放出を防ぐために放水した大量の水の一部が、おそらく海に流れ込んだからだ、と考えれば辻褄が合います。

また、3月27日の時事通信によると、21・22日に東電は福島第一原発敷地内の土壌を採取して、プルトニウムの検出検査を行ったことも、20日にMOX燃料を使用している3号機の格納容器内で爆発があったと考えると符合します。そして実際に、28日の東電の発表によると、プルトニウム238、239、240が検出されました(3月29日 読売新聞)。これも、3号機格納容器が爆発したことの有力な証拠になるでしょう。

3号機の話に戻ると、21日15時から灰色の煙が放出されていることが確認されました。23日の官邸資料(削除済み)から引用します。

15:55 3号機に関し、灰色の煙が噴出(調査中)
16:49 3号機の煙に関し、煙量に変更はないが、灰色から白色に変化
18:02 3号機に煙に関し、沈静化を確認

image

図22 3/21 3号機の煙の様子 共同通信 東京電力提供



また、この煙について、sponichiの記事では次のように書かれています。

東京電力によると、21日午後3時55分ごろ、3号機の原子炉建屋屋上の南東側から煙が上がっているとの連絡があった。煙は黒色で、時折灰色に変わりなが ら減少。6時ごろに収まった。煙の発生場所は使用済み燃料プールの上側。放水作業のため正門近くにいた東京消防庁の部隊は約20キロ離れた指揮本部に退 避。安全が確認されるまで放水活動を中止する。東電の作業員も避難し、復旧へ向けた作業は1日程度足踏みする見通しとなった。

原子炉の構造を考えれば、使用済み燃料プール上側ということは、原子炉の上側ということになります。そして、この煙がどういうものかははっきりとはわかり ませんが、官邸資料にあるように、灰色から白色に変化したということは、水蒸気が混じっているであろうことは推測できます。

 

(9)

さて、この煙は、以前に述べたように、非常に謎が多いものです。まず第一に、なぜ煙の原因は現在まで特定できなかったのか第二に、なぜ東電は消火活動を行わなかったのか。しかも、放水活動を行う準備ができている東京消防庁の部隊が、現場付近にいるにも関わらず。第三に、「3号機の原子炉圧力容器および原子炉格納容器のパラメータ、周辺環境のモニタリング値に大きな変動」はみられない(東電発表より)としながらも、なぜ作業員は退避したのか。さらに東京消防庁の部隊は、なぜ煙が出ているのを見ながらも、20kmも退避したのか。

こうしたことを総合すると、この煙が通常の火事では決してないということを、東電が熟知していたということを示唆している、としか私には思えません。

では、反対方向から推論してみましょう。私たちは、すでに3号機格納容器と圧力容器が破損していることを、パラメータから確認しました。その時の原子炉内の温度は発表されていないものの、原子力安全・保安院のデータによると、3月23日4:00の圧力容器底部の温度は253度もあり、かつ内部に水分が存在するため、多かれ少なかれ原子炉から水蒸気が放出されるこ