食品の調理・加工による放射性物質の除去{古性隆の 陽はまた昇る 第2幕:常総維新}
古性隆の 陽はまた昇る 第2幕:常総維新
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2011年09月02日 00:01
食品の調理・加工による放射性物質の除去
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この記事は、放射能が安全だと信じている方むけの情報ではございません。
放射能は危険だ、放射能のことが心配だ、恐ろしいと思われている方むけに書いている。
自分は対象外だなと思われる方は、どうぞこのページを閉じて下さい。
私たちが日々口に入れる食べ物がどれだけ放射能に汚染されているか、心配な方も多いはずだ。
国は一応検査をしているが、とてもとてもサンプル数が少なくて、「安全だ」と宣言されても、自分が口にするものが本当に安全なのかどうか不安で一杯だという方も多いことだろう。
放射能で汚染されている可能性があるものは口にしたくないと考える方も多いだろうが、現実問題として安全だと思って購入した物も、悲しいかな、汚染されている可能性があるのだ。
このような現実の前では、「ほとんどの食材が放射能に汚染されている。」と考えて対応していた方が、リスク回避の面からは宜しいのではないかと考える。
食べ物の原材料は、大抵の場合、お店で購入してきた後、洗浄や煮沸などの調理をした後、食膳に上がることが多い。
直感的に、皆さんも食品加工や家庭調理によって原材料の放射性物質の量は多少なりとも減少するのではないかと考えられるだろう。
実際、その通り、多少減少すると言うことが既往の研究(福島原発事故以前の研究)で明らかになっている。
これらの研究を取りまとめたものが、1994年(平成6年)3月31日刊行の『環境パラメータ・シリーズ4 食品の調理・加工による放射性核種の除去率』(財団法人原子力環境整備センター)である。
福島原発以前に発行されたものだということで、信頼できる資料の1つであるのではなかろうかと私は思う。
「いや、そうは思わないよ。」という方は以下は読まずに、このサイトから「さようなら」してください。
本刊行物に、放射性物質の各種食品からの除去の傾向が記されている。
もしかしたら参考になるかもしれないので、下表に取りまとめ、紹介させて頂く。
種類 | 食品名 | 内 容 |
穀物 | 米 | 玄米を精米して白米にする際のストロンチウム-90の除去率は70%、あるいは80~90%である。 白米をとぐ(水洗)とストロンチウム-90が50%除去される。 セシウム-137については、精米すると65%が除去される。 なお、精米することによりカルシウム、リン、鉄、マグネシウム、カリウムが玄米の50~70%失われる。(以上日本の研究成果) |
ストロンチウム-90は籾の分離によって50%除去され、さらに精米して白米にすると60%除去される。 つまり、収穫脱穀された状態の約20%のストロンチウム-90が白米に残っている。(以上欧州の研究成果) |
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小麦 | セシウム-137、ストロンチウム-90、マンガン-54、コバルト-60は製粉によって20~50%除去される。 | |
果菜 | きゅうり なす |
水洗すると放射性降下物ストロンチウム-90の50~60%を除去できる。 |
きゅうり | 小さいきゅうりは、酢漬け(ピクルス)によって放射性降下物の90%が除去される。 | |
グリーンピース | 酢による洗浄と煮沸処理(あく抜き)でストロンチウムの70%、セシウムの50%が除去される。 | |
葉菜 | ホウレンソウ シュンギク |
煮沸(あく抜き)によって、セシウム、ヨウ素、ルテニウムの50~80%が除去される。 |
キャベツ レタス |
酸漬けによりストロンチウム-90は30~60%除去される。 | |
畜産物 | 牛乳 | 牛乳のストロンチウム、セシウム、ヨウ素の80%は脱脂乳に移り、精製したバターへの移行はわずか1~4%である。 脱脂乳を処理して得たチーズ(酸処理)には2~6%移り、放射性物質の大部分はホエー(乳清)に残る。 つまり、牛乳の加工工程において、放射性物質のバターや酸凝固チーズへの移行は少なく、ホエーに集まる傾向にある。 厄介なことに、このホエーは捨てられずに乳清飲料やパン、菓子等への添加物として食用に供される。 大規模な事故対策としては、ホエーの乳幼児用食品への一般的な利用制限も被曝低減に役立つかと考えられる。 |
水産物 | 魚 | 放射性物質は概して魚の内臓に集まる。 内臓を取り除くことにより大幅に放射能が減少する。 魚肉の放射性物質は、調理における水洗や煮沸によって減少することが知られている。キワダマグロの魚肉を水浸出すると50%の放射能が除去される。 |
貝 エビ |
ストロンチウム-90は水洗で10~30%、3%食塩水で30~70%除去される。 | |
カワマス | セシウム-137は煮沸調理によって50%除去される。 |
上記はすべて『環境パラメータ・シリーズ4 食品の調理・加工による放射性核種の除去率』(財団法人原子力環境整備センター)に書かれていることである。
私が勝手に作ったものでないことをあえてここに記しておきたい。
(御不明点、ご不満等は、財団法人原子力環境整備センターに問い合わせて頂きたい。)
どの家庭でも調理の際している方法で放射性物質をかなり低減できるようだ。
少し念入りにすれば、より安心感が増すのではなかろうか。
ただ、各家庭で念入りに行えば、放射性物質は下水処理場へと流れていくことになる。
放射性物質はなくなるのではなく、移動するだけだということをよくわきまえておく必要があろう。半減期によって量が半分にはなっていくが、ゼロにはならない。
あぁ、それにしても、もっと早くこの資料と出会っていれば、皆さんにもっと早くお伝えできたのにと悔しくてたまらない。
小さいお子さんの内部被曝をより低くすることに、もしかしたら貢献できたかもしれないのになぁ・・・と残念でならない。
それにしてもなんでこういう家庭でできる除去方法を国民に十分知らせないのだろう。
食べ物は汚染されていない、大丈夫だと国はしているので、このことを国民に周知徹底すると自己矛盾を起こすからだろうか・・・。
国民を被曝から守ることに徹するのが国の使命だと思うのだが・・・、どうもそのようにはいっていないようだ。
日本では、現在のところ、ヨウ素とセシウムしかデータが公表されていない。
でも、放射性物質はヨウ素とセシウムだけではない。上表にも示したように色々なものが存在する。
福島原発事故で放出された放射性物質は、原子力安全・保安院が炉心の状態に関する評価を行った際用いたデータに よれば、ヨウ素-131,132,133,135、セシウム-134,137、ストロンチウム-89,90、プルトニウム -238,239,240,241、バリウム-140、キセノン-133、テルル-127m,129m,131m,132、ルテニウム-103,106、 ジルコニウム-95、キュリウム-242、モリブデン-99、・・・・。
まだまだたくさんあるが、ヨウ素とセシウム以外は一体どうなってしまったというのか・・・。
国民は騙されてはいけないと思う。