沿岸部がより危険!原発が危ない!この夏、爆弾低気圧が日本を襲う!(フライデー)
★「これ」が福島第1原発を襲ったら、どうなるのでしょう???
「現代ビジネス」から全文引用
2012年06月16日(土) フライデー
沿岸部がより危険!原発が危ない!この夏、爆弾低気圧が日本を襲う!
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5月6日、茨城県つくば市平沢地区で撮影された巨大竜巻。大粒の雨が降った後、轟音とともに時速70kmもの速さで住宅地を襲った。左小写真は、竜巻発生直後の様子。車がひっくり返り、団地も壊滅的な被害に遭った
警鐘レポート 5月に列島で発生したカミナリは実に72万回! 巨大積乱雲「スーパーセル」が引き起こす〝殺人気象〟の恐怖
「こんな竜巻は今まで見たことがない」
5月27日、茨城県つくば市で開かれた調査研究報告会で、気象学の専門家である防衛大学校地球海洋学科の小林文明教授が語った言葉だ。専門家でさえ、驚きを隠さない巨大竜巻が起こったのは、5月6日のことだった。
関東を中心に甚大な被害が発生し、特に被害が大きかった茨城県と栃木県では、合わせて約890棟が損壊。中学3年の男子生徒が死亡し、46人の負 傷者が出た。他県の被災分も合わせると、複数襲った竜巻とカミナリで死者2名、負傷者55名、家屋900棟が損壊という被害が出ている。
茨城県つくば市北条地区に住む長島俊さん(62)は、巨大竜巻に襲われた恐怖体験をこう語る。
「部屋で寛いでいたら、突然ゴーッという凄まじい音が聞こえてきました。庭を見ると、植木のザクロが上から押さえつけられるように弓なりになって、 地面に押しつけられている。何事かと思った瞬間、バーンと大きな音がして家の南側の窓ガラスが全部割れたんです。突風が家の中を吹き抜け、天井がバリバリ と剝がれて飛んでいきました。時間にしたら1分もなかったと思います」
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この巨大竜巻は、もちろん観測史上最大規模。発生源は「スーパーセル」と呼ばれる巨大な積乱雲(入道雲)であった。
スーパーセルが発生するメカニズムについては後述するが、このような巨大雲がもたらした〝天災〟は竜巻だけではない。今年5月の落雷発生件数は約 72万回で前年同月の実に7倍に上り、5月6日には宮城県仙台市内で激しい雷雨と雹が降った。さらに10日には横浜市、18日には東京・調布市と、列島が 立て続けに雹害に見舞われたのだ。
恐怖の雲「スーパーセル」
梅雨にはまだ一足早いこの時期に、国内最大級の〝殺人竜巻〟や豪雨、雹などが相次いで発生した原因は何か。気象学を研究する、酪農学園大学環境システム学部の馬場賢治准教授はこう解説する。
「西から東に吹く偏西風に乗って大陸側から張り出してきた強い寒気と、南方からやってきた暖気が重なって『下が暖かくて上が冷たい』という非常に不安定な気象状況が生じました。その結果、『爆弾低気圧』と呼ばれる、短時間で急速に発達する低気圧が生まれたのです」
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5月6日、竜巻発生直後に撮られた衛星赤外画像。茨城県上空を覆う雲が真っ白なのは、それだけ雲に厚さがあることを示している
この爆弾低気圧こそが、最近の〝殺人気象〟の原因であると馬場氏は指摘する。爆弾という言葉を冠するほど危険で不安定な低気圧は、まさに初夏から夏にかけて非常に起こりやすいという。
具体的に〝殺人竜巻〟が発生した日の気象状況を振り返ってみよう。馬場氏が「下が暖かくて上が冷たい」と解説しているとおり、当日のつくば市の最 高気温は25・8℃。これは6月下旬並みの気温だ。低空の軽くて暖かい空気は、温度差の大きい上空の寒気に向かって勢いよく上昇し、その結果生まれたのが 積乱雲である。積乱雲は数kmから10km程度の厚さ(高さ)で発達を止めるのが通例だが、この時の気象状況下では厚さ約15kmほどまで巨大化したとさ れている。これが、関東各地に甚大な被害をもたらした「スーパーセル」の正体だ。爆弾低気圧がスーパーセルを生じさせ、結果、巨大竜巻や雷雨がゲリラ的に 発生する。これが昨今の異常気象のメカニズムである。さらに、気候学が専門の帝京大学・三上岳彦教授は「地球温暖化」も原因として看過できないと指摘す る。
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5月10日に横浜市内を襲った雹。一時周囲が真っ白になるほど降り、腕に当たると鋭い痛みが走ったという
「ここ30年、地球上の温度は上がり続けています。現在すでに起こっていることですが、温暖化によって北極海の氷が解けると、海水が太陽熱を吸収し やすくなります。海水の塩分濃度や温度も変わり、大気と海洋の熱のバランスが崩れて、北極上空を流れている偏西風が異常な蛇行をするようになるのです。こ の先50年後、100年後とさらに温暖化は進んでいくでしょうが、その時の気象状況は想像もつかないものになっていると思います」
気象評論家の増田善信氏が論を継ぐ。
「地球が温暖化するということは、地表付近が暖まり、その分、上空との温度差はより拡大していくということなのです。この傾向は地球全体で進んでいるので、基本的には日本のどの地域でも爆弾低気圧が発生し、竜巻や集中豪雨が発生する可能性があります」
また、増田氏はこう驚きを口にする。
「爆弾低気圧は、私が気象学を研究し始めた50年前には極めて珍しいものでしたが、最近では頻繁に発生しています。竜巻については、特に梅雨前線が活発になる6〜7月は発生しやすくなるので、これからが注意が必要なのです」
原発を巨大竜巻が襲う恐怖
日本のどの地域でも爆弾低気圧が発生する恐れがあるなら、都市部を巨大竜巻が襲うことも十分考えられる。
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北条地区の稲葉由美子さん(65)宅。竜巻に吹き飛ばされた屋根部分にはブルーシートが張られ、被害の凄まじさを物語る
「都心も警戒が必要ですが、特に気をつけなければいけない場所は、風が集まりやすい沿岸部、それも岬などです。そのような場所に急に暖かい空気が流 れたりすると、爆弾低気圧がより生まれやすくなる。地域でいえば、静岡県はそうした場所が非常に多い。例えば浜名湖の温度は、県内の他の陸地と比べてかな り低く、そこに急激に暖気が流れ込むと、爆弾低気圧の発生リスクは飛躍的に増します」(前出・増田氏)
浜名湖は浜松市と湖西市にまたがっており、浜松市から東に約50kmのところには浜岡原発(御前崎市)がある。同原発は言うに及ばず、全国の原発 は例外なく沿岸部に位置しているため、竜巻被害に遭うリスクが高いのだ。万が一、巨大竜巻の直撃を受け、電源が失われでもしたら・・・・・・。福島第一原 発レベルの事故が再び起こりかねないのである。
また、竜巻を予測することの難しさも問題として挙げられる。事実、気象庁が発令する竜巻注意情報の的中率は現在わずか1%に留まっているのだ。
〝気まぐれ〟とも言える恐怖の低気圧に怯える夏が、刻々と迫りつつある。
「フライデー」2012年6月22日号より
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