危機管理 日本3大頓珍漢は東電、千原せいじ、菅直人と専門家(ZAKZAK)
「ZAKZAK」から全文引用
危機管理 日本3大頓珍漢は東電、千原せいじ、菅直人と専門家
2012.06.20
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120620/dms1206201600019-n1.htm
危機管理は、他者の事例を疑似体験することによって向上する。そして、テレビに映し出される記者会見やコメントは、実は反面教師ばかりだと危機管理専門家でリスク・ヘッジ代表の田中辰巳氏は指摘する。これら反面教師はどんな参考になるのか。以下は、田中氏の解説である。
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頓珍漢(とんちんかん)とは、鍛冶屋の相槌の音が揃わない状態に例えて、つじつまの合わない間の抜けた発言および人のことを差す。危機管理においても、しばしば登場して事態を悪化させてしまう。
東京電力のお客様本部の島田保之執行役員は、5月末頃からテレビに出演して、「従業員5000人以上の企業と比較して、現在の東京電力の社員の給与は高くない」という趣旨のフリップを示して、電気料金の値上げに理解を求めていた。
この画面を見た私は唖然としてしまった。経営破綻を目前にした企業の経営者が、従業員5000人以上の企業と自社の給与を比較しているのだから。しかも、 経営破綻を避けるために投入される公的資金は国民の税金であり、その国民に電気料金の値上げという負担を無心するとは。まさに抱き上げてくれた命の恩人の 懐から、財布を奪うようなものだ。
頓珍漢以外の何者でもない。
この有様では、東京電力の国民からの信頼回復はとうてい望めないだろう。
お笑いコンビ次長課長の河本準一さんの母親が、生活保護を受給していた問題にからんで、同じ吉本興業に所属する千原せいじさんが呆れた発言をした。河本さ んの母親の生活保護受給を告発した片山さつき議員について、「旦那さんが結構でかい会社を潰してた」とテレビ番組で言い放ったという。
すなわち、暗に片山さつき議員を批判して、河本準一さんを擁護してみせたのである。これを知った私は唖然としてしまった。そんなことをしたら、河本準一さんへの風当たりが強くなるだけだ、と思ったからである。
可愛い腕白息子の投げたボールが、隣家の窓硝子に当たって割れたとき、賢明な親は息子を擁護するような発言はしない。「息子はわざとぶつけたのではない」 などとは言わず、隣家の主人の目の前で息子を怒鳴りつけるだろう。あるいは息子にゲンコツをくらわせてまで、相手の怒りを鎮めようとするに違いない。可愛 い息子を守るために。
それと比較すると、千原せいじさんの発言は頓珍漢と言わざるを得ないだろう。
菅直人前首相は6月10日の自身のブログで、国会の(福島原発)事故調査委員会を批判した。「一方的な解釈と言わざるを得ない」と。『過剰介入』と指摘されたことについても、「そうせざるを得なかったのが現実」と言い訳にしか聞こえない反論をした。
この新聞報道を読んだ私は唖然としてしまった。事故調査委員会は黒川清東京大学名誉教授を委員長とし、ノーベル賞を受賞した田中耕一さんらの学者を中心とした9人の委員からなる。この客観的な調査結果を否定したのだから。
一方で、得心がいく思いもした。誰の意見にも耳を傾けずに、自分だけが正しいという姿勢は、事故当時も現在も同じなのだ、と。
自身のブログで自己の正当性を主張するなど、まさに頓珍漢そのものだ。評価というものは、他人にしてもらってこそ意味があるもの。自身で自分を高く評価したら、他人から高く評価されにくくなることをご存知ないらしい。
危機管理は、他者の事例を疑似体験することによって向上する。東・千・菅の三者は、我々に頓珍漢の弊害を示してくれた。反面教師として参考にして、自分ならどんな言動をするのかを、是非とも疑似体験して頂きたい。
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