「北の山・じろう」時事問題などの日記

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時事寸評 ストロンチウムの検出と反社会的報道{武田邦彦}

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時事寸評 ストロンチウムの検出と反社会的報道

武田邦彦 http://takedanet.com/2012/07/post_ef9e.html 「jijisunnpyousr90tdyno.199-(5:41).mp3」をダウンロード 昨 年3月、4月に測定されたストロンチウムの汚染がそれから1年3ヶ月ほどたった2012年7月に発表された。発表された値について、長く「被曝の危険性」 を報道していた朝日新聞は一転して「大気圏核実験より少なく、チェルノブイリなみだから大丈夫」という記事を出した(2012年7月14日朝日新聞デジタ ル)。 こ の記事には科学的に3つの錯誤がある。第一の錯誤は、「大気圏核実験より低い」ということが「安全だ」という結論になっているが、大気圏核実験による被曝 が健康に問題がなかったという証明はない。当時の発がんの大半が大気圏核実験である可能性を残している.だから「核実験の時より低いから安全」という結論 はまったく科学ではない。 第二の錯誤は、「ストロンチウム90の危険から国民を守る法規」について言及していないことだ.これは原発事故以来、政府が終始一貫、とっている政策だが、マスコミが政府に唯々諾々と従っているわけではないと思う.ストロンチウムの規制値は厳然として存在する. 政 府は放射性物質について法規とその精神によって国民を保護しなければならないし、マスコミは法治国家として報道するべきである.法規を無視した発表や報道 は反社会的である.暴力団などの反社会的団体がなぜ「反社会的」であるかというと、国民が合意した法規と法規の精神に反した行動を取るからだ。 第 三の錯誤は、測定点が少ないときに、それが日本の全体の汚染を示してもいないし、もっと高い測定値がある可能性が高いことに言及しておかなければならな い。とくにもっとも汚染されていると考えられる福島の測定値がないのだから、新聞として言及しないのは故意と勘ぐられても仕方が無く、この記事によって被 曝する人がでる可能性もあることから、報道としてはやや犯罪的とも言える. 第二に、測定結果が1年以上も遅れたこと、もっとも数値が必要な福島県の数値がないことについて、文科省は「福島県の測定器が壊れている.ストロンチウムよりセシウムヨウ素の測定を優先した」とコメントしている. こ のことも2つの科学的ではなく、反社会的な内容を含んでいる.まず第一に「土壌の汚染度を測定するのは、福島にある測定器出なくても良い」ということだ。 測定するものを運搬してしかるべきところで測定するのは当然である.最も汚染された福島のものを最優先で測定するのは当然である.たとえばインフルエンザ が流行したときに、流行していないところを測定しても意味が無い。 第 二に、ストロンチウムの測定は核分裂してできるイットリウムと平衡になるのに2週間、さらに操作が必要で、全体で1ヶ月半程度かかるが、1年も時間を要す るものではない。またセシウムとともに原子炉中に6%も存在するストロンチウムであるから、多くの地点を測定しなければならない。 いずれにしても「国民を被曝の危険に晒す」、「自ら法規の精神に反する反社会的な報道を続ける」という点で、誠実ではない。 (平成24年7月26日) (ストロンチウム90の分析に要する日数を読者の方のご指摘で修正しています) 武田邦彦 « 人生の節目・衝撃の一言;私は防護服なのに、彼は普通の格好をしているのです! | | 主催者発表と警察発表だけを報じるマスコミ » [トップページへ戻る]http://takedanet.com/> [○○○○ エネルギー・原発・環境・美術] (C)武田邦彦 (中部大学) 引用はご自由にどうぞ ☆ホームページのご案内 ニュースだけのページ http://sites.google.com/site/japan20120418news/ 福島第一原発事故と日本の原子力産業問題の情報室(北の山じろう) https://sites.google.com/site/kitanoyamajirou/ 福島原発事故がもたらす放射能による環境汚染と健康被害の情報室 https://sites.google.com/site/ennpatujikonohousyanouhigai/