「北の山・じろう」時事問題などの日記

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原爆の日 「非核」を進める礎に<信濃毎日新聞

信濃毎日新聞
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[社説] 原爆の日 「非核」を進める礎に
08月06日(月)
http://www.shinmai.co.jp/news/20120806/KT120804ETI090005000.php
(全文引用)

 広島は67回目の原爆の日を迎えた。9日は長崎だ。上空でさく裂した原子爆弾が都市を破壊し、多くの人の命を奪った。今なお後遺症に苦しむ人たちもいる。被爆者に思いを寄せ、非核の誓いを新たにするときだ。

 原子力の「平和利用」についても考え直したい。核兵器製造の技術を潜在的に持ち続ける手だてとして、原発の必要性を唱える声が一部にある。

 政府は「脱原発依存」を掲げる一方、再稼働を強行した。潜在的な核抑止力として持ち続けたいのでは―。疑いの目を向けられるようだと、非核の取り組みに水を差す。被爆国として、核との向き合い方があらためて問われている。

<「安全保障」の波紋>

 原子力利用をめぐって最近、見過ごせない動きがあった。原子力基本法の改正だ。2条にある「安全の確保」に関連し、「わが国の安全保障に資する」という表現を含む一文が加えられている。

 国防のための原子力利用、核兵器保有への布石と受け取られかねない。国内外に批判や警戒感が広がったのは当然である。

 福島第1原発事故を受けた原子力規制委員会設置法の成立に伴う改正だ。民主、自民、公明3党の合意に基づく設置法案に、付則として盛られていた。国会での審議は4日間だった。

 基本法は、研究や利用を進めるための枠組みを定めた「原子力の憲法」だ。被爆国の立場から原子力利用を「平和目的」に限定している。その基本原則を転換するかのような条文が、十分な議論もないまま、書き加えられた。

 細野豪志環境相は国会で「核不拡散や核テロ対策の観点から加えられた文言」と説明し、核兵器保有の意図はないとした。そうであれば、不用意と言うほかない。誤解を招く表現は削るべきだ。

<被爆国だからこそ>

 原子力の平和利用と軍事利用は表裏一体の関係にある。今回の基本法改正で、目を向けなくてはならない点だ。

 原発用の核燃料を製造する技術は、核兵器製造に応用できる。天然ウランにわずかしか含まれないウラン235を濃縮すれば核燃料になる。さらに濃縮を進めると核兵器の原料ができる。

 日本は、プルトニウムも大量に保有している。使用済み核燃料に含まれ、核兵器の原料になるものだ。そうした中、しばしば核武装論が持ち上がる危うさがある。

 平和利用について、押さえておきたいことがもう一つある。反核感情を封じ込めるため、夢のエネルギーとして原発が推し進められてきた経緯だ。原子力の「陰」の側面を覆い隠すため、「陽」の側面が強調されてきた。

 福島の事故は原発も「陽」でないことを示した。命を脅かし、環境を汚染する放射能の危険性をあらためて思い知らされた。

 政府は原発輸出を成長戦略の柱の一つに位置付ける。新興国などで原発の需要は大きく、日本企業が原発技術で優位に立つことがある。とはいえ、日本が原発技術を持ち続けることが適切か。原爆の体験に加え、原発事故の深刻さを思うにつけ、考えさせられる。

 被爆国だからこそ、地震国だからこそ、原子力に頼らない国を目指す―。そんな選択がある。潜在的核抑止力への疑いを拭うことにもなる。代替エネルギーをどう確保するかなど課題は多い。国民的な議論を重ねたい。

<地道な取り組みを>

 世界に核廃絶を訴えていくことも日本の務めだ。

 今も約2万発の核弾頭が存在する。米国はロシアとともに核削減を進めるものの、オバマ大統領が提唱する「核兵器なき世界」への道のりはまだ遠い。一方では、イランや北朝鮮の核問題への対応が国際社会の課題になっている。

 広島、長崎の惨禍を繰り返してはならない―。その強い願いを込めて日本は、国際社会の中で非核の旗振り役を果たしていく必要がある。それが被爆者の思いに応えることにもなる。

 2015年には、5年に1度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれる。その準備委員会が今春、始まっている。日本は他の非核保有国と共同で一つの提案をした。保有国が核弾頭数などを報告するための書式案だ。

 前回の再検討会議の最終文書は核保有国に対し、削減状況を14年に報告するよう要請した。提案が各国に受け入れられ、報告に使われれば、情報開示を促せる。ささやかではあっても、一つ一つ取り組みを重ねることが大事だ。

 広島、長崎の平和式典には核保有国を含め、多くの国の代表が集まる。今回は、1945年に原爆投下を命じた当時のトルーマン米大統領の孫の男性も参加する。既に来日し、被爆者らとの座談会にも出席している。

 核兵器の非人道性を広く伝えていく上で、被爆地の人たちの声は重い。それぞれの式典が、世界に向けて核廃絶のメッセージを発信する場になることを願う。

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