福島第1原発「冷温停止」から1年…炉内把握なお困難、汚染水との闘い続く <MSN産経ニュース>
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福島第1原発「冷温停止」から1年…炉内把握なお困難、汚染水との闘い続く
2012.12.16 11:13 (1/2ページ)
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東京電力福島第1原発事故で、野田佳彦首相が原子炉の「冷温停止状態」を達成したとして“事故収束”を宣言してから、16日で丸1年になる。 30〜40年かかる廃炉作業には1日約3千人の作業員が従事している。ただ、高い放射線量の影響で炉内の正確な把握はいまだ困難な状況で、冷温停止を維持 するために増える汚染水との闘いも続いている。(原子力取材班)
タンクびっしり
事故直後に温度計上限の400度を超えた原子炉の温度は現在、約25〜40度にまで下がった。その冷温停止状態を支えているのが「循環注水冷却システム」だ。炉内に水を注入し、使用した水は放射性物質を取り除いた後、再び冷却水として利用する。
毎時17トンの水を注入するが、原子炉が損傷しているため、1日約400トンの水が原子炉建屋地下に流出、これに地下水も流入し汚染水はたまる一方だ。こ うした水は敷地内のタンクに保管するが、設置済みのタンクは計約800基で、総容量約27万トン分のうち残りは約4万トンだけ。タンク敷設のため森林を伐 採し用地を確保、今後2年間で約70万トン分を増設する予定だ。
汚染水を減らすための新装置の導入も急ぐ。セシウム1種だけしか除去できなかった装置に加え、放射性物質62種類の濃度を下げる能力がある多核種除去装置(アルプス)も年明けには本格稼働する見込み。
損傷状況分からず
1〜3号機から出る放射性物質の量は事故直後から、約8千万分の1に激減した。ただ、原子炉建屋の中は高線量の場所が多数あり、損傷状況も明確に分かっていない。
今年10月に内視鏡で撮影した1号機格納容器内の映像では、配管などがさびていたが汚染水が漏れだしている損傷箇所は見つからなかった。しかし、内部の放射線量は毎時約11シーベルト。1時間で死に至るレベルで、人が入って作業できる状態ではない。
2号機も今年3月の調査では毎時約73シーベルトで、内視鏡も十数時間で使い物にならなくなったほどだ。
原子炉内で調査や修理などができるロボットの開発も進むが、高い放射線量にさらされればロボットも壊れてしまう。
燃料取り出し課題
冷温停止宣言後に、国と東電は廃炉に向けた工程表を公表。工程表は3期に分かれており、(1)燃料貯蔵プールからの燃料取り出し開始(2年以内)(2)原子炉からの燃料取り出し開始(10年以内)(3)廃炉終了(30〜40年)−という計画だ。
細かな変更はあるものの、計画は現在のところ順調。特に、危険性が指摘されている4号機の燃料貯蔵プールでは、今年7月に2体の未使用燃料の試験的な取り 出しに成功した。残りの燃料についても、当初よりも1年前倒しして平成26年末には取り出しが完了できる見通しとなっている。
ただ、1〜4号機のプールには新燃料も含め約3100体の燃料がある。線量の高い使用済み燃料の取り出しには特に注意が必要だ。1、3号機のプールにはいまなお多くのがれきが積もっており、クレーンでの遠隔操作による作業は困難が予想される。
国会事故調委員長だった政策研究大学院大学の黒川清教授は「事故は今も継続しているという認識を持ち、独立した第三者によって厳しく監視されるべきである」と指摘している。
【用語解説】冷温停止
通常の原発では、原子炉内の温度が100度未満になり燃料が安定冷却できていることを指す。事故を起こした福島第1原発は原子炉が壊れ、溶融した燃料の状 態も分からなかった。このため政府は、(1)原子炉圧力容器下部の温度が100度以下(2)原発敷地境界の被曝線量が年1ミリシーベルト以下−の条件を満 たすことを「冷温停止状態」と定義した。
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