「北の山・じろう」時事問題などの日記

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福島第一原発 冷却停止の波紋<NHK NEWS WEB>

NHK NEWS WEB
トップページ>http://www3.nhk.or.jp/news/
福島第一原発 冷却停止の波紋
2013年(平成25年)3月22日 19時50分
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2013_0322.html
▼全文転載


事故から2年がたった東京電力福島第一原子力発電所。今週、大きなトラブルがありました。
原発で停電が起きて、使用済み燃料プールの冷却システムなど9つの設備が、最大29時間にわたって停止したのです。
核燃料が溶けるなど、すぐに危険が及ぶような事態ではありませんでしたが、事故から2年がたっても不安定な状態が続いていることを図らずも露呈しました。
今回のトラブルからどんな課題が浮かび上がったのか。科学文化部の花田英尋記者が解説します。

トラブルの経緯

トラブルが起きたのは、今月18日の午後7時前。福島第一原発事故の収束作業の拠点となっている免震重要棟で瞬間的に停電が発生しました。
同時に1号機と3号機、4号機の使用済み燃料プールや、敷地内にある使用済み燃料を専用に保管する「共用プール」の冷却システムなど、合わせて9つの設備が停止しました。
東京電力が調べたところ、外部から電気を受けている3つの配電盤から先の設備に、電気が送れなくなっていました。このうちの1つの配電盤に異常が起きていたのです。
燃料プールが冷却できなくなると、燃料から出る熱でプールの温度が上がります。東京電力の評価では、4日ほどで、保安上の管理温度65度に達するとされました。
当初、東京電力は、時間的な余裕があるとして、原因究明を優先しましたが、原因の特定に時間がかかるおそれが出てきたため、復旧作業を本格的に進めました。その結果、発生からおよそ29時間後の20日午前0時すぎにすべての冷却システムが復旧しました。
こ のトラブルで、燃料プールの温度は、最も多くの燃料を保管している4号機で25度から31度まで6度ほど上がりましたが、すぐに危険になるということは ありませんでした。ただ、おととしの事故以降、これだけ長時間にわたって、複数の冷却システムが同時に停止するのは初めてです。

写真
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/still/0322_02_teiden.jpg

 

原因は

停電の原因は何か。
まだ特定されていませんが、思いもよらぬ原因の可能性が出てきました。
東京電力が停止した3つの配電盤を調べたところ、このうちの1つ、外にあるトラックの荷台に載せられた仮設の配電盤の端子の一部に焦げ跡が見つかったのです。
近くの壁にも焦げ跡があり、さらにその下の床の上で、体長15センチほどのネズミのような小動物が死んでいるのが見つかりました。
このため、東京電力は、端子の間に小動物が接触してショートした結果、配電盤につながるほかの電源設備が異常を検知して停止し、大規模なトラブルに広がった可能性があるとみています。
写真
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浮かび上がった課題は

東 京電力によりますと、焦げ跡が見つかった配電盤は、事故から2か月後のおととし5月に設置され、トラックの荷台の上に置かれた状態で使われていま した。このため、建物の中にある配電盤に比べ、雨や風の影響を受けやすく、小動物が入り込みやすい構造になっていたということです。
屋外にある仮設の配電盤はこの配電盤だけで、ことし夏ごろまでに建物の中にある配電盤に切り替える予定でした。
福 島第一原発では、これまでも、原子炉の冷却に使う屋外に設置した仮設のホースに、植物のとがった芽が刺さり、穴があいて水漏れが起きるなど、予期せぬト ラブルで重要な冷却設備に影響が及んでいます。仮設の設備ゆえのトラブルが相次いでいて、事故から2年がたっても事故現場は不安定な状態なのです。
ただ、現場は今も高い放射線量にさらされ、容易に作業はできないため、仮設の設備での運用は今後も当面、続くことになります。
信頼性の高い設備にどのように切り替え、安定して運用ができるか大きな課題になっています。
写真
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公表遅れも

一方、今回のトラブルでは、もう1つ課題が浮かび上がりました。
トラブルの発生の公表についてです。
東京電力がトラブルの発生を報道機関に公表したのは、発生から3時間以上たってからでした。国の原子力規制庁も東京電力の通報から公表までにおよそ3時間かかっていました。
こうした公表の在り方について、原子力規制庁は、22日、今後、電力会社から事故やトラブルの通報があった場合、程度の軽いものを除いて速やかに報道機関に公表することを明らかにしました。
特に、夜間や休日は、事故などに対応する職員が報道機関への連絡も行っていたため、今後は別の幹部職員が、専任で公表の作業を行うとしています。さらに、電力会社に対して、原子力規制庁や自治体と並行して、報道機関にも発表するよう指導する考えも示しました。
福島の事故では、今も15万人を超える人が避難を余儀なくされています。今回のトラブルへの対応については、福島県の住民などから不安の声があがっています。東京電力には、今回の経緯を詳しく検証し、問題点を明らかにしたうえで、改善策を示すことが求められます。
写真
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/still/0322_05_fukuichi.jpg

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福島第一原発 冷却停止の波紋
2013年(平成25年)3月22日 19時50分
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