【石平のChina Watch】出足からつまずいた李首相 国営通信社記者の厳しい質問のウラ<【石平のChina Watch】出足からつまずいた李首相 国営通信社記者の厳しい質問のウラ<zakzak>
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【石平のChina Watch】出足からつまずいた李首相 国営通信社記者の厳しい質問のウラ (1/3ページ)
2013.03.28
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130328/frn1303281546002-n1.htm
▼全文転載
だが、この政策が打ち出された当時から国内ではさまざまな批判が上がってきた。インフラ投資の拡大で成長を牽引(けんいん)していく発想は今までの成長 戦略の単なるコピーではないのか、人為的な都市化の推進は結局不動産バブルのさらなる膨張を助長することになるのではないか、等々である。
昨年来、都市一つ丸ごと新造されていても誰も住まないという「鬼城(ゴーストタウン)現象」が全国的に広がったことや、既存都市の存続自体を脅かす大気汚 染がより深刻化したことなど、いわば「都市化政策」に冷や水を浴びせるような出来事が続出した。李氏の「新成長戦略」は実施される前から早くも行き詰まり の様相を呈した。
そして、冒頭に記した件の記者会見では、質問に立った新華社記者は何と、「社会の一部での議論」を代弁するような形で 「都市化はもともと近代化の自然の結果であって、わざわざ推進するものではないのではないか」と、李首相肝いりの「都市化政策」に真っ正面からの疑問を呈 した。
新首相のメンツすら一顧だにしない厳しい「質問」が、政府主催の記者会見において国営通信社の記者の口から出されたことは、現代 中国の政治史上前代未聞の大珍事である。李首相自身の政治的権威の欠如と、彼の「都市化政策」に対する体制内批判の高まりがその背後にあるのだ。
そして、この質問に対する答えの中で、李首相の口からは「内需拡大の最大の潜在力」うんぬんという自信満々の言葉がついに出ることはなかった。彼は結局、「人々の幸福のために」とかの抽象的な表現を使って記者からの疑問をかわすのに精いっぱいだった。
このようにして、中国の新首相はその「成長戦略」のつまずきとともに出足から迷走した。今後5年あるいは10年、彼は一体どうやってこの国の経済を運営 していくのか。そして政権にとっての生命線である経済の持続的成長は一体どうやって達成できるのだろうか。船出したばかりの李克強政府と中国経済の今後は 前途多難である。
◇
【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
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