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焦点/震災ADR、生活再建貢献/仙台弁護士会、裁判外紛争解決手続き<証言/焦点 3.11 大震災「河北新報・連載記事」

証言/焦点 3.11 大震災「河北新報・連載記事」から全文転載
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/index.htm
※記事数が多いため、一部転載し、ほかは記事タイトルとURLの掲載です。

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焦点/震災ADR、生活再建貢献/仙台弁護士会、裁判外紛争解決手続き
2011年10月09日日曜日
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20111009_01.htm
▼全文転載



 東日本大震災で生じた紛争を仲裁するために、仙台弁護士会が開設した「震災ADR(裁判外紛争解決手続き)」が、力を発揮している。簡易な手続きと低料 金で、短期間に解決できるケースが多い。審理の申し立ては9月末現在、宮城県内の都市部を中心に約280件。紛争に悩む被災者を救い、生活再建に役立って いる。(水野良将)

◎住宅明け渡しなど手続き簡便、低料金

 震災ADRの責任者の斉藤睦男弁護士によると、紛争の当事者の一方が申し立てをし、相手側が応じると審理が始まる。弁護士が申し立ての内容を聞き取り、論点を整理した申立書を作る。
 仲裁人の弁護士が双方の言い分を聞き、和解の道筋を探る。専門的な知識が必要な場合は、建築士や不動産鑑定士らのサポートも受ける。
 4月から受け付けた約280件の申し立てのうち、約90件が解決した。震災ADRは、申し立てから2カ月前後での解決を目指している。
 目立つのは、賃貸の住宅、店舗の明け渡しや修繕をめぐる紛争。隣家のブロック塀が倒れて自宅が損壊したなどのトラブルや、建物の設備が損壊し、工事業者と購入者側が瑕疵(かし)をめぐって争うケースも多いという。
 わずか8日間で解決したケースもある。大規模半壊した仙台市内の賃貸店舗について、貸主側が借り手側に明け渡しを求めた。最初の審理は現地で実施され、2回目で和解した。貸主側が解決金を支払い、借り主側が明け渡すこととなった。
 貸主側の代理人は「民事訴訟になったら、仮処分申請など手続きも多く、解決に長い時間がかかった。震災ADRのおかげで迅速に解決し、利用しやすかった」と話す。
 震災ADRで和解が成立した場合の手数料は、解決金10万円から100万円のケースで解決金の約4%。双方が半分ずつ、仙台弁護士会紛争解決支援センターに納付する。申立手数料は無料。
 同様の制度は阪神大震災(1995年)でも、紛争解決に貢献した。近畿弁護士会連合が発生の約3カ月後に「罹災(りさい)都市臨時示談斡旋(あっせん)仲裁センター」を設置。3年間で385件の申し立てがあり、180件が解決した。
 東日本大震災の被害は阪神大震災を上回ったため、仙台弁護士会は紛争が多発すると予測。発生から約1カ月後の4月に震災ADRを開設した。現在は弁護士約120人が仲裁人登録している。復旧が進むにつれ、沿岸部の被災者の申し立ても増えつつある。
 斉藤弁護士は「震災直後は生きるため、親族や知人同士が支え合おうという気持ちになっていたが、時間の経過とともに遺産相続などで親族間の対立感情が表面化し、解決が難しいケースが増えてくるのではないか。震災ADRを利用してほしい」と呼び掛けている。

◎被災者同士歩み寄りも/仲裁人、心つなぎ和解

  震災ADR(裁判外紛争解決手続き)では、紛争当事者の双方が被災しているケースが少なくない。津波で夫(29)を失った仙台市の女性(30)は、夫が震 災発生直後、仕事で沿岸部に向かったことを知り、勤務先の会社に補償などを求め、仲裁を申し立てた。審理が進むにつれ、経営者側も大事な人を亡くしていた ことを知り、互いに心を通わせるようになった。

 「結局、誰も責めることはできない。震災ADRを通じて、そう気付いた」。女性は穏やかな表情で、和解が成立した心境を語る。
 3月15日、女性は長男(4)と次男(2)を連れて、仙台近郊の遺体安置所を訪れた。白いワイシャツ、黒いズボンの仕事着姿の男性の遺体。いくつも並ぶひつぎの一つに、夫がいた。
 夫は3月11日の地震直後、仕事で沿岸部に向かうことになり、車で会社を出発した。会社は親族経営。役員は地震で放心状態となり、夫を止めることはなかった。
 「なぜ仕事をやめさせて、避難させなかったのか」。憤った女性は夫の死の責任を追及、会社側に償いを求めた。会社側は謝罪したが、折り合いがつかなかった。女性は4月、震災ADRに仲裁を申し立てた。
 仲裁人の弁護士は「経営者一家も震災で大切な親族を失い、精神的に参っている。厳しい言葉は避けてほしい」と女性に告げた。一家は自責の念から、女性に打ち明けられずにいたという。
 女性は役員らを責め立てたことを悔やみ、仲裁人を介して手紙を送った。「私もつらいです。でも、子ども2人を育て上げなければなりません。いつまでも下を向いてばかりいられません。頑張りましょう」
 会社側から返事が届いた。「震災後におにぎりなどを会社に差し入れして頂き、大変感謝しております」
 5月、青葉区の仙台弁護士会館に女性や役員ら双方の関係者が集まった。会社側が弔慰金を支払うことなどで和解した。
 女性は「仲裁人が間に入ったから歩み寄ることができた。震災ADRがなければ、傷付け合うだけで終わった」と振り返り、会社側の代理人弁護士も「言い分を仲裁人に十分話して、役員の状況を伝えられてよかった」と評価する。
 仲裁人弁護士はこう話す。
 「双方が相手の思いをくみ取り、思いをつなぎ合わせられるよう心掛けた。震災でつらい思いをしたという気持ちを共有できたことが、和解につながった」

証言/焦点 3.11 大震災{河北新報・連載記事}
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