「北の山・じろう」時事問題などの日記

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問われる救済:水俣病訴訟上告審判決/上 「勝って帰郷」天国の母に<毎日新聞>

毎日新聞
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問われる救済:水俣病訴訟上告審判決/上 「勝って帰郷」天国の母に
毎日新聞 2013年04月13日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/area/news/20130413ddn041040013000c.html
▼全文転載


 
                    

 3月3日朝、水俣病認定を求め熊本県を相手に訴訟を起こした大阪府豊中市の女性が、入院先の同市内の病 院で息を引き取った。享年87。長年にわたり主治医として診察を続け、裁判を支援してきた阪南中央病院(大阪府松原市)の三浦洋理事長(70)は連絡を受 けるとすぐに入院先に電話した。「首のMRI(磁気共鳴画像)を撮ってほしい」。三浦理事長にとって、女性への「最後の仕事」となった。

                         

 1審・大阪地裁判決(2010年7月)は、女性の手足の感覚障害から水俣病と認めた。ところが、県は控 訴審で「感覚障害は頸椎(けいつい)の変形が原因の可能性がある」などとする神経内科医3人の意見書を提出。大阪高裁は昨年4月、女性の逆転敗訴とした。 「そんなんうそや」。介護施設にいる女性に長女(67)が伝えると不満そうな顔を浮かべた。三浦理事長も同様。「1審が覆るとは夢にも思わなかった。油断 があった」。そして悔やんだ。女性は人工呼吸器を付けており頸部を詳しく調べることができなかった。数日後、病院から届いた画像を前に改めて確信した。 「頸椎の変形は軽度。この程度で感覚障害が起きるとは誰にも説明できない。最高裁で差し戻し判決が出たら証拠として提出したい」

                         

 女性は熊本県水俣市で生まれ、近海の魚介類を食べて育った。1953年ごろから手足にしびれが出始めた。71年に兵庫県尼崎市に転居後、症状は悪化。うまく歩けなくなり、食事中はよくこぼすようになった。勤務先の電線工場を辞め、78年に熊本県に認定申請した。

                         

 だが、県は80年に棄却。77年に国が定めた認定基準である「複数症状の組み合わせ」に対し「手足の感覚障害以外の症状がみられない」と判断した。女性は88年、関西の未認定患者が国や県、原因企業のチッソに賠償を求めた水俣病関西訴訟の原告に加わった。

                    

 最高裁は04年、77年の基準より緩やかに被害対象をとらえた大阪高裁判決を追認、女性ら37人を水俣 病と認定した。感覚障害だけでも損害賠償を認めたが、それでも国は基準を見直さず、女性は07年、再び法廷で争う道を選択した。81歳になっていた。司法 の最終判断を聞くことなく、この世を去った女性。「勝訴して水俣に帰りたがっていた。最後までやらないと」。長女は訴訟を引き継いだ。自身も足のしびれが 原因とみられる転倒で、幼いころから手足などを5回骨折した。「母に、1審で勝訴した時のように『良かったね』って報告したい」。判決当日、法廷には形見 の指輪をして臨む。

                         

    ◇

                         

 水俣病未認定患者が熊本県に認定を求めた訴訟2件の判決が16日、最高裁で言い渡される。最大の焦点は国が定めた認定基準の是非。認定制度はどこへ向かうのか。原告らはその転換への願いを判決にかける。

                         

==============

                         

 ■ことば

                         

 ◇訴訟の概要

                         

 (1)熊本県水俣市から関西に移り住んだ大阪府豊中市の女性(今年3月、87歳で死亡)が自身の認定を 求めて07年に大阪地裁に提訴(2)水俣市の農業、溝口秋生さん(81)が母チエさん(享年77)の認定を求めて01年に熊本地裁に提訴--の2件。いず れも認定基準が争点となり、女性は2審の大阪高裁で逆転敗訴、溝口さんは2審の福岡高裁で逆転勝訴するなど判断は両高裁で分かれた。

    
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