「北の山・じろう」時事問題などの日記

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問われる救済:水俣病訴訟上告審判決/下 認定制度、矛盾問う<毎日新聞>

毎日新聞
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問われる救済:水俣病訴訟上告審判決/下 認定制度、矛盾問う
毎日新聞 2013年04月14日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/area/news/20130414ddn041040011000c.html
▼全文転載


 
                    

 「私は代表選手なんです」。3月15日の最高裁弁論後、東京都内であった記者会見。熊本県水俣市の農 業、溝口秋生(あきお)さん(81)はやや上気した表情で訴えた。水俣病の認定申請をしながら検診を受ける機会もなく亡くなった人たちは熊本県だけで約 460人にのぼる。溝口さんが裁判を通じて認定を求めた母チエさん(77年、77歳で死去)もその一人だ。

                         

 チエさんが熊本県に認定申請したのは74年。3年後、腸閉塞(へいそく)などを起こして亡くなり、溝口 さんが申請を引き継いだ。が、棄却通知が届いたのは申請から21年後の95年。「こんなにずさんでいいのか」。熊本県を相手に提訴(01年)に踏み切った 最大の理由だ。それにしてもなぜ県は申請を放置したのか。今回の訴訟を通じて、ある内部資料の存在が明らかになった。

                         

 73年、原因企業チッソの責任を認める熊本地裁判決を受け、チッソが認定患者に一時金1600万~ 1800万円などを支払う補償協定が成立。これを機に、年間数十人から500人程度だった認定申請者は同年度、約1900人に急増。認定か棄却か判断を待 つ申請者は、74年度末には2821人に達した。

                         

 「十分な検診医を確保できず、(審査の遅れは)やむを得なかった」。裁判で県はこう釈明した。が、内部 資料の内容は違った。亡くなった申請者の審査について生前の民間診断を活用するか検討。その結果、シミュレーションに基づき「認定者が増える」などの理由 で見送ることが記されていたのだ。

                         

 この資料は、熊本市で88年に開かれた旧環境庁と熊本県の会議録の一部。冒頭には「未処分死亡者の処理 方針」と書かれていた。「チッソが患者団体との交渉に耐えうるか」。そんな表現もあった。認定制度は患者救済を掲げながら補償金を支払うチッソに配慮し、 被害者を振るい落とす「患者切り捨て装置」の側面も秘めていたといえる。

                         

 中でも患者団体が批判するのが、今回の裁判の焦点「認定基準」。旧環境庁は71年、視野狭さくや知覚障 害など「いずれかの症状があり、水銀の影響を否定しえない場合」との基準を示した。ところが、77年には複数症状を求める現行基準を打ち出し、門戸は大幅 に狭まった。県の77年度の棄却者は108人だったが、78年度は申請件数の減にもかかわらず365人、79年度は657人と増え続けた。

                    

 溝口さんの訴訟を巡って1審・熊本地裁は敗訴したが、昨年2月の2審・福岡高裁は「唯一の基準とするには十分でない」と認定基準を否定、逆転勝訴した。閉廷後、溝口さんは「壁」と書かれた書を手に「患者救済を阻む行政の壁を打ち破った」と叫んだ。

                         

 提訴から11年余り。16日の最高裁判決を前に、溝口さんは振り返る。「今の認定基準によってどれだけの人が潰されていったか。誰のためというより、正しいことのために頑張ってきた」(この企画は、西貴晴、和田武士が担当しました)

                         

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 ■ことば

                         

 ◇水俣病の認定制度

                         

 公害健康被害救済特別措置法に基づく認定制度は、水俣病が公害認定された翌年の1969年にスタート。国の委託で熊本、鹿児島両県と新潟県市が審査会の意見を基に判断するが、現行認定基準は複数の症状の組み合わせが条件で「患者切り捨て」と批判されてきた。

    
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