長崎原爆の日:被爆者、痛烈に批判<毎日新聞>
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長崎原爆の日:被爆者、痛烈に批判
毎日新聞 2013年08月09日 12時07分(最終更新 08月09日 12時12分)
http://mainichi.jp/select/news/20130809k0000e040195000c.html
▼全文転載
◇核兵器不使用の共同声明に賛同しなかった政府を
9日、68回目の「原爆の日」を迎えた長崎は、原爆犠牲者への鎮魂の祈りに包まれ、一瞬にしてすべてを 奪った原爆への怒りを新たにした。「私たち長崎の被爆者は驚くというより、憤りを禁ずることができません」。平和祈念式典で被爆者代表として「平和への誓 い」を読み上げた築城(ついき)昭平さん(86)=長崎市ダイヤランド2。核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委で、非人道性の面から核兵器の不使 用を訴える共同声明に賛同しなかった日本政府を痛烈に批判した。
68年前、長崎師範学校2年の18歳だった。動員学徒として長崎市内の三菱兵器住吉トンネル工場での夜 勤を終え、爆心から約1・8キロの寮で就寝中に爆風に吹き飛ばされた。厚手の布団を頭からかぶって寝ていたため左手足のやけどですんだが、体中から血が流 れ、赤鬼のような姿で近くの防空壕(ごう)まで逃げた。
戦後、中学校教師として平和教育に尽力した。「幸いにして生き延びた」と言い、米国などで核実験が繰り 返されるたびに座り込みに参加。「長崎を最後の被爆地に」と訴え続けた。それだけに「唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶の先頭に立つ義務がある」はずの政 府が共同声明に賛同しなかったことに憤りを隠さない。
安倍晋三首相らを前に訴えた「平和への誓い」。築城さんは「ヒロシマ・ナガサキ、そしてフクシマの教訓 として、『核と人類は共存できない』ことは明らかです」と主張した。さらに被爆者、戦争体験世代に向かって「今、平和憲法が変えられようとしています。再 び戦争の時代へ逆戻りしないよう、あなたの体験をまわりの人たちに伝えてください」と呼びかけた。戦争を知らない世代に継承しなければいけないとの思いを 込めて。【梅田啓祐】
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