「北の山・じろう」時事問題などの日記

 ☆今は、無きブログのタイトル☆ 『取り残された福島県民が伝えたいこと』 管理者名 「取り残された福島県民」 当時のURL>http://ameblo.jp/j-wave024/

「EVはエコでもクリーンでもローコストでもない」と大前氏指摘<NEWSポストセブン>

NEWSポストセブン
トップ>http://www.news-postseven.com/
「EVはエコでもクリーンでもローコストでもない」と大前氏指摘
2012.11.23 16:01
http://www.news-postseven.com/archives/20121123_156229.html
▼全文引用

 EV(電気自動車)を取り巻く環境が激変している。電力不足が続く中、EVのために化石燃料を燃やしてCO2排出量を増やすわけだから、全くエコではない。つまり、EVに乗ってエコだと思うのは(火力発電所で化石燃料を燃やしていることを失念しているがゆえの)自己満足にすぎないと、大前研一氏は指摘する。以下は、大前氏の解説だ。

 * * *
 EVの普及スピードが鈍っているにもかかわらず、メーカー各社は「走行中にCO2やNOX(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)を一切発生しない」などと良い面ばかりを喧伝し、ローコストをアピールしている。

 たとえば『リーフ』(日産)の公式HPでは、HV(ハイブリッド車)に乗っていた時は月々1万円かかっていたガソリン代が、EVに乗り換えて不要になった、というオーナーの声を紹介している。

 それだけ読むと、EVは魅力的に見えるだろう。だが、そもそも電力会社の電気料金は高くなっているわけだから、今も安い電気で走れるとした広告は虚偽行為だ。充電スタンドや自動車ディーラーで安く充電できるといっても、その設備費用などは国の補助金やメーカーのサービスで支えられている。

 EV本体も国や自治体の補助金があるのでけっこう安く買えるが、それでも、メーカー希望小売価格は『リーフ』が376万円と406万円、『アイ・ミーブ』(三菱)は軽自動車なのに260万円と380万円もする。EVのコストが安いというのは完全に錯覚だ。原発の夜間電力と補助金のないEVは、エコでもクリーンでもローコストでもないのである。

 水力発電が主力のスイスやカナダなら、EVは意味があるかもしれない。しかし、スイスのような山岳地帯にEVは適さないし、カナダのような広大な国で充電インフラを整備するのは至難の業だろう。

 結局EVは、現状では一定のエリア内を走る循環バスや短距離のコミューター、街乗り専門のシティビークルなど特定の用途しか活躍の場はないのではないか。

 それ以外の用途では、今後何らかの画期的な技術革新がない限り、EVが広く普及するのは無理だと思う。量産できるようになれば安くなるというが、今の普及スピードでは、いつまでたっても損益分岐点にさえ達しそうにない。“究極のエコカー”として期待されているFCV(燃料電池車)も、全く同じ問題を抱えている。

 日本の自動車メーカーや経済産業省は、原発問題も含めて根本からEV戦略を見直すべきだろう。

週刊ポスト2012年11月30日号


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チェルノブイリ原発事故 作業員と消防士33名小腸壊死で死亡<NEWSポストセブン>

NEWSポストセブン
トップ>http://www.news-postseven.com/
チェルノブイリ原発事故 作業員と消防士33名小腸壊死で死亡
2012.11.24 16:00
http://www.news-postseven.com/archives/20121124_156262.html
▼全文引用

 白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏が、モスクワ郊外のオブニンスク医学放射線研究所を訪ね、チェルノブイリ原発事故の教訓を活かした再生医療の取り組みについて話を聞いた。

 * * *
 同研究所の放射線治療細胞学研究部門のコノプリャニコフ教授は、放射線に対して最も感受性が高い幹細胞に注目し、30年近く幹細胞の基礎研究と臨床研究を続けている。

 原発事故当時、チェルノブイリ原発の4号原子炉で働いていた作業員と事故現場に駆けつけた消防員の計33名は、モスクワの病院に運ばれ骨髄移植を受けた。幹細胞は放射線に対して最も感受性が高いために、幹細胞の分裂が盛んな骨髄や小腸は、放射線を受けると最も重篤な臓器障害を発症する。

 小腸は、幹細胞が豊富に存在し、常に「若さ」を保ち続ける「不老」の臓器と考えられているが、チェルノブイリの事故のように大量の放射線に急性暴露すると臓器が壊死(えし)を起こしてしまう。骨髄は移植できるが、小腸は移植できないため、モスクワの病院に運ばれた作業員と消防員は全員、小腸の壊死によって死亡したという。

 コノプリャニコフ教授はこのチェルノブイリ原発事故より学んだ教訓から、幹細胞が放射線障害の克服にも応用できる可能性に注目した。間葉系幹細胞という骨や軟骨、血管、筋肉に分化できる幹細胞を骨髄より採取し、試験管内で細胞培養する技術を確立した。

 たとえば、放射線治療を受けた乳がん患者が正常な肺に放射線を浴びて放射線肺炎を合併することがある。そうした患者に間葉系(かんようけい)幹細胞移植をしたところ、肺炎が劇的に改善した。これまでに2000例以上の幹細胞移植を安全に行い、クローン病や重症の心不全患者にも劇的な効果があったという。

週刊ポスト2012年11月30日号



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【放射能汚染】野生鳥獣最高記録!イノシシから3万3000ベクレルの放射性セシウム検出!<ベスト&ワースト>

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トップ>http://www.best-worst.net/
【放射能汚染】野生鳥獣最高記録!イノシシから3万3000ベクレルの放射性セシウム検出!
2012年11月23日 09:00
http://www.best-worst.net/news_anaTsiRAHm.html?ranking
▼全文引用

■イノシシから3万3000ベクレル!野生鳥獣の汚染進む
2012年11月21日、厚生労働省が「食品中の放射性物質の検査結果について(第527報)」を発表した。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002p9ot.html

この資料で福島県いわき市で捕獲されたイノシシから1キログラム当たり3万3000ベクレルの放射性セシウムが検出された。

食品基準値である同100ベクレルの330倍となる放射性セシウム濃度である。

同資料では他に別のイノシシから1200ベクレルいわき市のカルガモ1羽から130ベクレル福島市マガモから860ベクレル檜枝岐村ニホンジカから190ベクレルなどが検出されたことが明らかとなっている。

野生鳥獣の放射能汚染が数多く発表されている。

■野生鳥獣放射能汚染最高記録!
この福島県いわき市のイノシシの3万3000ベクレルは、同県相馬市で記録した1万980ベクレルを超えるものである。

野生鳥獣の放射性セシウム汚染の数値としては過去最高を記録したものだ。

現在、山菜、キノコの出荷制限を行っている自治体のある県は青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県の13県である。
(図URL)
http://www.best-worst.net/files/573/4ce681e154e40d4526f9e4c5da4b6633.jpg

汚染の拡大は福島県内だけではなく静岡、長野まで拡大しており、ほぼ東日本全域に近い。

福島県の野生キノコ出荷制限(図URL)
http://www.best-worst.net/files/776/c2daefe7b13c9d8d8ea1156507fa4bfd.jpg

千葉県のタケノコ出荷制限(図URL)
http://www.best-worst.net/files/736/85f73213d4c1a2545e9f80f304d07e9c.jpg

山菜、野生キノコの放射能汚染が生物濃縮によって、野生鳥獣に蓄積されているのであろう。

福島第一原発事故でばらまかれた放射性セシウムの影響はこれから出てくるのかもしれない。1年8か月以上を経過し野生鳥獣で最高記録を計測する事実は恐怖を感じる。
★外部リンク
食品中の放射性物質の検査結果について(第527報)|報道発表資料|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002p9ot.html
林野庁/きのこや山菜の出荷制限等の状況について
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/syukkaseige

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防護服を用意するが着るのはNG? 福島除染ボランティアの矛盾<税金と保険の情報サイト>

税金と保険の情報サイト
トップ>http://www.tax-hoken.com/ 
防護服を用意するが着るのはNG? 福島除染ボランティアの矛盾
2012年11月24日 20:00
http://www.tax-hoken.com/news_apsSeGGBwO.html?right
▼全文引用


近隣で暮らす住民に配慮せよ
福島第一原発事故により汚染された地域で除染ボランティア活動を主催するNPO法人オンザロードの募集要項に批判の声が上がっている。人数分の防護服を用意するが、着用については、「近隣で暮らす住人の気持ちに配慮せよ」というのだ。
図URL
http://www.tax-hoken.com/files/429/724f48eb5750274bbceac6124cbb8c8d.jpg

福島県とNPO法人が企画
問題の除染ボランティア活動は、福島県とNPO法人オンザロード福島事務局が共同で企画する「福島元気祭り!クリーン大作戦」。福島市大波地区で12月1日〜10日に地域の除染活動を行うというもの。

昼は、住民とボランティアが、みんなで力を合わせて、本気の除染作業! 夜は、福島自慢の温泉に浸かりながら、最高の食と最高の音楽を地元の方と一緒に楽しむ! 福島県内、そして、日本中から、熱いハートを持った男達が大集結する、史上最高にHOTな10日間の祭 in フクシマ! 1日だけの参加でもOK! 「福島の人のために何かしたい」という熱い想いがある人は、ぜひ、一緒に汗を流そう!(「福島元気祭り!」HPより抜粋)

除染してもすぐ再汚染
大波地区は福島第一原発から北西約55kmに位置する。昨年は同地域で作付けされたコメから630ベクレル/kgのセシウムが検出されるなど、一帯は高濃度で汚染されているが、避難指示地域には指定されていない。

昨年10月には国による面的な除染が行われた。除染後は一時的に線量が下がるものの、雨などで汚染物質が移動するためすぐ元の数値に戻る。

町会長を務める栗原俊彦さん自宅前の側溝では、今年3月の除染により9μシーベルト台から2μシーベルトにまで低減された。ただ8月には10.36μシーベルトに戻ったという。

不安と威圧感を与える
同地区では国に再度の除染を求めているが、環境省からは回答がない。こういった状況の中、一般市民の手で除染を行うのが「福島元気祭り!クリーン大作戦」。

ただ、同活動には疑問点も多い。HPではボランティア活動による被ばくについて、10日間で37.04μシーベルトになる、との試算を示す。同時に年間100ミリシーベルト以下の被ばくでは影響が確認されていない、とする国際放射線防護委員会(ICRP)の見解も紹介し、安全性をアピールする。

しかしながら「100ミリシーベルト以下は安全」というのであれば、そもそも同地区の除染は必要ないことになる。

さらにボランティアに対しては人数分の防護服を用意している、としながら、下記のようなただし書きを添えている。

防護服は全員分手配しています。防護服の着用は個人の自由ですが、防護服を着用して作業を行うということは、住民に不安や威圧感を与えてしまうということを十分に理解した上、判断して下さい。大波地区の住民は作業場所内にも防護服なしで住んでいるということを忘れないで下さい。(「福島元気祭り!」HPより抜粋)

これこそ「不安や威圧感を与える」ただし書きである。
外部リンク
◆福島元気祭り!クリーン大作戦
http://www.fw-p.jp/genkimatsuri.html

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カナダ:原爆ウラン精製の町…政府、4800軒線量調査へ<毎日新聞>

毎日新聞
ホーム>http://mainichi.jp/
カナダ:原爆ウラン精製の町…政府、4800軒線量調査へ
毎日新聞 2012年11月26日 02時32分(最終更新 11月26日 10時23分)
http://mainichi.jp/select/news/20121126k0000m030110000c.html
▼全文引用

(1)
写真・図URL
低レベル放射性廃棄物が保管されているふ頭で釣りを楽しむ人たち。後ろで白煙を上げているのは、カメコのウラン転換工場=カナダ・オンタリオ州ポートホープで、吉富裕倫撮影
http://mainichi.jp/graph/2012/11/26/20121126k0000m030110000c/001.html
カナダ・オンタリオ州ポートホープの位置
http://mainichi.jp/graph/2012/11/26/20121126k0000m030110000c/002.html

 第二次世界大戦中、広島・長崎に投下する原爆開発のためのウラン精製が行われたカナダ・オンタリオ州ポートホープで、カナダ政府は12月にも市街地の全不動産を対象に放射線量調査を始める。過去の低レベル放射性廃棄物の影響を調べるのが狙い。規制値を超えた物件は除染し、15年完成予定の新処分場に移す。カナダで最大規模の除染事業となるが、住民からは環境汚染を招くと反発の声も上がっている。

 ◇土壌除染、住民に逆効果の声

 ポートホープでは1932年にラジウムの精製を開始。第二次世界大戦中は国営企業がウラン鉱石を精製し、原爆を開発する米英加のマンハッタン計画の加工工場として使われた。

 当時は放射性物質への危険性の認識は低く、ラジウム226、ウラン、ヒ素などを含んだ廃棄物は埋め立て用の土として宅地整備などに用いられた。

 1970年代半ばに放射能汚染が問題化し、80年代にかけて除染が行われたが、処分場が満杯になり、「もはや健康への影響はないレベルになった」として作業を中断したまま、先延ばしにされてきた。国営企業はその後、民営化され世界有数のウランメーカー「カメコ」となり、今も同市でウラン転換工場などが稼働している。

 市街地の全軒と周辺地域の一部を含む計約4800軒が調査の対象で、土壌のサンプル調査も行う。カナダ政府は今夏、うち約450軒に発がん性のあるラドンガスの検出器を1軒あたり2個以上配布。線量調査は12月にも着手する。

 同事業を進めるポートホープ地域イニシアチブ管理事務所によると、ラドンが1立方メートルの空気中125ベクレル(カナダ政府の規制値は200ベクレル)、年間の放射線量の増加分が0.3ミリシーベルト(同1ミリシーベルト)を超える不動産について汚染源を調査し、過去の廃棄物が原因と判明すれば政府の負担で除染する。

 本格調査に先立ち、すでにラドン濃度が200ベクレルを超える物件も出ているといい、約1割が何らかの除染の対象になると推計されている。

 カナダ政府は今年1月、中断していた同地域周辺の除染を再開するため、10年間にわたって12億8000万カナダドル(約1024億円)の予算を投じると発表。浜辺やふ頭など港湾の除染も行われる予定という。

(2)
 規制値を超えた場合、建物は壊さないものの、民家の庭先や床下など地中に埋まっている低レベル放射性廃棄物を掘り返し、除染する。このため、複数の市民団体が、ウランなどの有害物質が空中に散って内部被ばくを引き起こしたり、オンタリオ湖の水質を汚すなど環境汚染につながったりする可能性を指摘し、批判している。【ポートホープ(カナダ南東部)吉富裕倫】
毎日新聞


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カナダ:いまも残る放射能汚染…除染計画、地元に政府不信<毎日新聞>

毎日新聞
ホーム>http://mainichi.jp/
カナダ:いまも残る放射能汚染…除染計画、地元に政府不信
毎日新聞 2012年11月26日 02時32分(最終更新 11月26日 02時41分)
http://mainichi.jp/select/news/20121126k0000m030111000c.html
▼全文引用

(1)
カメコのウラン転換工場(左奥)に近い自宅の売却を決めたポーラ・エバンズグールドさん=カナダ・オンタリオ州ポートホープで2012年10月18日、吉富裕倫撮影
http://mainichi.jp/graph/2012/11/26/20121126k0000m030111000c/001.html

 第二次世界大戦中、米英カナダのマンハッタン計画で広島・長崎に投下する原爆を製造するため、ウラン精製が行われたカナダ・オンタリオ湖に面した工場。汚染された周辺の土地や浜辺にはいまも低レベルの放射性廃棄物が埋まる。カナダ史上最大規模とされる除染計画。事業本格化を控える地元では市民の一部に政府への不満が渦巻いていた。【カナダ・ポートホープで吉富裕倫】

 「高校の裏手の土地を掘り返したら、生徒たちが放射性物質を吸い込んで内部被ばくしかねない」。ポートホープの住民らで作る「放射線被ばくに反対する家族の会」のデリック・ケリー会長(50)は政府の除染計画に反発する。廃棄物が埋められた高校近くの高台には放射線を抑えるため土砂がかぶせられ、草地が広がる。記者が持参した線量計は毎時0.10マイクロシーベルト前後を示した。カナダ政府の規制値の年間1ミリシーベルトを時間換算した数値を下回っている。

 埋まっているのは「ピッチブレンド」と呼ばれたウラン鉱石の精製後の廃棄物。政府は水を散布して粉じんが舞い上がらないように土砂を掘り市内の新しい処分場に運搬すると主張する。だが、ケリー会長は強いアルファ線を出すウラン粒子が土中から粉じんとなって体内に取り込まれればさまざまな病気を引き起こすと懸念する。

 周辺住民の中には放射性廃棄物に長年苦しめられてきたと訴える人たちがいる。廃棄物は湖岸や湖底など市民の憩いの場にも残る。同市で生物学などを教える高校教師だったモリー・ムロイさん(54)は99年に悪性の脳腫瘍と診断された。自宅は政府の直営企業だったウラン精製工場(現「カメコ」ウラン転換工場)から約1・5キロ。「低レベル放射線に長期間被ばくすると流産や出生異常を招くと聞く。高校の友達も多くが子どもを持てないでいる」と話した。政府は「疫学調査などの結果から、健康への悪影響は起きていない」と主張、健康被害を訴える住民団体とは平行線のままだ。

 戦前から核物質を扱い続けてきたウラン転換工場は、煙突から日々もうもうと白煙を上げる。鉄道を挟んで目と鼻の先に住むポーラ・エバンズグールドさん(60)の自宅の窓には、黄色い粉じんがたまるときがある。

(2)
 自宅を売り転居することにしたが、希望の値段では買い手が見つからず、値を下げた。一帯は全戸が除染のための放射線調査の対象地区。ポートホープ地域イニシアチブ事務所から、ラドン検出器を取り付けるよう協力を求められたが断った。除染事業に伴い不動産価格が下落したとして政府の補償プログラムの適用を求めている。

 湖に面した公園で線量を測ると突然、毎時0.31マイクロシーベルトに上昇した。年間規制値の約2.7倍にあたる。近くのふ頭に目を向けるとシートをかぶせて保管されている背後の廃棄物を気にもせず釣り人たちが糸を垂れていた。

 同事務所は、住民の84%が「ある程度」または「とても」計画に満足しているとのアンケート調査を示し、事業の推進に自信を示す。だが、カメコの「企業城下町」と呼ばれるポートホープでは、「共存」してきた核廃棄物への不安が染みついている。
毎日新聞



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小沢・嘉田連合 脱原発で100人超え<日刊ゲンダイ>

★日本の社会の未来のために、「原発をなくそう」と言う政策を掲げる政党は、団結していただきたいと思います。民主党・自民党・日本維新は、総選挙の争点を逸らすために、様々な小細工を弄しています。しかし、次の総選挙は、「原発を、どうするか??」が最大の争点です。今回、明確に国民が意思表示しないと、ずるずるとこれまでと同じ事が継続される可能性が高いと思います。

★私の考えでは、100議席でも足りません。新党合流は、あるかどうかは、別の話として、脱原発が明確な、嘉田新党(生活+亀井新党)、「みどり」、それと「みんな」、「社民」、「共産」、ここまで合わせて、150議席は確保したいところです。出来たら、200近くまで行ってほしいと思います。そのためにも、「小異」は捨てていただきたいと思います。「脱原発の旗の下に」協力して選挙戦を戦い抜いていただきたい!!、こう願います。


日刊ゲンダイ
トップ >http://gendai.net/
小沢・嘉田連合 脱原発で100人超え
2012年11月27日
http://gendai.net/articles/view/syakai/139829
▼全文引用

野合の維新を上回る

写真URL
http://gendai.net/img/article/000/139/829/807c9183a742cf36369b95aa58e61767.jpg

 正真正銘の第三極が発足する。滋賀県の嘉田由紀子知事(62)が「脱原発」を旗印とする新党結成を27日午後にも表明。新党名は「日本未来の党」になる 見通しだ。小沢一郎の「国民の生活が第一」や「みどりの風」、「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」も合流を検討している。共闘が実現すれば、維新 の会を凌駕する一大勢力になるのは間違いない。

 新党の党首となる嘉田知事はまだ全国的な知名度はないが、市民運動家の間では広く知られている。06年に「もったいない」のキャッチフレーズで新幹線新 駅とダム建設に反対し初当選した。原発問題では、橋下徹大阪市長のように大仰な構想をブチ上げたわけではない。地道に「卒原発」を訴え続け、大飯原発3、 4号機の再稼働問題について、政府に慎重な判断を求めてきた。そんなぶれない姿勢が歌手の加藤登紀子や音楽家の坂本龍一の共感を呼んでいる。
 生活やみどりとの連携は、橋下と石原慎太郎前都知事の維新みたいな選挙目的の“野合”とは違う。至極当然の流れだ。
「維新と大きく異なるのは、脱原発の政策が一致していること。そして、場当たり的に離合集散しているわけではないということです。新党構想は3カ月ほど前 から、生活の小沢一郎代表や脱原発亀井静香幹事長が水面下で調整を続けてきました。それが結実したのです。小沢や亀井らベテランが裏方に回って汗をかい ている点も、維新とは対照的です」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)

<第2会派に躍り出る可能性>

 問題は嘉田新党が選挙までに機能するか。「なんらかの連携、協力は模索したいが、即合流までは考えていない」(みどりの谷岡郁子共同代表)という慎重意見もある。比例代表名簿の統一などが検討されているが、難航しないのか。
「最大の問題は選挙区の調整でしょう。でも、小沢一郎社民党新党大地みんなの党と個別にはほぼ調整を終えている。あとはみどりや脱原発との調整があるくらい。テクニカル的にはそれほど難しい話ではありません」(選挙事情通)
 野田は論外だし、安倍や維新のウルトラ右翼もコアな支持層に訴えているだけ。暮らしに密着した問題を争点に掲げる「脱原発グループ」の威力はバツグン だ。政治評論家の伊藤達美氏は「女性を中心に票を伸ばすでしょう。社民、共産も加えれば50〜60議席に届く」と見る。前出の鈴木哲夫氏は「みんなの党が 新党に合流すれば、維新はもちろん、民主を抜き、自民に次ぐ第2会派に躍り出る可能性を秘めている」と指摘した。100議席を超えるポテンシャルを秘めて いるのだ。
 小沢のオリーブの木構想がいよいよ現実になりつつある。

嘉田知事新党は「日本未来の党」 卒原発掲げ結成を表明{朝日新聞}

朝日新聞
ホーム>http://www.asahi.com/
嘉田知事新党は「日本未来の党」 卒原発掲げ結成を表明
2012年11月27日16時19分
http://www.asahi.com/politics/update2/1127/OSK201211270043.html
▼全文引用

 滋賀県の嘉田由紀子知事(62)は27日午後3時過ぎから大津市内のホテルで記者会見し、新党「日本(にっぽん)未来の党」を結成する、と表明した。原発を段階的に削減する「卒原発」など六つの主要政策を掲げ、「未来をつくる政治の結集軸」を目指すとした。

 嘉田氏は知事のまま代表に就く。任意団体としてスタートし、政党を含む幅広い層に賛同者を募る。代表代行には脱原発を訴える環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長が就任する。

 「卒原発」以外の政策の柱は、「活女性、子ども」誰もが居場所のある社会を実現▽「守暮らし」生活に対する不安を取り除く▽「脱増税」消費増税の前に、 徹底してムダを削除▽「脱官僚」国民・地域の立場に立った行政・司法に改める▽「誇外交」食品の安全、医療制度を守り、品格ある外交を展開、とした。

 嘉田氏は「びわこ宣言」も発表。東日本大震災後初の国政選挙であるにもかかわらず、原発のない社会に向けての議論は不透明なままだ、と指摘。「自民党は これまで原発安全神話をつくり、事故への備えを怠り福島事故に対する反省は一切なく、原発推進ともとれるマニフェストを発表した」と批判した。

 そのうえで「多数の原発が集中立地する若狭湾(福井県)に近い滋賀県、琵琶湖をあずかる知事として、国政にメッセージを出さないことは、これまで琵琶湖 を守ってきた先人に対しても、子や孫に対しても申し訳が立たない。国民の信頼を取り戻し、国民が希望を持つことができる、未来への選択肢となる新しい政治 の軸を立てる」と決意を表明し、賛同を呼びかけた。

 びわこ宣言の賛同者には京セラ名誉会長の稲盛和夫氏、音楽家の坂本龍一氏、俳優の菅原文太氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、脳科学者の茂木健一郎氏が名前を連ねた。


★関連記事
朝日新聞
国民の生活が第一、解党へ 日本未来の党に合流決定
2012年11月27日18時17分
http://www.asahi.com/politics/update/1127/TKY201211270668.html
▼全文引用
国民の生活が第一小沢一郎代表)は27日夕、常任幹事会を開き、滋賀県の嘉田由紀子知事が結成する「日本未来の党」に合流する方針を決めた。常任幹事会 後、生活の山岡賢次代表代行が記者団に「一緒にやろうということになった。解党して合流することになる」と明らかにした。

朝日新聞
脱原発」河村・山田両氏、日本未来の党に参加の意向
2012年11月27日17時40分
http://www.asahi.com/politics/update/1127/TKY201211270606.html

★ポイント
「代表代行には脱原発を訴える環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長が就任する。」
これまで、飯田(哲也)氏は、「維新」の顧問についていました。普通に考えると、「維新」を見限ったことになります。これで、「脱原発」VS「原発容認」の対決構図が明確になりました。

「自民・公明・民主・維新」VS「それ以外」です。有権者が、迷ったり悩んだりする必要がなくなりました。原発に反対な人は、どっちに投票するべきか明白になりました。

衆院選 「にわか脱原発政党多い」 官邸前デモ<キッチリ、公約を守ってください!

★しかし、考えてみるとこれで「脱原発」を公約した政党だらけになりました。
朝日新聞
公明、脱原発を公約化 「可能な限り速やかにゼロに」
2012年11月17日13時13分
http://www.asahi.com/politics/update/1117/TKY201211170344.html
47NEWS > 共同ニュース
民主、原発ゼロ「必ず実現」 政権公約発表
2012/11/27 17:34 【共同通信
http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012112701001344.html

★明確に脱原発を否定しているのは、「日本維新」だけになりました。自民党は、「再稼動推進」のようですネ。
北海道新聞
【社説】衆院選 自民党公約 3年間の反省見えない(11月23日)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/421727.html
※引用ブログ
http://d.hatena.ne.jp/hajimetenoblog/20121127/1354013294

東京新聞 TOKYO WEB
原発ゼロ 目指さない 維新・石原代表が方針
2012年11月27日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012112702000126.html?ref=rank
※引用ブログ
http://d.hatena.ne.jp/hajimetenoblog/20121127/1354010717
石原「維新党首」は、ご立派です。世間の流れに逆らって、「原発推進」を明確に主張される時代錯誤振りは、特筆ものです。

★「脱原発」を公約にせざるを得ない「世の中の流れ」があります。「公約した」以上、キッチリ守ってくださいネ!!!「にわか脱原発」でも、選挙公約を守れば、次の次の選挙では許してあげます。下記の記事のようなことにならないように!!!


東京新聞 TOKYO WEB
トップ >http://www.tokyo-np.co.jp/
衆院選 「にわか脱原発政党多い」 官邸前デモ
2012年11月24日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012112402000093.html
▼全文引用

 衆議院解散から一週間たった二十三日、毎週金曜夜に市民が脱原発を訴える抗議活動が首相官邸前や国会前で開かれた。総選挙を控え、活動を主催する 「首都圏反原発連合」は、各政党の原発に対するスタンスを図解したチラシ五千部を用意し、参加者に配布。「各党の姿勢を見極めて」と呼び掛けた。

 チラシは「脱原発」と「原発推進」を軸に、各党の位置付けを図で示し、「多くの政党は、本気で『脱原発』を行う意思があるようには見えません。私たち有権者はどの政党に未来を託せばいいのでしょうか」と記した。

 東京電力福島第一原発から一キロ強の福島県双葉町の自宅から東京都港区に避難する無職女性(68)は「3・11の時、自民党も民主党も被災者の声 を聞かず、争いに明け暮れていた。一体、政治に何が期待できるのか。脱原発も選挙前になって、みんなが言い始めた。だれを信じたらいいのか分からない」と 指摘した。

 二歳の息子をベビーカーに乗せていた東京都東村山市の男性会社員(42)は「自民党はこれまで原発を推進してきた。民主党も野田政権は全く評価で きない。新しくできた政党もいまいち信頼できない」と言い、妻(38)も「信用できる政党がなく、迷っている」と複雑な表情を浮かべた。

 夫婦で参加した都内の男性会社員(58)は「どの政策を最優先にして投票するかは、まだ決まっていない。脱原発に対するスタンスの違いが微妙な場 合は、消費税やTPP、道州制への考え方も含めて決めたい」、五十代の妻は「主婦なので消費税は気になるが、原発は命に関わる問題。覚悟を持って脱原発を 訴えているかで判断したい」と話した。

 五歳の娘を連れていた板橋区の団体職員星リリ子さん(45)は「脱原発は必要条件だが、教育政策なども見て決めたい。政党政治は日本の民主主義の根幹で、政党にはしっかりしてほしい」と語った。



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特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 滋賀県知事・嘉田由紀子さん<毎日新聞>

毎日新聞
ホーム>http://mainichi.jp/
特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 滋賀県知事・嘉田由紀子さん
毎日新聞 2012年07月13日 東京夕刊
http://mainichi.jp/feature/news/20120713dde012040011000c.html
▼全文引用

(1)

 <この国はどこへ行こうとしているのか>
 ◇「棄民」の結末、忘れるな−−嘉田由紀子さん(62)

 「計画停電の危機があおられて、経済界が私の言うことに聞く耳を持たなくなりました。県に代わりの電力があるかといったら、ない……」

 滋賀県知事の嘉田由紀子さんは、苦渋の表情を浮かべた。それまでは穏やかな語り口ながら力強く、中長期 的に原発依存から脱するという持論の「卒原発」について語っていた。だが、5月30日に関西広域連合が関西電力大飯原発の再稼働を容認したことに話が及ぶ と、調子が変わった。近畿・中四国の7府県と大阪市、堺市で構成する同連合は、嘉田さんらの主張を受けて再稼働に慎重だったが、その日、容認に転じたの だった。

 「批判は甘んじて受けます。私の元には『裏切り者』などという、かなりきつい言葉も寄せられました」

 原発なしでも、なんとか夏を乗り切れる態勢づくりを進めていた。停電が患者や入所者に影響することが懸念された病院や福祉関係施設には、代替電源となる蓄電池の設置を支援。中小企業の省エネ設備導入に補助金を出し、昨夏以上の節電が可能となる状況を整えようとした。

 「ところが、5月に入って関西電力が大きな事業所を個別訪問し、計画停電になったらどうするのか、と触 れ回ったのです。これで、一斉に経済界から悲鳴が上がった。再稼働戦略だったんじゃないでしょうか。本当にむなしかったですよ」。嘉田さんはきっとした目 で宙を見据えた。

 国への不信感も隠さない。日本海の風は、秋冬春と福井県を抜けて滋賀県に吹きつける。つまり、滋賀県は 高速増殖原型炉「もんじゅ」を含む原発14基が居並ぶ若狭湾の風下に位置し、万一の時は重大な被害が予想される。ところが、原発事故時の放射性物質の拡散 予測を求めても国は出し渋った。「本来は国のデータをもらうだけでいいのに、県独自でやりましたよ」。被害を抑えるための防災計画を再稼働前に用意するの は当然だが、「国はいまだに防災指針さえ示していません」。

 嘉田さんは3・11後、原発事故で被害を受ける可能性が大きい「被害地元」と滋賀県を位置づけ、原発問 題でものを言える立場の獲得を目指した。福井県などの原発立地自治体は、再稼働はその了解を必要とするなどの「原子力安全協定」を電力会社と結んでおり、 滋賀県も同様の協定を関西電力に求めた。しかし3月16日、藤村修官房長官は大飯原発再稼働で、滋賀県は同意が必要な地元に含まれないとの認識を示した。

(2)

 「『えー、国は何を見てるの。電力会社の顔しか見ていないのですか』と怒りが込み上げました。被害を受けるのは周辺住民です。こちらの努力を無視する、国や霞が関の姿勢はずっと変わりません」

 嘉田さんは電力を供給する力のない現実と、原発に対する地方の「無権利状態」に直面し、挫折を味わった。このため地産地消エネルギーの増加を掲げて「地域エネルギー振興室」を発足させ、再生可能エネルギーの普及や、地域で運営する市民共同発電所の振興などに取り組む。

 無権利状態からの脱却では、山田啓二京都府知事との共同提言がもととなり、原子力規制委員会設置法の付 則に、「国と地方の協力体制を整備するための法体系の検討」という文言が盛り込まれた。原発立地自治体の安全協定に法的根拠はなく、電力会社との紳士協定 に過ぎないという見方がある。現在、原子力施設の安全確保を巡る法的権限は国にしかなく、嘉田さんは「声を上げてきた成果です」と声を弾ませた。

 嘉田さんは埼玉県本庄市出身だが、中学校の修学旅行で琵琶湖と出合い、美しさのとりこになった。京都大 を卒業して滋賀県立琵琶湖博物館総括学芸員となり、その後をこの湖とともに過ごすことになった。06年の知事選出馬では「琵琶湖との共生の暮らしを」と掲 げ、大型公共事業中心の県政の変革を訴え、初当選した。5月に新著「知事は何ができるのか」(風媒社)を出版し、日本の政治や行政に責任感、正義感、倫理 感が欠如した「日本病」がまん延していると批判した。原発を巡っての日本病とは何か?

 「国、電力会社、研究者などで構成する均質集団(原子力ムラ)の内部論理で意思決定し、異質な意見に耳を傾けないことが、福島原発事故を招いた。万一の被害を受ける住民のことには全く想像力も働かなければ、感情もなかった」と、嘉田さんは評した。

 嘉田さんはいつも胸につけている福島県製作の「ふくしまからはじめよう」と書かれたバッジに手を当てた。「福島の人たちの犠牲を絶対に忘れてはいけないのです」

 70年代の中ごろから取り組んだ琵琶湖研究は、環境社会学の立場からだった。水と環境を考えるにあたって、歴史の教訓としなければならないと考えてきた公害問題がある。

 「私は二度と水俣病のようなことが起きてはならないと思ってきた。ところが、政府、企業の中枢を担う人が内部論理に走り、その末に起きた被害として、フクシマは水俣と一緒です。きつい言い方ですが、弱い立場の人間には目を向けない棄民政治です」

 嘉田さんのとなえる「卒原発」には、「脱原発」と比べて穏当な響きがある。原子力ムラに対する強烈な不信感とのずれを感じる。

(3)

 「電気なしでは暮らせないのですから、一定の現実的な判断は必要と思います。しかし、地震大国で津波が多い日本に、原発は不似合いな技術ではない でしょうか。だから、中長期的に日本は原子力から卒業すべきだと考えています」。その期間は10年を期待し、最長でも20年と考えているという。

 日本病全般に共通する病理として、日本人の問題先送り体質があると考えている。「まあまあ、なあなあで 手を打たず、気がつくと手遅れになっているのが、日本の政治なのです」。実例として、巨額の財政赤字や人口減少問題を挙げた。原発問題では、2030年の 原発全廃を目標として、具体的に削減を進めるべきだと主張する。

 原発の即時全廃を求める声もある。どう答えるのか。原発からの撤退を求める人の中でも、意見の対立が生じ始めている。

 「ともかく今、みんなが不安なのですよ。背景には、国や行政がなあなあを繰り返し、結局は3・11前と何も変わらないのではないかとの政治不信がある。ですから、新しい未来を目標に掲げ、その工程を示して不安を和らげ、ともに歩んでいくべきだというのが私の政策論です」

 難問だったはずだが、即答した。知事として、どう原発と向き合うかを考え抜いている。【戸田栄】

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 ■人物略歴
 ◇かだ・ゆきこ

 1950年生まれ。前職は、京都精華大人文学部教授。現在2期目。アフリカ・マラウイ湖など世界各地の湖沼地域も訪問し、湖と地域社会などの研究をする。著書に「環境社会学」(岩波書店)など。