「北の山・じろう」時事問題などの日記

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国会事故調報告書:原発被災者代表「訴え続ける」〜毎日新聞から

国会事故調報告書:原発被災者代表「訴え続ける」
毎日新聞 2012年07月05日 23時21分
http://mainichi.jp/select/news/20120706k0000m040083000c.html

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 東京電力福島第1原発事故に関する国会の事故調査委員会が5日公表した報告書は「官邸、規制当局の危機 管理意識の低さが住民避難の混乱の根底にある」と断じた。もっと早く避難指示できなかったのか、事故は防げたのでは−−。家々を追われ平穏な暮らしを奪わ れた福島県の人々の思いに、600ページに及ぶ報告書は応えたか。ただ一人の被災者代表委員、県内で開かれた事故調で意見を述べた参考人、県外避難を強い られている人たちに聞いた。

 ◇今も私は避難者

 「調査で分かった事実の一つ一つが被災者の私にはショッキングでした。(政府や東電などが)もう少し努力してくれれば、もう少し安全を考えてくれれば、事故は起きなかった」

 被災者代表の国会事故調委員、蜂須賀礼子さん(60)は5日の記者会見で、時折声を震わせて語った。

 「マイクロシーベルト」という単位さえ知らない花屋だった。幼いころからの夢だった店を約30年前に福 島県大熊町のJR大野駅前商店街で開業、町の商工会長も務める。店の北東約5キロの第1原発で起きた事故にすべてを奪われた。昨年3月12日、全町避難。 今は、西に約100キロ離れた同県会津若松市の仮設住宅で愛犬と暮らす。

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 昨年12月上旬、国会議事堂であった委員の任命式。「ただの避難者に何ができるの」と不安になった。「何から始めたらいいですか」と問う黒川清委 員長に、蜂須賀さんは「原発と私たちの町を見てもらいたい」と即答した。同月中旬、誰もいない大熊町の現地調査で、他の委員を案内するうち納得できた。 「私は相双地域を知っている。だから選ばれたんだ」

 民間や政府の事故調を含めても、同じ立場の委員は他にいない。

 県内であったタウンミーティングでは、浪江町から仮設住宅に避難している男性に、「私も仮設に入ってま す。つらいですよね」と言葉を返した。参考人聴取で勝俣恒久・前東電会長の淡々とした受け答えに「あなた、どこの会社の会長ですか」と悔しさをぶつけた。 報告書案に並ぶ専門用語に「これでは分からない」と言い換えを求めた。

 事故直後、枝野幸男官房長官(当時)が「ただちに健康に影響はない」と繰り返す一方で、国や県は「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)の情報を公表しなかった。「なぜ避難者に教えてくれなかったのか」

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 そんな疑問も追及した事故調は「政府の危機管理体制の抜本的な見直し」「国負担による外部・内部被ばくの継続的検査と健康診断」などの提言を報告 書に盛り込んだ。満足感はあるけれど課題もある。同じ被災者として、生活再建のため賠償問題にも踏み込みたかった。事故はまだ終わっていないからだ。会見 もこう結んだ。

 「今も私は避難をしています。まだ生活を取り戻していない。報告書の提言を、国会議員がいかに実行してくれるのか、私自身が訴えていきたい。今日が私のスタートです」【蓬田正志】

 ◇「人災」明記評価?/しっかり対策を…福島県内の参考人ら

 国会事故調で参考人聴取を受けた住民や首長からは、報告書を今後の施策に生かすよう注文も相次いだ。

 浪江町PTA連絡協議会の佐藤隆会長(43)は「はっきり『人災』と書いてあり、避難住民の気持ちをかなりくんでくれた」と評価する。他地域の原発再稼働問題を念頭に「まずは全国の皆にも報告書を読んで理解してもらい、問題意識を高めてほしい」と訴えた。

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 大熊町消防団の松本一彦・技術分団長(45)は「事故原因よりこれからの生活再建が大事。5歳と2歳の子どもが偏見の目で見られないよう、しっかりとした対策を取ってほしい」と注文。被災者向け医療制度の充実など今後の施策に期待を示した。

 井戸川克隆・双葉町長は「私が提起してきた問題が全て包括され、裏打ちされている。規制当局である政府 が全く無知無能であることが証明された」と高く評価。渡辺利綱・大熊町長は「人災」との表現を評価しつつ、事故前の対策の不備が原因との指摘に「何十年も 『安全だ』と言われてきたが、もっと強く(事故対策を)要望しておけばよかった」と反省も口にした。【清水勝、泉谷由梨子、大平明日香】

 ◇住民守る備え不足/一時金渡し放置…県外避難者ら

 福島県外に避難している人たちは怒りの声を上げた。

 富岡町を離れ東京都江東区で暮らす高橋佑治さん(68)は「国も政府も東電も一緒になって安全神話を作り上げていた。避難訓練だってお粗末で何の役にも立たなかった。国や町から何の情報もなく、バラバラに避難した。人災とは本当にその通りだ」と憤った。

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 同町から名古屋市千種区に避難している元小学校長の佐藤武之さん(68)は「人災と断定したことは評価する。首相官邸にも責任はあると思うが、全ての問題は東電の隠蔽(いんぺい)体質に起因していると思う」と話した。

 福島第1原発の北二十数キロにある南相馬市の自宅から家族5人で大阪市東住吉区へ避難した主婦、加藤清 恵さん(37)も「国や東電に住民を守る備えが足りなかったことがはっきりした。万が一のことを想定し、事故が起きた時の避難方法をなぜ事前に教えてくれ なかったのか」と悔しそうに語った。【大沢瑞季、平川哲也】

★以上、毎日新聞から全文引用

★私は、普段マスコミを「クソミソ」にこき下ろしますが、毎日新聞の努力は、大いに歓迎します。取り上げた記事は、継続する点も高く評価しています。沖縄の米軍問題は、毎日新聞だけが、地元紙の琉球新報から転載したように書いてありました。実際、私は毎日新聞記事から、下記ブログの事件を知りました。今回も、かなり力の入った記事だと思います。感謝いたします。

発信箱:報道されない「示談」=大治朋子(外信部)〜ほか  (毎日新聞)
http://d.hatena.ne.jp/point-site-play/20120703/1341309534
発信箱:報道されない「示談」=大治朋子(外信部)
毎日新聞 2012年07月03日 00時24分
http://mainichi.jp/opinion/news/20120703k0000m070107000c.html